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始まりそうで始まらない

龍種は見た目と実年齢が合わない

龍族なんていう美しく、希少種に生まれた自分のことを恨んだことは幼少期に一度だけあった。何故、周りのようにもっと数のいる種族に生まれなかったのか、彼らのように数の多い種族に生まれていれば、素性がバレた時、仲良くしていた友人たちに追われることも、知らない奴らに追われることもなかったことだろう。


そのことを両親に言えば、申し訳なさそうに微笑まれ謝られた。その時この話題は言って言けないことだと直感で感じて以降、種族関係の話題は出来る限り言わないようにと心掛けてきた。…だというのに今、目の前にいる同種族の、しかも社会でも位の高い地位に就く男が両親に向かって、自分も同じ龍族であると、別種族もいる中でそう言ったのだ。これはもう、この男の言うことを聞かねば、今まで通りここを去らなければならないではないか。


あまりにも考えのない、いや一種の脅しとも取れる発言に俺は勢いよく、その男の首を切ろうとした。しかし男はそれを寸でのところで避け、狙った部位ではない腕に一線の深い傷が出来る。


「流石、同種喰いの罪龍だな。先程の一撃で鱗を剥がすだけにとどまらずにここまで深い傷を俺に与えるとは…」

「舐めるな黄金龍、その首今すぐ切り捨ててやる」


犬歯をむき出しにし、男の両隣に居た狼人と人間に見えるように分厚い短刀よりも長いダガーに近い性能を持ったナイフを回す。そのナイフの刃には赤い鮮血とキラリと黄金に輝く砕けた鱗が付着していた。


次は確実に殺す、手を出したら先にお前らを殺す。という意味を込めた行為をキチンと汲み取ったらしく二人揃って唾液を飲み込む様を見届ける。


「まぁ、落ち着け罪龍の若人。俺達の用事は君の母君にあるのだ」


黄金龍の男が俺は窘めるように両手を此方に向けてどうどうとしながら言った言葉にギリッと音が立つほどにナイフの柄を握りしめてしまう。俺がナイフを握り占めると同時に親父も先程の言葉を切っ掛けに立ち上がり、腰に下げていた俺のよりも長い得物を鞘から抜き、彼らに刃の先を向ける。


「貴様ら…それが目的か」

「お察しが早くて助かります」

「俺の妻が白銀龍というのをどこで知ったか知らんが、それが理由とあらば生きて返す道理はない」


いつも温和だが厳しい良き親父殿の低く、地を這うようなおどろおどろしい声に背筋にゾクリとした恐怖が這う。初めて聞く声と瞳孔の開き様に一瞬だけ、自分も殺され喰われてしまうような感覚に陥る。


黄金龍の付き添いの二人の一人は直剣を抜き、もう一人は詠唱を開始する。しかしその行動も机を勢いよく叩く音で中断される。そちらを見やれば母さんが正面を睨み付けていた。


長い、座っていると地面につくほどの美しく目を奪う、輝いてるようにも見える白銀の髪とお揃いの瞳に白くきめ細やかな肌に薄く愛らしいピンク色の唇。そして机を叩いた手はスラリと細く、彼女の全てが目を奪うものだ。黙って無表情を保っていたら一級品の人形だと言われてもおかしくない程の美しさを持つ母さんの眉間に皺が寄り、目が座っていた。その様もまた目を奪うほど美しく、黄金龍がほうと息を漏らせば、とうとう我慢の尾が切れたかのように母さんが立ち上がり声を荒げる。


「貴方がた全員、、当事者とも言える私を差し置いて勝手に盛り上がらないでくださる?不愉快ですわ」

「勝手にキレて刃を向けてるのは其方の男二人と俺の護衛にと付けられた短絡的思考のこいつ等ですよ白銀龍」


黄金龍を一睨みし、母さんは俺と親父に向かって「必要な物を纏めなさい。兄様の元へと行きますよ」と言って、居間から立ち去ってしまう。


その様はまるでこの男たちに興味が無いというかのようで、呆然としてしまう。


取り敢えず、母さんの言う通りに動こうと立ち上がろうとすると、黄金龍が俺の腕を掴んできた。慌てて振りほどこうにも力が増すばかりで意味が分からなくなる。


「こちらの要件を聞かずにお出かけとは、貴方の母君は酷いお方だな」

「…」

「おや?だんまりですか?先程の威勢は一体どこに行ったのやら」


人を小馬鹿にするように笑う男を見て、ため息を吐く。彼は一体白銀龍のどこまでを知っているのか…いや、それ以前にこの男にとって白銀龍などただの飾りなのかも知れないなと気付き、頭を掻く


「俺達は元より外出の予定だったんだ。それを無理に引き留めたのはアンタ達だろう。一応礼儀というのを此方も弁えて話を聞いていたが、アンタの考えが見え透いて分かったからな。母さんは無駄たと判断して迎えが来る前に荷物を纏めようと動いただけだ」


そういった瞬間、玄関側の襖が勢いよく開き、青年が入ってくる。


灰色の髪の一部を金具で纏めており、その装いは冒険者といったそういった荒事をする者たちのように洒落っ気のないもので、腰には長剣をぶら下げていた。


彼は母さんの兄の息子、つまり俺にとって甥にあたる人だったりする



―――――――――――――


_人人人人人_

> 飽きた <

 ̄Y^Y^Y^Y^Y^ ̄


キャラ紹介

黄金龍の男―どっかの国のお偉いさん、なんかひたすら偉そう(白銀龍と罪龍を見下してる)265歳で見た目年齢は25以降


付き添いの狼人&人間―苦労人とお調子者


主人公―罪龍と白銀龍のハーフ。一応白銀龍よりの構造してるけど外見や戦闘能力は罪龍より。両親のこと大切に思ってる良い子(血の気が多い)117歳で見た目年齢は17以降


主人公の父親―罪龍。愛妻家で子頭脳気味(奥さんと結婚するために本能を抑え込んでる)1025歳で見た目年齢は30以降


主人公の母親―白銀龍。夫と息子以外にはプライド高く、一夫多妻型の黄金龍大嫌い(見た目美人な女性に見える男性)2567歳で見た目年齢は20以降


主人公の甥―「特別仕様」主人公(ジーファ)従兄宅に知らない人が居て状況理解できてない

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