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『魔導書閑話:魔法の在るべき姿』
第三章プロローグです。
魔法とは、一体何なのだろうか。
深い眠りの中で、私は考える。
そういえば、あの魔導書にはこんなことが書いてあった。
『魔法は操り手によって姿を変える。善き者が使えば豊かに、悪き者が使えば文明をも滅ぼすだろう。』
本当に、その通りだ。
アルの目的こそ私はまだわからないが、よからぬ事に魔導書を使おうとしているのは分かる。
果たしてそれに、意味などあるのだろうか?
魔法は不思議なものだ。人を惑わし、狂わせる。
そして私も、あの魔導書に惑わされているのかもしれない─