29 「ワタシのとりえは顔だけデスからネー」
スキップし過ぎでしょうか……。
そんな俺達の関係性は年齢が上がっても変わらなかった。
そしてその後、小学五年生の時に凛子が義母として新たな家族に加わった。
毎日毎日家に居座るよそ様の子供を凛子は嫌がらず、むしろ「いっきに子供が五人出来たみたい! しかもそれぞれ超個性的でものすごっくかわいいー! はっ、こうしてはいられないわ、あら嫌だ、自慢しなきゃ!」とむしろ歓喜した。
自慢って誰にだ。
幼馴染ズは幼馴染ズで俺に過度なまでの好意を見せる凛子に「仲間!」と歓迎した。
仲間って何だ。
よくわからんが、仲違いせずに仲良くしてくれるのはありがたいことだな、うん。
この間で変わったことといえば、孝臣と芹が生家の稼業を手伝うようになったことと、甲子郎の自作ゲーム販売がより好調になったこと。
あとはアリッサがモデルとしてデビューしたことか。
俺には黒歴史でしかないが、あの商店街ポスター騒動の際、アリッサはモデル事務所のスカウトを受けた。
今のところは主に広告のポスターや雑誌のモデル限定らしいが、将来的には活動の場を広げていくという。
アリッサは笑いながら「ワタシのとりえは顔だけデスからネー。将来もこれで食べていかねばなりまセン。なのでこれで頑張るなのデスヨ」と言った。
アリッサのくせに意外と考えていたのにびっくりした。また、自分には顔しか取柄ないといのも自覚してたのか、とも。いやまあ、アリッサは元気で明るくて性格はいいと思うんだが、それが仕事に結びつくかどうかはまた別問題だもんな。
しかし、俺はまだ将来何で食っていくか、までは考えたことなかったから、余計にちょっとショックだったのかもしれない。
考えてみれば、アリッサだけでなく、孝臣も芹も甲子郎も将来の仕事の関係していることを行ってるわけだし。
ちょっと焦りもしたが、結論として今は学校と家に専念しようということで落ち着いた。
まだ結局は小学生でしかないんだし、飛び抜けている何かを持ってる奴と比較してもどうしようもないもんな、と思って。
そんなこんなで俺たちは中学生になった。
俺と甲子郎はそのまま公立の中学へ。
孝臣と芹は通っている私立小学校の上の中学へそのまま進学。
アリッサは芸能活動に有利な私立の女子中学校へ。
そして放課後は時間の許す限り俺の家でみんなで過ごす。
それが、俺たちの日常となっていた。
そうしてあっという間に俺達は中学三年生となった。
次回もお願い致します。




