表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/69

ダーイラの襲撃

 時間が経つと次第に悲鳴の数が増える。

 女子供は自衛団と一緒に自警団や腕のある男達と一緒に避難を始めた。

 姿の変わったダーイラはかなり強いが、一体程度なら【黄】から【青】程度なら倒せる。

 村のあちこちにダーイラの死体があり、しばらく経てば沈静化はするだろう。

 被害はどの程度のものになるか計り知れないが。


 ダーイラが村を襲ってくるのは、実は初めてじゃない。

 翼が生えてからは初めてだが、やんちゃなダーイラが村を襲ったりするのは稀にあった。

 けれど、ここまで大規模な襲撃は初めてだ。

 これも『変異』と呼ばれる影響なんだろうか。

 子供の頃から付き添っていたダーイラが、だんだん自分の知らないものになっていくのは心が痛い。


 早く宿に戻るため、狭い通路を通り、小さな階段を飛び降り、家の屋根を上り走る。



 下では「大丈夫か!!」と男の怒鳴り声が、緊迫した状況を察する。

 急がなければ。




 屋根と屋根を伝っていくにつれて人の気配が減っていく。

 よかった、まだダーイラは来てないのか、それともここらへんに住んでる人達は全員逃げたのだろうか。

 一番最悪なのはダーイラが襲ってきたいることに気付かずに家の中にいることだが……あのヒビキと一緒に旅をしているのなら俺の手なんていらないのかもしれないが……嫌な予感というか、ここに行かなくてはいけないみたいな。

 いや、ぶっちゃけそんなことはない。今更「ヒビキと一緒にいるんなら大丈夫じゃね?」と思っただけである。


 ただまぁ、母さんが死んで、不本意とはいえ、あの宿のオーナーの俺はそこにいる客を守らなければいけない。



 もう少しで宿に着く。

 獣の匂いが強くなり、血の匂いも強くなる。

 ……血の匂い?


 屋根の上から降り、家と家の間を通って右に曲がって。

 そこにいたのは、大量の魔物の死体とヒビキだった。

 ヒビキは、ダーイラの返り血を頭いっぱいに被ってて、気持ち悪そうに頭を振っている。


 ダーイラは、先程とは比べ物にもならないほどの数がいた。

 今言ってる先程は、森で戦闘したときのことを指している。

 次々に森の方面から一斉に突進攻撃としてくるダーイラの群れは、十五年間生きてきた俺が見たことのない光景で、さらにそれを全て、二本の剣で斬り、幾多の魔法でダーイラを惑わし、その大量の命を散す。 


 その光景に俺は、目と口を大きく開け「意味の分からないと」小さく呟いた。



「ヒビキさん!」


 店の中から大声が。見ると、あの時ヒビキと一緒にいた人だ。

 良かった、と思うのも束の間。

 大量のダーイラの中から数体、その女に向かって走り出した。


 ヒビキが一瞬その人を向くと、一回頷いて、すぐ目の前と敵に向き合った。


 まずい、あの人に武器を持ってる様子は見えない。

 戦える戦えない人だとしても、武器を持っていなきゃ意味がない。

 そう思ってすぐ、俺は宿に向かって駆けだして、駆けだそうとした瞬間だった。



 女が眩い光を発したと思い、思わず足を止め目を閉じた。

 すぐに光は収まって女の方をまた見ると。



「この力を使うのも久しぶりだ」

「流石にこの量は、舐めてると死ぬからな」



 白い髪は金髪に変わり、手には、そこにはなかったはずの弓が携えていた。

 どこか私服っぽい服装は、冒険者というよりは、白い狩人服の見た目だ。おかしいところは、金色のキラッキラの装飾が沢山散りばめられていて、華やかな感じだ。

 帝国兵みたいな煌びやかさだ。



「本気で行くよ、ヒビキさんに負担をかけさせちゃったんだし」

「あったりめぇだ、進化した俺達の力、存分に試させてもらうぞ!」


 私達が力使う時って、だいたい試す時だね。

「余計な事考えてる暇があんならさっさと行くぞ!」

キムタクが如くジャッジアイズクリアしました。

続編もあるらしいので、いつか買いたいと思います。

明日からアルセウスやるぞー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ