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世界の話
この世界には、正の力と負の力がある。
正は世界を正しく保つ力。プラスの力。負はその逆の力。
それらの力は、見えるわけではないけれど、消えることなく存在している。
世界の力。誰もが持つ力。
そして――負が正にかつことはできない。
それは世界の決まり。絶対に破られることのない決まり事。
ただ、負の力が強くなることがある。
負の力しか持たない『負の神』の誕生によって・・・・・・。
負の力が強い世界――。
空の色は、紫がかった灰の色。
朝どころか夜もなく、星も輝くことはない。
植物も育ちにくく、貧困な生活を強いられる。
人々も荒れ、邪力が人々を襲う。
負の力が生み出す恐ろしい力・・・・・・邪力。
邪力に襲われた人は壊れていく。
黒いもやのようなような姿をしている邪力を、目で捉えることはできても、倒すことはできない。
避けきることもできない。
だから、負の神を倒すのだ。
世界を恐怖に陥れ、楽しむ神を倒すのだ。
一人の勇士が亡くなったーー物語はそこから始めよう・・・・・・。