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クロエの魔導書(旧作)  作者: 幽礼
第一章 魔導書と魔法使い見習い
2/21

魔法使いも楽なもんじゃない

ああ…眠い…


もう既に目覚まし時計は鳴っていた。しかし、1発では起きられなかったので、無意識のうちにスヌーズボタンを押していたらしい。


要するに、寝坊だ。


「いや、どうすんだよこれ」

既に5分の遅刻。新学期初日からは流石にまずい。


私は魔法使いを目指し、魔法学校『私立クロエ魔法学校』に入学した。昔、クロエという天才な魔法使いがいて、その人が作った学校だという。


ちなみにその人が遺した魔導書と言うものがあるらしいのだが、現代においてもまだ見つかってはいない。

私は、いつかそれを見つけてみたい。


とりあえず朝食をすませ、家を飛び出た。普通なら、「ほうきで飛んで行かないの?」とか1人か2人ぐらい思っているだろう。だが、そんなのはあくまでただの空想の話だ。まぁこの世界も充分空想の世界だが。


今日も、ここ「ミラル王国」は、朝から人で賑わっている。主に朝市とか、仕事に行く人々だ。


やばい、急がないと。


—————————————————


はぁ、やっとついた。

10分遅刻。まぁ、今までと比べれば上出来だろう。酷いときは1時間とか遅刻するし。



物音を立てず教室に入り込む。


「ナギサ、もう見えてるよ」


あ、バレた。


「また遅刻か?何度やれば気が済むんだ!」

「さ、さーせん…」

毎朝同じ事だ。まぁ原因は私にある。


今日は5時間授業らしい。早く帰りたい。


魔法学校だからといって、魔法しか勉強するわけではない。この国の歴史や、数学などにプラスで魔法という科目が入っているのだ(歴史って学ぶ必要ある?)


午前中の(退屈な)授業を終え、昼休みになった。私はいつも、図書室に引きこもってそれっぽい魔導書なんかを読んだりしている。そう、私にはろくな友達というものがいない。


唯一の友達であるユイは、クラス内で人気(主に男子)があり、色んな所に引っ張りだこ。私に構う時間など無い。


そうこうしているうちに昼休みが終わった。5時間目は「魔法」。学校での楽しみの一つだ。


「では今日は、『火炎魔法』の初級編をやります。」

学校で火炎なんて大丈夫なの…?


初級とはいえ、魔法を甘く見てはいけない。


特に今日のは今までのより難しい。『空間操作魔法』より、多分遥かに難しい。


「えーと、この魔法は危険なのであまり使わないで下さい。精々目玉焼きを焼くのに役立つでしょう。」

なんでそんな危険な魔法を教えたんだ、先生よ。


これが、私の魔法学校での1日である。


—————————————————


帰宅。今日は、というかほぼ毎日、親は仕事で遠出しているので家には誰もいない。


ただ、親が雇った「家政婦」というものが家にいる。小さい頃からの付き合いで、ほぼ母親同然だ。


「おかえりなさい。今日はどうだった?」

「いや、普通。」

「そう?」

この会話も何回交わしたことか。

「じゃあ、私は夕ご飯の買い物行ってくるね」

今からかよ。

「いってらっしゃーい。」


家政婦を見送った後、私は自分の部屋に引きこもった。いつも夜までここで本を読んだりしている。


さて、今日は何を読もうかな…


そんな事をかんがえていると、


プルルルルルルルル


と電話の音がした。多分、親だろう。

とりあえず電話に出ることにする。


「はい、もしもし」

「あ、ナギサ?コイシさんは?」

コイシさんとは、さっきの家政婦である。50歳のおばさんの割にあってない名前だ。

「今買い物行ったよ。どうしたの?」

「来週帰れるって言ったでしょ?ちょっと仕事が長引いちゃって、帰れなくなったのよ。」

「は?」

「一応コイシさんにも伝えておいて。じゃあね。」

ちょっと待て、そう言おうとしたけど既に電話は切れていた。


ふざけるなよ、また嘘か…


親が帰るって宣言して、帰ってきたことは1度もない。毎回仕事がどうとかで帰るのが伸びている。そこまで忙しい仕事ってなんだよ。


あーあ、期待して損した。


とりあえず部屋に戻ることにした。


すると、床に見覚えのない取手のようなものがふと見えた。


「こんなの、あったっけ?」

恐る恐る開いてみる。長い間開かれていない所為か、重い。


早く開けよ…!


そう念じていたら、開いた。

反動で後ろに転んだ。


「痛…なにこれ…」

中にはハシゴが下に続いていた。


このパターンはもしや…?


とりあえずハシゴで降りてみる。


真っ暗で何も見えない。


電気を付けてみる。すると———


「!?」

そこには、本棚が並んでいた。

こんな部屋、この家にあったんだ————


すると、ふと一際目立つ本を見つけた。気になったので手に取ってみる。


その本は埃が被っていて、題名が見えない。


—————————————————


1度、自分の部屋に戻ることにした。


壁に本を立てかける。


埃を吹き飛ばすため、『ウィンドLv.1』を発動する。


「はー、ソイヤ!」

おかしな掛け声だが、学校で習った掛け声だ。おかしすぎるでしょ。


上手く魔法は使えた。だが、埃が空中に舞い、大変な事になった。


ハウスダストアレルギーじゃなくて良かった、、、、


埃が無くなった本は、本来の輝きを取り戻していた。


しかし、私には読めない書体で書いてあった。


辞書を広げる。だが、本が厚すぎるので求める情報が何処にあるか分からない。


30分ぐらいかけて、漸く解読できた。




その本は、疑いたかったが『クロエの魔導書』だった。




「え?え…?」

これって、あのクロエさんの遺した本…?


気が付くと気絶していた。

晩御飯は食べていたらしい。白い目剥いてたけど。


明日、この本を知り合いの先生に見せることにした。



でも今日は寝れなかった

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