22 「うーん。ちょっと休憩挟もうか」
お待たせ致しました。
挨拶もそこそこに撮影は開始された。
商店街の品々を身につけ持たされパシャリと写真を撮るとのこと。
俺は洋服店のパジャマに着替えさせられた。
アリッサも同様だが、真っ白なワンピースタイプの為一見寝間着には見えない。
あれやこれやと着せられ、持たされ、まずはお試しとパシャパシャと撮っていくが……。
「うーん。ちょっと休憩挟もうか」
大人達の表情はあまり明るくない。
まあ当然と言えば当然か。
アリッサや孝臣はいいだろう。
容姿もノリもいいので被写体としては最適だ。
しかし。
芹は揺らぐことなく何を言われても無表情と不愛想の中間のような表情を頑として崩さない。
綺麗と言える顔を持っているだけに、子供らしさがないのが際立っている。
それに本日初めてあった甲子郎。
ふわふわの髪で可愛らしいと言える容姿をしている。
背丈や体格もこのメンバーの中では一番小柄だ。
しかし、その顔面には感情がない。
無表情一口に言っても、それには多種あるのだと俺は今日初めて知った。
芹のそれは「機嫌悪いんですか」と尋ねたくなるソレだが、この甲子郎のそれは「感情あるんですか」と問いたくなるソレだった。
しかも目が死んでいる。
ついつい「何かあったんかい」と聞いてみて、その原因の理由を知りたいような知りたくないような、そんな目をしている。
そして、……これは極力言いたくはないことだが……。
ここまでの四人はまあいずれにせよ容姿は上々だ。
並みのTVに出てくるような子役にもひけを取らない。
しかしその四人に並ぶ俺は、平々凡々たるごく普通の子供である。
最上の容姿の二人と、容姿は絶品だが表情に難がある二人、そこに普通のお子さんである俺。
それを並べて撮っても、「う~ん」と首を捻る出来になるのは当然と言えば当然。
まだ俺が抜けた四人でやってくれと切り替えた方がマシであろう。
しかし、俺には自分からそれを言い出したくない理由がある。
なぜなら、五万円(分の商品券)!
俺はどうしてもこれが欲しい!
芹や孝臣に言えば自分の分をあっさりとくれる気はするが、それは俺の倫理観が許さない。
まあ「悪いんだけど」、とあちら側から断られれば諦めもつくが、自分から言い出す気には到底なれない。
だからどうかこのメンバーでもそこそこ可なポスターの構成を考えてくれ。
俺は「あーでもないこーでもない」と集まって論議している大人達に「頼むぜよ」と思念を送りつつぺこりと頭を下げると、既にみんなが移動した休憩コーナーへと向かった。
次回もお願い致します。




