004.習慣と意識の外からくるもの
"今日は奴ら来なそうだな。"
頭痛の習慣。来ない日がラッキーと感じる頻度で頭痛に見舞われる。原因が分からないので根本的な改善の仕様が無いが予兆はあるので心の準備くらいはさせてくれる。
痛み方と痛む箇所で区別すると大体3つの頭痛のタイプがあり、それぞれで対処療法を変えるのが面倒だけど長い付合いなのでそういう奴らなんだと受け入れている。
例えばカフェ吉之助はコーヒー飲むと攻撃の手をいくらか和らげてくれる。おかげで朝のコンビニ参拝が習慣化した。見事な習慣の連鎖反応。
今日は朝から3匹一緒に出掛けたようだ。箱根のユネッサンスあたりかな。どうか日帰りじゃありませんように。
ソファーに横になる。分厚いメガネを外し手を伸ばしてローテーブルに置く。コーヒーをストローから一口啜る。
薄く目を空けながら意識のチャネルを少しだけ現実からずらす。ボヤけた視界とボヤけた意識が重なって思考がゆっくりと形を溶かしていく。
手探りでIQOSを探しタバコを入れて電源を入れる。ケムリを吸い込むと意識は更に意味を失っていく。
深くゆっくりと間隔を空けてケムリを出し入れする。
現実の感覚が薄れて柔らかな水に包まれて浮かんでいるような。
………ゆっくりとチャネルを現実に戻していく。
体を起こしてペットボトルの水を何度か喉に通す。ジルが視界に入るように顔を左右に動かすが見当たらない。
"青いカエルね… まぁ来たら来たでいいか。考えるタイプの物事ではないだろ。"