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8 「隆文の作ったものは何でも好き」

今回投稿直前で一度うっかり本文デリートしてしまい、凍りつきました。

トントントンと小刻みに包丁を動かしながら、鍋の具合をチェックする。


 よし、もういい感じだな。


 今日の夕食のメニューは若鳥のから揚げに、トマトベースのスープ、菜の胡麻味噌和えにレタスとキュウリのサラダ。主食はタラコ・カツオ節・梅干しと三種のおにぎりだ。


 女子には少し量が多いかもしれないが、スープ以外は真ん中にドンと置く。


 食べる量もスピードも違う俺たちには、各自が好きなだけ食べられるこのスタイルが合っている。


 もちろん、足りないことがないよう十分な量は用意しておくしな。


「おーい、お前ら。もうすぐ出来るから、テーブルの上片しておけよ」


「ああ」

「ええ」

「ん」

「ハーイ」


 俺のかけた声にそう返事を返すのは、俺の幼馴染達だ。

 

 手早く作ったサラダに自作の和風ドレッシングをかけ、鍋の火を止める。


「よし、出来たっと。おい、お前ら、自分の分は自分でとりにこいよ」


 そう呼びかけた俺に、幼馴染達がわらわらと寄ってくる。


「あー、から揚げか。俺は牛のが好きなんだよな」


 そうさっそく文句をたれたのが、十人中九人はイケメン認定を下すであろう男、おき孝臣たかおみである。


「嫌なら食わなくていいぞ」


「え!? 嫌じゃねーよ。好きだぞ、から揚げだって」


「だったら開口一番そんなこと言うものではないわ。作ってもらっておいて不平不満を言うのは美しくなくてよ?」

 

 孝臣に苦言するのは艶やかな黒髪がサラリと揺れる、クールビューティ宮野みやのせり


「はあ? 不平不満じゃねーよ。単に好みを言っただけじゃんか。なあ、甲子郎」


「……僕は隆文の作ったものは何でも好き……」


 話を振った孝臣に、ボソリとそう返したのは清瀬きよせ甲子郎こうしろう


 かなりの長身で、ふわふわの天パの前髪で目元を隠している。幼少期はこの幼馴染の中で一番小さく可愛らしかったが、すっかり立派に成長した。成長しすぎだろ少しわけろ。


 無口でやたらでかいが、前髪を上げると今でも昔の面影を残す綺麗な顔をしている。


「おまっ、そこは俺の味方をするところだろ!」


「まーまー。その辺にしておきマショー。ワタシも隆文のご飯はダーイスキ。みんなもそーデショ? だから何も問題ないネ。それよりワタシ、おなかすいたデース。もー食べヨー」


 おかしなイントネーションでそう話すのが、アリッサ・バーグマン。金髪碧眼のかなりの美少女であるが、頭の中身の残念さもかなりのものがある。


 以上、この四人が俺の幼馴染達である。



「じゃあ、食うぞ。頂きます」


「「「「頂きまーす」」」」


 俺に合わせ、幼馴染達も声を揃えて繰り返す。


 こーゆートコはほんと素直なんだよなこいつら。


 小さな頃から「おはよう」「さよなら」「ただいま」「おかえり」「おやすみ」「頂きます」「ごちそう様でした」の挨拶はきちんとするようしっかりしつけた甲斐はある。


 こいつらと接していると、俺は友人ではなく四人の子育てをしているんじゃないかと思うことが多々ある。


 しかし、揃いも揃って美人美形揃いのこいつらが、がつがつと飯を平らげていくのは何か見ていてほんわりくるんだよな。


 父の倫太郎の職業が保育士だが、意外と俺にもあってるのかもしれないな、と感じる。


 いや、それとも父性かこれは。






 俺は、同い年の幼馴染達を見ながら、そんなことを考えるのであった。


忘れないうちにと慌てて書き直しましたが、最初に書いたのと何か違う。でもどう違うかはわかりません。が大筋は変わらないのでまあいいか、と。

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