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16 「隆文の一番の友達は俺だ!」

ちょっと短いです。

「新しいお友達の宮野芹ちゃんです。みんな仲良くしてあげてね」


 そんな言葉とともに、俺と孝臣が通う保育園に芹がやってきた。


 宮野芹。


 大手会計事務所である宮野会計事務所のお嬢様。


 あのクリスマス・パーティの日に知り合った女の子は、興家の事業の会計業務を引き受けている会社の御令嬢だったわけである。


 孝臣の父母にはよく孝臣をフォローしてくれたと感謝され、芹の父母には娘が世話になったねと謝礼をもらった。


 正直俺としてはその場で終わる関係だと思っていたのだが……。


「ゲ」と横から孝臣の声が漏れたのが聞こえたのか、芹はキッと目を吊り上げた。


 よく聞こえんな。まわりの園児の歓声で横にいた俺が精々聞き取れた程度の声だったのに。


 芹はよほど孝臣感知センサーが優れているとみえる。


 もちろんマイナス方向で。


 芹はすたすたと俺達の近くによってくると、俺に向かってにこりと笑った。


「この保育園に隆文がいると聞いて移ってきたの。これからよろしくね。あ、あとそこのアホンダラァもどうしてもというなら遊んであげなくもないけど?」


 孝臣、アホンダラァ呼び決定。


「誰がお前となんか! 隆文に近寄んなよ! 隆文は俺んのだぞ!」


 誰がお前のだ誰が。


「誰と仲良くなろうと隆文の勝手でしょ? 私がここに来たからには隆文の一番のお友達は私に決まってるけどね」


 決まってんの?


「隆文の一番の友達は俺だ!」


「私よ!」


「俺!」


「私!」






 はいはい、この展開でおわかりでしょうがこいつらこののち何かってーと張り合うようになっていくわけなのである。いつも俺を真ん中に挟んで。


 板挟みの俺、まじ大変。


 でもこいつらこの調子で。


「はっ、こんなこともできないの? 無様ね」


「愛想笑いのひとつも出来ないようじゃこの世の中渡っていけねーぞ」


「すぐに大きな声出すのやめなさいよ、品のない」


「こんくらい余裕だぜ。お前には無理かもなー」


 などとやりあって競い合って勉強もスポーツも猫かぶりも爆発的に成長してやがんの。


 俺は無理。


 基本能力違うんで。


 ある意味相乗効果で良いことだとは思うんだけどさ。






 お前らいちいち語尾に「そんなんじゃ隆文には相応しくない!」ってつけんのいいかげんにやめない?


次回より3人目の幼馴染回突入、予定。

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