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狙われた街
テニーは今回のテロ事件が頭に残ってたまらなかった
どうしてこんなことをするんだと怒りを覚えた
「サラ、今夜は何時に終わるの?」
「夜中の1時だよ」
「よし。終わったら飲みに行こう」
マスターがじゃあうちで飲みなよと言ってくれた
sad cafeは昼12時から朝の7時までやっている
朝はロンドンの市場で働く人達がコーヒーと朝食を食べに来るので
結構込み合う。従業員はマスター、40才シングルマザーのフランチェスカ
12才の男の子がいる
55才ダニー、バーテン歴35年のベテラン
それに32才新人のサラの4人でなんとか回している
「ねぇサラ、世の中なんでテロが起きるの?」
「宗教よ。ただ人間って都合のいいように教えを変えちゃうの。
イスラム教過激派ね」
「なんで変えちゃうの?」
そんな宗教論を交わしながら今宵は過ぎていった
「サラ、今度の休みはいつ?」
「あ、デートに誘ってるでしょ」
「うん」
「明日よ」
「山でも登ってみる?」
「道具持ってないわ」
「トレッキング・シューズだけでも明日買いに行こう」
「わかったわ」