特別仕様
シリーズ初の話、世界観やらの説明でストーリーらしいストーリーはない。それと登場人物が最後に書いてある
所謂異世界というものが存在する
自分が育った環境とは全く異なる外国に似ているが根本的な、所謂技術面や西暦の呼び、力の概念や知識といった様々なものが異なる
そして、決定的に違うというか分かりやすいものは「国」の名前が双方異なり、そこにはその国が存在しないのだ
俺が暮らす「ミガルデ帝国」は力が第一と考えており、種族は関係なく、とにかく筋力・知力・戦略・魔法の扱い等のどれかが優れていれば優れているほど、その個体は帝国の中で重要視される
他には人間と呼ばれる器用貧乏な種族(ただし、稀に優れたものが居たりする)を重要視し、他の種族は差別される「ドルバーニャ王国」その他etc.
しかし、どの国でも扱いがてんで同じ種族が存在する。それが「異世界人」だ
その名の通り、異世界から渡ってきた人間族と同じ背格好というか人間族まんまな者達だ。彼らはこちらの世界にわたってくる際に所謂「神様」とやらに何かしらの恩恵を受け、それが国のお偉いさんや貴族相手には酷く魅惑的なものらしい
後もう一種族、異世界人とは異なっているが特別な種族が存在する
それが「龍族」竜族と呼ばれる力も見目も全てが優れた種族の先祖に値する種族で、今では絶滅危惧種である種族だ
いや、元より数が少なく、繁殖力も低い(孕ませたとしても母体が持たないのも一因だ)龍族は竜族すら遠く及ばない程に魔力・力・知力全てに優れ過ぎていた。それに危機を感じた他種族により、絶滅寸前まで追いやられた
そして残った龍族はその美しさから捕えられ、高級な奴隷(用途は様々)として裏市場で売買されている
その中でも逃げ延びた龍族はひっそりと暮らすしかできなくなった
さて、何故俺がそんな話をしているかと言うと、第一に俺の目の前には現在、二人の異世界人がいる
一人は金髪青目でまぁ、所謂可愛らしい顔立ちと背をしている少年
もう一人は黒髪茶目で少年より年上っぽく、凛とした空気を漂わせている
金髪の方は俺に対して「アンタ!なんか他の皆より違う気がする!!」と言ってきた。近くに居るのにそんな大声を出す理由はないだろうというレベルで、正直言って非常に五月蠅いやつだ。なんというか性格のせいで見目が台無しになっている
対して黒髪はその少年に対して溜息を吐き、言い寄るのを止めろと淡々と言っているあたり、彼の方が常識を弁えているらしい。ただその声は残念なことに少年の声でかき消されている
さて、あの少年の言う通り俺は他の者達とは異なる。というのも前文に記した龍族なのだ
と言っても、最近生まれたばかり(25年しか立ってないのでまだまだ赤ん坊と言われても仕方ない)で龍族としての育てられ方はせずに現代に合わせられた育てられ方をしたので知識は他の種族とあまり変わらない(と言っても物知りな妖精レベルだ)し魔力は隠し方を教わった
そんな周りに割かし溶け込んでいた俺を発見したあの金髪少年は、バタバタと音を立てるレベルで来て、先程の最高に俺の立場や危うい言葉を発してきた
しかし、俺には秘策があった
「そりゃ、ここに住んでる奴とは根本的に違うさ」
「そうだろ!」
「俺は各地を巡るトレジャーハンターさ。普通は味わうことのない体験をしてるんだからな」
取り敢えず、よく分かったなと言いながら、席を立つ準備をする
座っている椅子に凭れるように置いた剣を手に取ったところで少年がまた、高い声をあげる
「んー?いや、そうじゃなくて!もっとなんかこう!根本的に違うだろ!!」
「種族か?それなら俺は竜族だけど」
「オレ!竜族に知り合いいるけどそいつよりもっとなんか凄いの感じる!!」
やたら騒ぎ立てる少年が今年一番、恐怖心を抱いた
種族を当てられたらたまった物じゃない、逃亡生活の始まりだ
「うーん??わっかんねーなー??」
「俺もなんなのか分かんないなー?」
「うーん・・・なぁ!アキラはなんだと思う!」
少年に話しかけるのを諦めていた青年(アキラという名前らしい)に話を振る
彼も少し唸った後に何か思いついたらしくああ、と声をあげた
「色んな種族と交流してきて、竜族っぽくないんじゃないかな」
「うーん、そうかなー?」
「多分そう。だってお城に居た竜族の彼は凄くプライドが高かったじゃないか」
「凄い俺様口調だったな!俺アイツ苦手!!」
「けど彼は気さくで凄く話安いだろう?それで違和感を感じたんじゃないかな」
「えー、けど!」
「俺にはそれぐらいの違和感しか感じなかったけど」
「んじゃぁ、そうなのかもな!」
「というわけですお兄さん、お騒がせしました」
あー、いえいえと取り敢えずの社交辞令を済ませ、剣をベルトに刺して本気で店を出る準備を着々と始める
あそこでバレたら終わってたなと思いながら二人に目を向ける
「それじゃ、俺はこれからまた一仕事あるんで」
「あっ、はい。お騒がせしました」
「いえいえ、お話するの凄く楽しかったのでお気になさらずに」
「そういってもらえてとても助かりまs」
「そういやアンタ名前なんて言うんだ!オレはカミハラ コトミって言うんだ!コトミって呼んでくれよな!」
「俺はジーファ=クライ、普通のトレジャーハンターじゃ手に入れられない特殊専門のトレジャーハンターだ」
後日、青年の方と街中で偶然出くわし、なんだかんだで一緒に旅をすることになるのはまた別の話
――――――
キャラ紹介
ジーファ=クライ(25)189㎝
龍族的には赤ん坊同然の年齢のキリッとした目元のややイケメン
人型ではそれなりの顔立ちだが龍型ではスラっとした白銀の鱗を持ったイケメンよりの美人さん。獲物は剣と体術
特殊専門という名の龍族やその他絶滅に瀕している人魚等の一部(泪とか鱗とかそういったやつ)売買を主にしている。龍の鱗は自分のとればいいから割かしお金に困ってない
移動手段は異世界人が発明した「バイク」
佐原 晃(29)176㎝
青年の方、そろそろ30突入の顔立ち整った(童顔気味)バイのお兄さん。好みは包容力ある人
魔法や力共にコトミ君より劣るがそれなりにある。どちらかと言えば戦略家、上司すら掌で転がしてそうな黒幕よりの知恵が働く(本人は少し利用させてもらってる程度の認識)
ジーファのことは年上だと思っている
微妙に立場が悪くて正直さっさとお城出て暮らすか家に帰りたい
神原 寿実(16)165㎝
少年の方、ハーフで黙ってれば天使なのにって親族に言われてる、うるさい系無自覚面食い
異世界の人はだいだい美形なので無意識に堕としてハーレム(男女問わず)してホックホクしてる
魔法というか魔力が馬鹿でかく、ちゃんと制御しないとヤバいし力も破壊神と言われそうなレベルで取り敢えず今後のお題は力制限だなとお城の教育係の皆さんは思っている
ジーファのことは本能でなんか勘付いちゃったやつ。龍姿見られたらペットにしたいとか言い出す
周りの感情とか知らんぷりで「がんがん行こうぜ!」連打してる、落ち着け