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【regret*good-by】

作者: 柊 玲雄

友人のリクエスト小説です♪

暇なときに、なんとなーくちらっと見ていただければ幸いです(*^▽^*)

             ―【プロローグ】-

―3年前―

「・・・じゃぁな、美花」

「うん、まぁ、元気でね」


俺に背を向けて、友達の輪に入って行く。

その後ろ姿を見るだけで、いつもの俺の心は弾んでいた。

・・・だけど、今は違う。

アイツの後ろ姿を、もう当分見れない・・・という気持ちでしかない。


あぁ・・・ちゃんと告白しておけばよかった。

あいつを・・・俺の腕の中へ引き寄せておけばよかった。


・・・これ、一生の後悔だよな。


「ゆう!みんなで写真とるぜー!」

「あ、はいはい。今行くよ」


後悔を心に、俺もあいつから背を向けた。


【1】


「はぁ・・・。ホントまじで、今日はきつい・・・」

「だな・・・。150を5本とかもうおかしい・・・」

「俺は楽しかったけどなっ」


部活の帰り道。

部活メンバーである、たけるじゅんと俺でいつもの道を歩く。


ほんとに今日はきつすぎた。

もうありえん、あれはありえん。・・・と、健と潤がずっとわめく。


「たっくよー!筋肉馬鹿はいいなぁっ」

「だまれ。筋肉馬鹿いうな」

「ふっ・・・そんなご謙遜を」

「だれがご謙遜するんだよ馬鹿が」

「ちっ・・・」

「舌打ちすんじゃねーよ、つかその前、」


健に説教を始めようとしたのと同時ほどだった。


「あれ・・・俺、あいつのことどっかで見た事ある気がする・・・」


そう、ぼそっと潤がこぼした。


「あぁ?」

「誰ー?」


俺と健も、潤が向くほうにふりかえる。


『あ・・・』

「あ・・・」


声をそろえた健と俺に加えて、少し遅れて声を漏らすぬし


美花みか・・・・?!」

「ほ、堀川ほりかわ・・・」


・・・そこには、俺の意恋いこいのひと。


竹内美花たけうちみかが立っていた。


「あ、やっぱり雄太ゆうたの知り合いだったかぁ」

「おぉ・・・久々に見たな、竹内なんて」

「ほんと、久しぶりだね・・・?」


ひょこひょことこちらに寄ってきた美花。


・・・相変わらず、可愛い。

何か少し、女らしくなったな・・・。


「部活帰り?」

「あ、あぁ、うん」

「恐ろしい部活帰りでーす!」

「ホント恐ろしかったな」

「そっかぁ。私のところ、もう部活停止はいってるの」

「はやくね?!」

「でしょう?もう少し部活してたかったんだけどなぁ、なんてね」


ニコニコと可愛い笑顔を見せる。


・・・俺、なんも言えてない。

「あ、あぁ、うん」って・・・俺情けなさすぎだろうが・・・。

・・・好きな人を前に、俺ってこんなになるんだ。



__3年前。

小6の俺たちは、なんとなーく「お互い好きあっている」と多分思っていた。

小学生だから、俺と美花は一緒に帰る。二人きりでも、別に誰に怪しまれる事もない。

休み時間も普通に話すし、若干男っぽい性格をしてた美花は、俺とのじゃれあいもなんなくと言う感じだった。


・・・けど、中学を境に、俺と美花は離れた。

進学高校をめざした美花は、進学中学校であるS高校付属中学へ受験。

俺は普通にあほなので、受験なしでいける地域の中学校へ。


卒業式。

一応は告白しようかと思っていたけど、タイミングを逃した・・・というのは言い訳で、やっぱりやーめたって感じで俺は、結局「じゃぁな」という言葉で背を向けてしまった。

そこから俺の心の一部に残る一生ものの後悔。

気持ちを伝えていれば・・・なんてことを卒業後約1週間は思いまくったほどだ。


・・・そんな、俺の意恋の相手、美花が目の前にいるにも関わらず、このざまである。


なっさけねぇの・・・俺。


「堀川?なんかめずらしくっていうか久しぶりだけど、静かだね?」

「え!?いやいやいや、んなことねぇよ?俺超元気ですー!」


びよんびょんとはねまくる。

美花はそれを呆れたように笑った。


「もう・・・相変わらずだね、堀川は」

「だろ?だって俺だしっ」

「そうだねー?あ・・・そろそろいかないと・・・」

「なんかあるのか?」

「あぁ、うん、ちょっとね・・・?」


今度は少し困ったように笑う。

その笑顔に、俺はどきりとした。

・・・やばい、俺、今すっげぇよからぬこと考えた・・・。


「なんだなんだ?彼氏かぁ?」

「な、そ、そんなわけないでしょう!?変な事言わないでよ!」

「あっははーそうかそうかー」


・・・あの、慌て方。

美花がなにかを隠したときのやつだ・・・。


・・・もしかして、俺、図星あてちゃったのか・・・?


だ、だとしたら・・・

今、まだ、はっきりしてないときに、気持ち伝えないと、俺の気持ち一生このまま・・・?!


それはきつい!!


「それじゃ、私はこれで・・・」

「ちょ、ちょちょ、まって!」


俺は急いで、くるりと背向けた美花を呼び止めた。

美花は首だけ振り返ると、首をかしげる。


「ん?」

「あ・・・えっと・・・その・・・」

「どうしたの?」

「・・・明日、大事な事伝えるために、お前んち行くから・・・。ま、まっててくれないか」


どう考えても美花の顔を直視できない。

・・・のに、美花は元々大きな目をもっと開いて、俺をガン見してくる。


「ど、どういう・・・」

「と、とにかく!明日、行くからなっ!8時ごろならいるよな!じゃぁな!」

「へ?!あ、うん、ばいば、あ__」


美花の返事も待たず、俺は全速力で家の方向に走った。

後ろから、「ちょいまてや!!」という健の声と「はえぇよ!?」という潤の声が追ってくるものの、気にせず家に走る。


「ゆ、ゆうた・・・はぁ・・・はぁ・・・はえぇ・・・よ・・・」

「も、も、ムリ・・・きっつい・・・」

「あー・・・ごめん。しくったな」

「ほんま・・・色々しくりすぎやろ・・・」


ほんとに・・・色々しくじりすぎている。

後悔を打ち晴らすったって・・・これはいきなりすぎる。


「・・・ほんとに、しくじったな・・・」


ゼーハーゼーハーと息を荒くして、互いの肩を持ち合っている健と潤。

自分達の荒い息で俺のポツリと言った独り言は聞こえなかったらしい。


・・・明日、か。


******

「・・・なんで俺、おろしたてとか着てるんだろ・・・」


いってきますと唯一家にいた妹に声をかけると、すごく平然と


「お兄ちゃん、タグついてるわよ」


といわれてしまった。


うん、恥ずかしい。でもありがとう、妹。


そして、なぜ俺がタグなんかついてるおろしたて服を着ているかだ。


超簡単!

美花に会いにいくからです・・・。


やばい・・・緊張がやばい・・・。

正直、どう切り出そうか迷っている。

いきなり、「もう気づいてるかもしんねーけど・・・俺、美花の事ずっとすきだったんだ」ってめっちゃ男前に言うか・・・それともちょっと雑談して、「っと・・・本題なんだけどさ。俺、お前のこと好きなんだ。いや、ずっと好きだったんだ」ってさわやかイケメンで言うか・・・。


うん、どっちもムリだな。


「あぁ、もう!どうすりゃいいんだよ、バーカ!!」


俺は自分自身に嘆く。

朝の8時前にこの声はうるさいでしょうね。ご近所さんすみませ__


「あれ?なにしてんの?雄太」


頭を抱えながら近所に謝っていると、不意に後ろから声がした。

振り返ると、そこには部活友達の東堂とうどうがジャージ姿で立っていた。


「東堂・・・。ジャージかよ」

「し、仕方ないでしょうが。コンビニに朝飯買いにきただけなんだから」

「ふっ・・・コンビニでも私服でいけよ」

「あんたに関係ないわよ。で?あんたどこいくの?」

「あぁ、おれ?俺はー・・・生き地獄に挑みに行く」


俺ってやっぱり意味が分からない。

自分で「行くからっ!」って強制的に言いながら自分で生き地獄って言うなにこれ。

東堂は生き地獄ときいてなにを思ったのか、ニヤリと笑った。


うん、怪しい。


「生き地獄ねー・・・なに?告白でもしにいくのかしら?」

「うぅっ・・・・」


なんでこいつ図星をついてくるの・・・。


「図星ね。まぁ予想・・・いや、答えは美花だよね。ははは、なにが起こってこんなイベントができたのか知らないけど、素の自分さらけだしてがんばってきなさいよ」

「あぁ・・・。がんばってくるわ。振られたら慰めろよ、潤たちと」

「しゃぁない、そうしてやる。ほれ!さっさといってこい!」


若干押され気味に、美花の家の方向へばしっと飛ばされる。

よろめきながら振り返ると、東堂は「さっさといけよ」といわんばかりの表情。


はぁ・・・。


・・・がんばるか・・・うん。


******

茶色の可愛い子犬や、淡いピンク色の服をきたおばちゃんや、ウォーキング中のおじちゃんたちが俺の横を通り過ぎていく。

実に不審な目である。

「え・・・なにしてんのこの人・・・きもちわる・・・」的な顔だ。


さて、問題。俺はどこにいるでしょうか!


正解っ!美花の家の前!


「・・・はぁぁぁあああ・・・・」


ため息しかでないわ・・・。

むしろため息と一緒に血が出てきそうだ・・・。

こう、「はぁぁああ・・・・ぐへっ」っつって。


・・・現実逃避したいもんだ。ワン○ー○でも見て逃避したい。

でも・・・俺が言ったことだしな。

あたって砕けろ!砕けて散れ!そして破滅しろ!

このぐらいの勢いで告白しよう。

そうすればすっきりするよな。


・・・俺の、一生ものの後悔も晴れるよな。


ふー・・・っと一息ついてから、インターホンを鳴らす。


ピーンポーン


『はーい』

「あ・・・っと、堀川です。美花いますか?」

『はいはーい、ちょっと待ってね~。今行かせるわねー』


ブチッとインターホンが切れると、俺の心臓の心拍数が一気に増加する。

ドク・・・ドク・・・ドク、ドク、ドクドクドクドクドドドドドドドドドド・・・

こんな勢いだ。

俺の心臓大丈夫か・・・?


「ほんとにきた・・・」


心臓の心配をしている間に、美花が下りてきていた。

結構驚きの表情である。


「そりゃまぁ・・・約束したしな。あぁいや・・・一方的で悪かったけど」

「気にしなくてもいいよ。・・・少し、嬉しかったし」


にこりと少し控え気味に笑う美花。

あぁ・・・俺の目の前に天使が見える・・・。花畑はどこだろう・・・。

おっと・・・本気で現実逃避してたわ・・・。


「あ、それで?話ってなにかな?」

「あ・・・えっと・・・その・・・」


しまった。

さわやかイケメンか男前か決めてなかった。

どうするか・・・というか、ここで雑談とかできなくね?!

じゃぁどうする・・・俺・・・!


・・・男前か・・・。


「ん?どうしたの?」

「・・・美花。約束してくれないか」

「へ、なにを?」

「今からの俺の言動に幻滅しないでくれ・・・」

「あ、え?う、うん・・・?わかった」

「ありがとうな、美花」


男前でもなんでもないな、うん。

だがしかし・・・俺だし。


「ふー・・・。美花。・・・もう、若干気づいてるかもしんねーけど・・・さ」


ちゃんと美花を見て・・・噛まないように・・・。


「俺、小学生の頃から美花が好きだったんだ。・・・今も、ずっと、あきらめられないままなんだよ・・・。きもちわるいかもしんねーけど、ずっと引きずってて・・・。だから、気持ち伝えにきたんだ。俺と、付き合ってください」


・・・言った・・・。

俺、言っちゃったよ・・・。


・・・でも、なんかすっげぇすっきりしてるよな、俺。


「ふふっ、あははっ!もう、相変わらず堀川だね!」

「え、え?な、なにが・・・?」


声を上げて笑う美花。

え、なんか俺日本語おかしかった・・・?!


「大丈夫、日本語が間違ってたとかじゃないから」

「お前はエスパーか」

「堀川が考える事なんてそれぐらいでしょ」


ふふっとやわらかく笑う、俺の天使。

その笑顔は、朝日に照らされとても綺麗だ。

写真に収めておきたいほどに。


「・・・返事は、ゆっくりで__」


「ううん、今言わせて」


美花はとても真剣な眼差しで俺を見る。

お、おう・・・緊張するな・・・。


______


少しの沈黙。

もう1時間ぐらいたってそうだけど、まだ1分ほどしかたっていない。

こういう沈黙は、俺の苦手分野である。


・・・そんな沈黙を破ったのは、俺が求めていた言葉だった。


「私も、堀川のことがずっと好きだったよ。あの頃から、ずっと」


そう言って、ふわりと笑った。


「・・・まじか・・・?!」

「うん、まじよ。・・・卒業式の日、本当は告白しようって思ってたけど、やめたの。・・・堀川が私のことを好いてるっていう自身なんて一ミリもなかったし、それに堀川に迷惑かけちゃうと思って」

「美花もそんなこと思ってたのか?!」

「美花もって・・・もしかして、堀川も思ってたの?」

「あ、あぁ・・・。ほんと、一生のものの後悔だったんだよ」

「ふふっ、じゃぁ、私達ずっと一緒の気持ちでいたんだね?」

「そういう、ことだな」


まさか・・・そんなことがあるなんて。

意外すぎて、けど、嬉すぎる。


あぁ・・・俺、今超幸せだわ。


「これからもよろしくね、雄太」


手を俺の方へ差し伸べる美花。

俺はその白く小さな手を軽く握ってから、すっとこっちに引き寄せた。


「わっ・・・」


引き寄せた先は__俺の、腕の中。

ずっとしたかった。後悔パート2。

強引ではあるが、叶ってしまった。


「ゆ、うた・・・?」

「・・・これからも、よろしくな、美花」


少しだけ茶色がかる美花の毛先がふわふわとゆれる。

それが朝日に照らされて艶やかに舞う。


・・・なにもかも、好きだ。


この髪も髪色も、肌の色も、美花の少し男っぽい性格も。

全部全部、大好きだ。


「出会ってくれて、ありがとう」

「私こそ、ありがとう」

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― 新着の感想 ―
[一言] はじめまして。 S中学付属高校に進学とありますが、 S高校付属中学のミスではないでしょうか? あとコンビニが1つだけコンビに になってました。 話の内容はいいと思いますよ。
2012/10/05 20:23 退会済み
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