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27 「何なら俺んちの子になればいい!」

サブタイのセリフどれにするか迷いました。

 文乃失踪のことを知った幼馴染ズは俺の家にすっとんできた。


 既に倫太郎からしがみつかれて泣かれるという一幕をこなした後だったが、孝臣が不用意に「何なら俺んちの子になればいい!」と言ったことが発端で「僕から隆文をとらないで」と更に倫太郎に泣かれる羽目になった。


 芹が「そんなデリカシーのないこと言わないの!」と怒り、アリッサは「みんな神の子なのデスヨー」と今そんな話してんじゃねーと会話の流れを崩し、甲子郎は「……うち仏教だから」と崩れた会話に乗ったりした。


 芹に怒られた孝臣が「じゃあおじさんごと俺んちくればいい!」とわけのわからないことを言い出し、「意味わからないこと言ってるんじゃないわよ」と芹が更に怒り、アリッサが「ワタシの教会でもいいデスヨ~?」と笑い、「……僕自作ゲームで並みの大人より稼いでるから僕が養う?」と甲子郎が初耳の爆弾発言かましたり、「だから何でそんな話に……。隆文は僕の息子だからどこにも行かせないんだよ……」と真に受けた倫太郎がさめざめと泣く。


 何だこの修羅場。


 一時は施設行きかとまで心を決めたのが嘘のようだし。


 倫太郎から「何があっても隆文は僕の息子であることには変わらないから」と泣かれ、孝臣からは「俺がずっとそばにいてやるぞ」と意気込まれ、芹からは「私で手伝えることがあれば……」と心配され、アリッサからは「ワタシタチ永遠に友達なのデスヨ~」と朗らかに宣言をされ、甲子郎からは「……隆文、僕がいる……」とぎゅっと袖をつかまれた。


 ああ、俺愛されてんなー。


 しみじみそう思った。


 実父と実母には恵まれなかったが、義父と友人には恵まれた。


 どいつもこいつもやっかいな奴らばっかだけど、それもまた一つの味だしな……。


 実際文乃がいなくなったって生活には何の支障もないんだよなー。


 文乃生活費稼いでいたわけじゃねーし、家事まともにできないし。


 やっかい事持ち込む人間いなくなっただけ、面倒事減ったというか。


 逆に良かったんじゃね?


 これであいつののせいで頭下げてまわったり、わけわからんわがままに振りまわされることもなくなったんだし。


 でも。


 それでも。


 血の繋がった身近な人間がいなくなるっていうのは、何かこう、何とも言えない喪失感が……。


 気がついた時には、俺の両目からはぼたぼたと塩辛い水が溢れ出ていて。


 悲しくもないのに、何でそんなものが出てくるのかわからなくて。


 だけど、止めようとしても止まらなくて。


 それを見た倫太郎や孝臣、芹にアリッサ、甲子郎が頭撫でたり頬を拭ってくれたりして。


 それで、俺はふと思った。


 ああ、俺、置いて行かれたんだな、って。


 そして、思った。


 こいつらがいれくれてよかった。


 本当よかった。






 俺は、一人じゃない。


次回もお願い致します。

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