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カオス系

理科室から戦いの音が聞こえる

作者: ウンコ

 ボキたち3人は肝試しに夜の学校にやってきた。ボキたちが通っている『出霊出霊(でるでる)小学校』にはなぜか幽霊が出るという噂が絶えないので、勇気のあるボキらで確かめてみようということになったンゴ。


 って感じで張り切ってやって来たわけだけども、マジでな〜んも出ない。廊下を人体模型が歩いてたり、家庭科室の食器がいきなりガシャーン!って落ちたり、保健室からパンパン聞こえたり、それを受けてか音楽室の肖像画の鼻の下が伸びたり、大介(だいすけ)が買ったコーラガムが当たったり、1番後ろを歩いてたボキの服の裾を誰かが引っ張ったり、ラジバンダリしたけど幽霊は1匹も出なかった。


 はぁ。これじゃ何のために来たのか分からにゃいよ⋯⋯


(けぇ)るか」


 一通り歩いたところで(みどる)(すけ)が言った。でもボキはまだ帰りたくなかった。だってせっかくポン酢持ってきたんだもん。幽霊食わずに帰れっかよ。


「ということなのでもう少し探索しようよ」


小輔(ちびすけ)くん、自分の中で思ってたことが相手に伝わってる前提で話す癖やめた方がいいですよ」


「あ? なんだとコラ」


 難しいこと言いヤガテーこの野郎。


「なんですか? やるんですか?」


「コラ? あんコラ? コン?」


 同時に手が出た。


 互いの手刀が交わった瞬間、シャキーン! という効果音がした。


「な、なんでぇ!? 今のは!」


 中助がビックリしているが、ボキたちも同様におビックリ(つかまつ)っている。


 シャキーン!


 また音がした。ボキたちの手刀は(パンツ)に納まったままだ。


 ガキン!


 ジャキン!


 ミファソラ!


 音のするほうに行くと、そこは理科室だった。


「なぁ、この音って⋯⋯」


「⋯⋯戦い?」


「だよな」


 たまたま来ていて今たまたまボキたちと合流した市長とレディー・ガガが顔を見合わせて言った。


 5人がかりで戸を開けると、中には田中健一校長と冷田中健一教頭と温田中健一教頭がいた。窓際で3人並んで後ろで手を組んで、こちらを向いて立っていた。


「ここは教頭が2人いるのね」


 鬼のような形相でガガが言った。


「そうなんですよ!!!!!」


 市長が菩薩のように答えた。


 そう、ここは教頭が2人いるのだ。同じ顔をしているので双子ではないかと言われているが、苗字が違うのでその線は薄いと思うし校長も同じ顔なんだから三つ子説が出るべきだと思う今日この頃、新作のグミが出たので食べてみたらハンバーグみたいな味がして美味しかった。


「「「ここで一体何を???」」」


 ボキたち3人は奇跡的にハモった。こんな時に奇跡起きなくてもいいのに。パチ屋行った時に起これよもう。


「君たちこそ、こんな時間に何をしているのかね」


 校長と教頭と教頭が同時に言った。が、声質も声量も発声の強弱もスピードも全く同じだったためカギ括弧が1個で事足りるハモりとなった。


「TATAMIのお部屋でお抹茶を飲んでみたいわ」


 市長がそうガガに言うと、ガガは市長をビンタし、「お手」と言った。


 ボキたちは寒かった。ボキたちが3人とも全裸なのは夏季は普通のことであるし、なんの問題もないのだが、この理科室はクーラーがガンガンに効いているのにゃ。


 ガガに「お手」と言われた市長は突如浮遊し、そのまま窓を突き破って東の空へと飛んで行った。太陽当番だったのだろうか。


 市長を失って4対3になった。


「御三方、その手に持っているものを見せてください」


 遠隔名探偵がテレパシーで言った。これで5対3だ。


「フッ、すでに見切っておったか」


 3人は同時にそう言うと同時にズボンを脱ぎ始めた。


 真っ白なブリーフから伸びるゴボウのような色のゴボウのような太さの足。掛ける3。


 ズボンを上げる3人。


「言い逃れは出来んか⋯⋯」


 また3人同時に言うと、3人同時に手を前に出した。3人の手には6本のサーベルが握られていた。全員二刀流だ。


「これで罪のない人々の命を奪ったのか⋯⋯」


 ジョンが言った。


 ⋯⋯誰?


「合体!」


 3人のうち教頭と教頭がそう叫ぶと、二人羽織みたいな形に合体した。


「エスタークの真似!」


 ドラクエの裏ボスの名を口にする教頭と教頭。


「教頭と教頭が共闘!?」


 突然の裏切りに驚きを隠せない校長。


「いや合体しただけですよ校長」


「そっかそっか勘違い悪悪(わるわる)


 そう言ってパンツに手を突っ込む校長。


「あった!」


 窓の向こうに見える花火に目を奪われていると、校長の腕がいつの間にか青くなっており、手は真っ白のゴムマリになっていた。そして、その手には蜂蜜のビンがあった。


「蜂蜜おいち〜。銀河銀河(ぎんがぎんが)


 嬉しそうな校長。


 を見ているとこちらまで嬉しくなってくる。


 平和とはこのことだなと思った。


 思っていたのに。




















 ガガは「印鑑忘れた」と言って窓を突き破って北北西の空へ飛んで行った。ボキたちはその方角を向いて黒くて太くて長い棒を無言で頬張った。ちなみに黒くて太くて長い棒とは○ン○°のことである。


 それから季節はめぐりゆき、2月。


 今年の恵方は「上」だった。


 みんなの恵方巻きを食べる姿が水中の忍者に見えてしまい、ボキは吹き出してしまった。その吹き出した恵方巻きが丁度テレビの部屋にいた飼い馬のお尻にぶっ刺さり、馬は「ニャー」と鳴いた。


 上京したボキが沙悟浄と一緒に半年前のお便りを読んでいると、「北北西を向いて食べた『○ン○°』って絶対男性器のことですよね。全年齢でそんなもの頬張ったらダメですよね。警察呼びますよ」という手紙が来ていた。


 この投稿者は何をバカなことを言っているのでしょう。いくらあの頃のボキたちが恵方巻きのことをよく知らなかったとはいえ、そんなもの食べるわけないじゃないですか。


 ○ン○°は普通にキンパですよ。恵方巻きかと思って買ったらキンパだったんですよ。見た目同じすぎますよね。節分の日に売るんじゃねーよまったく。



●第2章 宇宙人襲来



「ワレワレハ宇宙人ダ」


「ボキは冷田中小輔です。よろしくね」


「ウム、クルシューナイ」



●第3章 宇宙人将来



「ネエ、ワタシタチモウ付キ合ッテ6ネンジャン。ソロソロサ⋯⋯」


「うっせぇなクソが」


「ゴメン⋯⋯」



●第4章 宇宙人、ついにホタテに



「モウ耐エラレナイ! ホタテ入ル!」


「よ、よせーっ!」


 殻に閉じこもってしまった宇宙人。ボキが冷たくしてしまったばっかりに⋯⋯


 パカーン


 ○| ̄|_=3ブッ


 ガチャン


 屁の時しか開けてくれない⋯⋯



●第5章 宇宙人、ホタテに追い出される



「戻ってきてくれたんだね」


「ウン、ホタテト喧嘩シチャッテ⋯⋯ヤッパリアナタジャナキャ、ヤダ⋯⋯」


「今までごめんよ。愛してる」


「ワタシモ⋯⋯」


「⋯⋯実はこれ、君に渡そうと思って」


 ボキはポケットから小さな箱を取り出して、彼女の前で開けてみせた。


 パカーン


 ○| ̄|_=3ブッ


 ガチャン




 パカーン


 ○| ̄|_=3ブッ


 ガチャン




 パカーン


 ○| ̄|_=3ブッ


 ガチャン


「ナニコレ、コノ人形、アタシ?」


「うん、開ける度に屁を()る君のフィギュアを作ったんだ」


「アテツケ?」


 40年前――


 ボキはクラスのみんなから『折り紙先生』と呼ばれていた。折り紙で鶴を折ったり、恩返しを折ったりして人気を博していたんだ。


 そんなボキも今では日曜日。


 笛を吹きながらお風呂に入っていると、隣の家のオバソンが窓のところにきて般若みたいな顔で「ブンツっカンツっパンツっガンツっ」とボイパを始めたので笛で滅多刺しにして殺してやった。


 オバソンは「肩こりが治ったわ〜」と喜んで帰って行った。バカだなぁ。


 お風呂から出るとチョコが芽を出していた。明日にはチョコボールになりそうだ。いや、明後日まで待ってアルフォートになってから食べるか? いや、その次の日まで待ってベンツになってから収穫して売りに行った方がいいか?


 悩む〜!


 その頃、市長は畳のお部屋でお抹茶をいただいていた。()てたのは市長の奥さんの(はがね)だ。


「結構なお点前(てまえ)で。ゴーシュー!」


 ギザギザのプラスチックの紐を引き抜き、抹茶を回転させる市長。それをじっと見つめる鋼の右目。サザエさんを視聴する鋼の左目。未来を見ている第三の目。


「今!」


 そう言って市長が抹茶を手に取った。


「ちゅー」


 抹茶をストローで吸い上げる。


「ぱくっ」


 ゆで玉子をかじる。


「ちゅー」


 抹茶を飲む。


「ぱくっ」


 ヨン様の苗字のクイズに答える。


「ちゅー」


 鋼との接吻。濃厚なキッス。


「ぱくっ」


 炙りカニカマ海老おかか塩おにぎりをかじる。


「ごくんっ」


 噛まずに飲み込む。


「ゲコゲコゲコ」


 カエルの誕生である。



●第9096章 始皇帝の野望



 日本にゴキブリとを持ち込んだことで知られる始皇帝だが、実はその裏には彼の大きな野望があった。


 繁殖能力と生命力の強いゴキブリを送り込み、彼の考案したトリモチで物理的に捕まえる。そんな商売を計画していたのだ。


 しかし、その野望はある1人の男によって打ち砕かれた。


 こんな句を聞いたことはないだろうか。



 始皇帝


  シコティッシュ紛失


   思考停止



 そう、芭蕉の句である。彼こそが始皇帝の野望を打ち砕いた男なのだ。


 始皇帝が自室で製造したシコティッシュをこっそり盗み、隠したことで始皇帝は親にバレたのではないかと不安になり、その後いろいろ考えた結果頭がパンクして死亡した。


 始皇帝の死亡によりトリモチの発売が遅れ、ゴキブリは増えに増え、取り返しのつかない事態となった。


 そして現在に至る。


 だからみんな


 コタツでみかんを食うンだよ。

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