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風船手紙〜答え編〜

前回まで解読していた暗号の答えとは…


そして、その答えが示した場所とは…

暗号を解読した翌日、蔵之介は学校の教室で例の手紙を見ながら考え事をしていた。


(10月20日…今日が10月18日だから、期限は明後日の23:59か…)


蔵之介は頭をかいた。


(時間制限があるのもだが、"その頃には"という書き方が引っかかるな。これじゃまるで…)


この時、嫌な予感が脳裏に走る。しかし、それを振り払うかのように深く息を吸い、ゆっくりと吐いた。


「ふぅ…、仕方ねぇとりあえず行ってみるか。」


スマホを取り出すと、すぐさま目的地までの交通手段を確認した。


(だいぶ近い場所までは移動できるな…そしたら次の日の早朝に例の場所に行けそうだな。)


「蔵、さっきから何してるんだ?」


蔵之介の不審な行動が気になり、幼馴染みの八十順平が声をかけていた。


「おっと、八十か。いや、ちょっとな。」


いきなり声をかけられて動揺する蔵之介。


「ちょっとって何だよ?」


「あー…その、あれだ。ぷち旅行をだな…」


「特に連休があるわけでも無いのにか?」


「まぁ、俺は風来坊だならな。気が向いたらそのままふらっと行くのさ。」


「…あー、確かに蔵って昔からそういうところあるもんなぁ。」


「だろ?だから今、チケットとか取ってたんだよ。」


「そっか〜、それでいつ出発するんだ?」


「今日の17時。」


「え?今日!?」


「膳は急げと言うだろう?」


「いやいや、流石に急過ぎるだろ!?何かあったのか?」


蔵之介は無言で立ち上がり、その場を去ろうとした際にこう言った。


「少年よ好奇心を抱けってな。じゃあなー。」


手を振りながら教室を出ていく蔵之介。それをものすごいしかめっ面で見送る八十は呟いた。


「それ、少年よ大志を抱けだろ。」


―放課後―


蔵之介は教室の掃除を済ませ、さっさと帰宅していた。


「ただいまー。」


リビングの方から「おかえりなさい。」という返事が聴こえて来たので、リビングへと向かった。


「ごめん、かーさん。今日晩飯いらないや。あと、今日から数日間旅に行ってくるよ。」


「あらあら、急ねぇ。何かあったのかしら?」


「うーん…まぁ、ちょっと約束したことがあってね。それを果たさないといけなくて。」


真剣な眼差しで母親の眼をみる蔵之介。それが伝わったのか母親は頷いた。


「わかったわ。気を付けていってらっしゃいな。」


「うん、ありがとう。じゃあ、早速準備してくる。」


蔵之介は自室へと向かおうとした。すると、弟の剣之介が声をかけてきた。


「兄さん、今回はどこに行くの?」


「あぁ、ちょっと愛知にな。なんかお土産で欲しいもんあるか?」


「愛知かぁ…うーん…じゃあ赤福!」


「赤福て…お前それ愛知じゃなくて三重だぞ。まぁいいか、見かけたら買ってくるよ。」


「うん!」


蔵之介はやれやれと思いつつ部屋に入り、リュックサックに着替え等の必要な物を詰めて準備に取り掛かった。


「着替え、歯ブラシセット、充電器、ペンケース、念の為に地図とコンパスも持っていくか…よし!」


荷造りが終わると学生服から私服へと着替え、リュックサックを背負い、いよいよ出かけられる準備が完了した。


「おっと、こいつを持っていかないと…もし、差出人と邂逅できた時に証明できないからな。」


例の手紙を手に取り、部屋を後にリビングに寄った。


「それじゃあ、行ってくるね。」


「行ってらっしゃい。」


「うん。じゃあ、剣之介悪いが留守番頼むぜ。」


「はーい。」


そして、蔵之介は家を出て急ぎ足で最寄りの駅まで向かった。


この後の経路は、まず最寄りの駅から都内の駅まで出て、そこから電車を乗り換えて品川に行き、さらに新幹線へと乗り換えて愛知県名古屋まで向かった。


(うーん…夜の新幹線に飛び乗るのは初めてだな…)


新幹線で窓際に座った蔵之介は真っ暗な外をみながら思いにふけていた。


蔵之介を乗せた列車は着実に西へ進んで行き名古屋へと到着した。そして、その日は名古屋に宿泊せずに、私鉄に乗ってさらに南下した。この日、最終的にたどり着いたのは愛知県半田市だった。


「さて、とりあえずホテルに行くかぁ。」


蔵之介は駅から最寄りのホテルに宿泊し翌日に備えることとした。


〜翌朝〜


蔵之介の姿は、海がよく見える小高い山の上にある神社にあった。


ここは愛知県南知多町にある荒熊神社という場所だった。


そう、ここが暗号に示されていた場所だったのである。


(暗号は数字の羅列だったわけだが、あれはケータイ入力で打った文字をそのまま数字にしたものだった。だから…)


今回の暗号の解読はこうなる。


1,11442222000777577744,4744


1922733*00033*8*


11111222,296664,444777755555444449911


愛知県南知多町


荒熊神社


奥から二つ目の鳥居


…と。


(奥から二つ目…この鳥居か。)


蔵之介は暗号で指定された鳥居を見渡し隈なく調べた。するとあることをに気づく。そして、見つけたものとは…

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