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プロローグ

また連載開始です。よろしくお願いします。

 一枚のポスターがある。


 そのポスターに映っているのは、五人の子供。


 一人座り込んでいる男の子を四人の子供が囲むようにして立っている。


 コンセプトは天使の祝福を受けている子供。


 座り込んでいる男の子が子供で、他の四人が天使という設定である。


 クリスマスの時期、地元商店街の宣伝広告に使われたものだが、宣伝内容より人物に目が行ってしまう恐らく広告としては失敗作かと思われるそれ。


 ちなみに宣伝内容はポスターの中で利用されてる服や花や小物や本やetc。


 まあ、地元商店街協賛のものだから、そんなものだろう。


 それはそれとして、そのポスターの中に映っている子供達。


 座り込んでいるその男の子はごくその辺にいそうな普通の子供。


 身につけているパジャマも、ごくありきたりなものだ。


 その子供一人だけだったら、誰の目にも止まらないものだったろう。


 しかし、その男の子を取り囲んでいる子供達は別格だ。


 一人は金色碧眼の愛くるしい女の子。


 くるくるの巻き毛に花冠をかぶっている。


 青い瞳は今にも零れてきそうなほど大きく可愛らしい。


 一人はみどりの黒髪の綺麗な女の子。


 長い黒髪に半透明のベールがその神秘性を増している。


 手にした本は綺麗な装丁のもので、その女の子の知的さを表しているかのようだ。


 一人はふわふわした綿毛のような茶色の髪をした愛らしい男の子。


 手にしている蝋燭の明かりが照らし出しているその表情はあどけなく庇護欲をそそる。


 まさかその手にあるのが仏具だとは誰も思えまい。関係者以外は。


 一人は絹のようにさらさらな髪を持つ凛々しい顔の男の子。


 いかにも頭が良さそうで顔も整っている、将来が楽しみだと言われる顔立ち。


 手に持つ時計から、今にも針の動く音が聞こえてきそうな気がする。


 四人とも、神に愛された子供というのはこういう子を指すのではないかと思えるような、目を惹きつけてやまない子供達だった。


 その子供達に祝福されるように囲まれてる平凡な男の子。


 まるで本当に祝福を受けているかのように見える。


 五人の子供が映し出された一枚のポスター。


 その中の一番平凡で中心に座らされた子供が、幼い頃の俺である。


 見た者誰もが絶賛したそのポスター。


 一枚の絵画であるようと評されたその写真。


 それは、俺にとって紛れもなく……………。





 黒歴史である。


次回もお願いします。

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