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天啓

初めての投稿です。

よろしくお願いします。

私は平和な日本で、サラリーマンの父と、専業主婦の母との間に生まれた。

田舎と言っても過言ではないのんびりとした地方で、仲の良い両親に三つ歳の離れた妹と共に育てられた、ごくごく普通で幸せな女。

大学を卒業してからは地元の企業に就職し、一人暮らしを始めた。

今までに付き合った人は2人。

1人目は高校生の時の同級生。お互いに子供だったからつまらないことで喧嘩ばかりして。好きだったはずなのに、最後は嫌気が差してしまい、別れることをえらんだ。

2人目は同じ大学生。2つ年下の後輩に妙に懐かれてしまい、なんとなく付き合うことに。そんな軽い気持ちで付き合った私も悪かったのだが、就職を機に私が地元に帰ることで、自然消滅してしまった。

今思えば後腐れなく別れられて良かった。…そんな私は冷めた女なのかもしれない。



いつものように朝家を出て、お気に入りの音楽を聴きながら会社へと車を走らせる。

県道から交通量の少ない脇道に入ったところで突然、頭に光が弾けるように、イメージが流れ込んできた。


「え?! なななななな、なに?!」


天啓が降りるって、こんな感じなんだろうか?!


混乱しつつも運転中な私は無理やり冷静を取り戻し、ひとまず会社へと向かうのだった。



あれから何度も思い出している。

突然降りてきたイメージは、なんだったんだろう。


雲の上のような真っ白な場所で。

私は嫌だ嫌だと悲痛に泣き叫んでいた。

離れたくない。行きたくないと。


そんな私を優しく諭す人がいる。

それはかけがえのない私の愛する人だということはわかるのだけど、名前も顔も分からない。いや、正確言うと名前も顔もどうだって良いのだ。そんなことはどうでも良い、真の部分を愛しているのだ。



「まだ、足りないんだよ。俺たちが一緒にいるためには、もう一度、人生をやってこないといけないんだよ。」


「いや!いや!○○○と離れるのは嫌なの!」


「俺だって君と離れるなんて絶対に嫌だ。でもね、これが俺たちが一緒になる為の、最善の方法なんだよ。頑張っておいで。待っているから。ずっと、待っている。」


彼の偽りのない愛情が伝わってきて、なんだか泣きそうになる。

イメージの中の私も同じなんだろう。そして本当は理解しているのだろう。彼の言う言葉の意味を。




涙を滲ませながら「わかった」と頷く。

そして意を決して、白い空間から、どこかへと、飛び込んだ!




お読みいただきありがとうございます!

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