ずっと、ずっと・・・・・・
20年の歳月が流れた。
美夜がいない世界は寂しい。真実を知り、生きていくことは痛みがある。
でも、それが命を奪った罰だなどと想ってはいけないのかもしれない。
正しい世界を普通とは想えないが、20年も経てば様々なものが落ち着いていった。
彼方の教会で暮らしながら、近くの街の人々とたまにだが、やりとりをしていると、楽しいと想うことだってある。彩斗が会いにきてくれれば、それはうれしいことだ。
この世界を見ていると、これが正しいということがわかる。
世界は2つの力を持っている。正の力と負の力。それらは天秤にかけられていて、平等であることは許されない。いつでも正は負に勝っていなくてはならない。その力が並んでしまっただけで、世界は壊れてしまうのだから。
だからこそ、世界は世界を変える。そして負の神を捏造る。世界の天秤を正すため。
美夜へ花を贈った。
心の痛みは悔しいほど、減ったりすることはなく、今でも泣きたくなる。
今日で20年。晴久様も、美夜の両親も数年前に亡くなった。彩斗は立派な賢者だけど、あいかわらずなとこはあいかわらずだ。僕も年をとったけれど、どうしたって美夜の姿はあのときのままだ。
あと数年で、美夜がいなくなった世界の方が長くなる――。
それでも変わらない。
僕にとって、普通の世界はこんな綺麗な世界ではないこと。美夜の死が納得できないこと。青い空なんて一生見れなくても構わなかったこと。
・・・・・・美夜を愛していること――。
だけど、なにを想っても美夜は戻らない。そして、いずれまた、負の神は誕生させられる。人は愚かで、世界の天秤は狂わないから。
だから・・・・・・だから、願うよ。
どうかこの正しい世界が永く続くように――。世界の天秤が永く保たれるように――。
美夜が見たかった青い空が、ずっと、ずっと・・・・・・。
「美夜。今日も空が青いよ」
僕は美夜に笑顔を見せた。
「正しい世界になったら、1番、青い空が見たいな」
「なんで、1番?」
「だって、青の名前はそこからつけられたんでしょ?」
幸せそうに君が微笑んだ。
遅くなりましたが、こちらで完結です。
おつきあいありがとうございました。




