戦闘
「ああ、もう、ヤバイヤバイ」
「とてつもないほどかなりやばい」
俺は絶望していた、かなり絶望していた、なぜなら目の前にとてつもなく強いSS級冒険者がいるからだ
俺はこいつを倒せるのかと疑問を持つほどかなり強い
その強さを例えるとアリが虎と戦う位の虎の強さぐらいだ、俺はどう足掻いたとしても勝てる気がしない
俺は血が滲み出てくるほど剣を握りしめている
さらに現在、そのレイン・ファイナーが何らかの魔法を唱えた事により、辺りはまるで深夜くらいの暗闇に包まれている
「まったく、いい予感が全くしないぜ」
ヒョウヒョウと風がうねりを上げ、空気を飲むたび、肺の奥の方がピリピリとする、地面の土達には活気があり、風の影響か、砂ぼこりがたっている
俺は作戦を立てるために1度冷静になりステータスを見ることにする
『ステータスオープン』
体力 7049
防御 4086
攻撃 2006
速さ 30899スキル発動時999999
魔力 4090
知能 0
スキル 【光速速攻】速さが上がる
魔法 【氷結】 相手を凍結させる
耐性 【冷耐性】
Lv164
「ほうほう」
全体的に見ればそこまで能力が上がっている訳ではないのかもしれないが、スキル発動前の『速さ』がかなり上がっている、これはなかなか嬉しいな
作戦を立てると言っても立てた所で勝てないかもしれないな、よし、不意打ちをするか
「おい、レイン・ファイナー」
「なんだよ、手加減なんかしないぞ」
「違う違う、後ろを見てみろよ」
「ん?後ろ?」
レイン・ファイナーは後ろを振り向く、すると同時に俺は魔法を力強く大声で唱える
「かかったな!『フリーズ』っ!!!」
「うおおおおおおおお」
レイン・ファイナーの足元がみるみると凍っていく
「な!やりやがったな!」
「足が全くうごかねぇ!」
「ど、どうだ!」
会心の一撃が炸裂し俺は安堵を浮かべる
よし、このまま剣で攻撃だ!っと思った瞬間また、絶望が襲ってくる
「は、馬鹿めこんな氷くらいどうってことないわ」
『黒炎』
氷がみるみるととける
「なっ!」
俺の魔法、『氷結』は『黒炎』でかき消されるだからといってただの攻撃も相手にはきかない、『スキル』もおそらくきかないであろう
「あ〜、もうどうしたら!!」
俺がイライラしながら頭をおさえて考えているとレイン・ファイナーが魔法を唱える
『黒炎爆爆爆嵐!!!』
そして辺りの暗闇がひとつに収縮しだし、黒い球体ができた、その球体の周りの空間は歪みきっている
やがてその球体は周りの物や空気をを吸い込み出した
「やばいって!け、剣が!」
俺の握力が球体から放たれる吸引力に負け、剣が吸い込まれて行った、そしてそのまま剣と同じ様に俺も吸い込まれると思ったその瞬間だった
「お、おとうさん!」
ビスケの声だ
するとドンの声が聞こえる
「どけっ!レイヤっっ!」
ビスケはまだ何とか耐えているが、吸引力に負けてしまったドンが周りの瓦礫と共に吸い込まれている
そして、俺に近づいてきた
「ドンさんっ!危ないぜ!!」
「うるせぇ!こちらとら命はってんだ!俺はもうダメだ、ビスケを頼んだ!」
こうドンは言い残し俺の横を横切る瞬間に俺の腰を持ち、俺を遠くの方へ飛ばした
そして俺は地面に尻もちをつく
「た、助かったぜ」
レイン•ファイナーは手を握りしめる動作をして唱える
『解放』
いままで吸い込まれたものが合体して綺麗な正方形に精製されて飛び出してきた
その正方形をよく見ると辺りのゴミや剣、そしてドンの眼球がついていた
それはドンが死んだことを意味していた
「ドンのおかげでなんとか助かった、、ありがとう」
「くそっ!」
「俺の目の前で人が死んだ、助けられたはずなのに逆に俺が助けられたっっ!」
俺はレイン・ファイナーを睨む
「こいつさえ倒せれば、、」
するとレインは
「はっ、惜しくも逃したか、忌々しい魔王軍め」
「次はないぞ?」
と、俺の事を嘲笑うような仕草で指をさしてきた
「ああ、俺もお前を許さない」
「レイン、覚悟しろ!ぶっ殺してやる!」