炎▶自分▶ドン
遅くなりすみません
俺は竜を睨む
ジリジリと空気がなびいていく
辺りはとても静かで自分の鼓動さえも聞こえる静けさだ
森に生えている木も風が吹いているにもかかわらず全くと言っていいほど揺れる気配がない
何故風が吹いているのにも関わらず静かなのかなどを考える余地もない
両者が見つめ合う
すると竜が先に動いた
俺はそれを察し剣を突き出す構えをとる
竜は口を上にあげる
するとそこから光が漏れ光線が辺りに舞う
「なん、だ??」
俺はその光の強さに驚嘆する
「やばすぎるっ!!」
光の強さから尋常ではない気を感じ汗が額をおおう
竜は火を噴いた
俺はそれを右にジャンプして交わそうとする
「まだ、避けれるな」
避けることができるというのはかなりでかい
なぜなら、攻撃を0のダメージで済ませる事ができるからだ
俺が空中で考えていると竜が接近してきた
まだ地面に足はつかない
恐らく地面に着くまで残り2,39秒
竜は翼をごうごうとうねらせて俺に向かって再び火を噴いた
「ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
付与した事により魔力が無くなった俺はスキルが使えない
そもそも体が浮いているため身動きが取れない
足が地面に着くまで0,0000005秒まで近づいた時に俺は..
俺は燃えたぎる炎に包まれた.....
熱い、身体が熱い
痛い、身体が痛い
眠い、意識が朦朧とする
意識が極限に消えかかっている
俺の身体は赤い炎に包まれている
死ぬ、という言葉が頭の中を過ぎる
「リンは..」
リンはどうなった?生きているのか?
そもそも俺がこんな状態じゃ意味もないが
「いい人生だったよ...」
そんなことを考えていると背後から
はあ、という溜め息が聞こえた
「誰だ、そこにいるのは、?..」
そこには俺がいた
俺が俺を見つめる、炎が光の代わりになっているかのごとく
白い場所で俺が話し出す
「レイヤ、いや俺さんよ、本当にここで死んでもいいの?」
「そりゃあ死ぬのはつらいが...」
「でも..もう助からないよ」
「らしくないな、お前は」
「助かる方法がある、って言ったらどうする?」
「助かりたい...」
「その方法を教えてくれ!!」
「リンにまた会う為にも....」
「ああ、そのリンって奴だが、あまり信用しない方がいいぜ」
「これは忠告だ」
「ど、どう意味だよ..」
「そのままの意味さ」
「さてと、話は戻るがお前は助かりたいのだな?」
「な....当たり前だろっ!」
「お前はここで死ぬはずだった、でもそれを無理やり生かすということはそれなりのリスクがあるんだ」
「リ...スク..?」
「ああ、そのリスクが何かは俺にも分からない」
「じゃあ行くぞ...」
『للعيش』
もう一人の俺が何かを呟いた途端、俺を包んでいた炎は消滅した
何故俺が話しかけてきたのかは分からないし、この状況ではその事を考える余裕もなかった
熱くない、痛くもない、完璧だ、
竜はもういない
怪我もしていない
そして俺は思考を走らせる
「リンが信用出来ない....」
この言葉が引っかかる、リンは信用できる奴だ、だがもう一人の俺が嘘をついているとは思えない、何故ならわざわざ俺に嘘をつくメリットが考えられないからだ
「リスク....」
あいつが言っていたリスクとはなんだろう
などと考えていると
身体の奥底が何者かに握り潰される感覚が起きる
「ブバッッッッッッ!!!」
俺は思わず口を手で塞いだ、吐血だ
手が紅色に染まる
身体が熱い
さっきからなんか身体の中に何にかが足りない気がする
体が悲鳴をあげ始める
腹部が青白くなってくる
「臓器か?」
俺は生きる代償として臓器を失ったのか
このリスクの重みは現状ではまだイマイチ分からない
時間帯は夜から真夜中へと変わった
腹部の色は平常に戻ってきた、そして吐血は1時間おきに起きる
だから服が真っ赤に染まっている
俺はそのまま前へと1歩1歩進んでいくが、リンと出会えない
「どこだ?リン!」
体調は吐血の瞬間走る激痛以外はなんともない
幸い怪物とも出会わない
これは不幸中の幸いだ
約2日ほど探したがリンはいない、俺は先にアルスファイナに着いたのかと思いアルスファイナにやってきた
リュックに入っている食料はもう無い
水の入ったボトルが1個残っているだけだ
そんな事を考えていると男が話しかけてきた
「おい、あんちゃん、ここらじゃ見ねぇ顔だな」
「まさか魔王軍か?、そんな訳ねーわな」
「ぶっわはっはっはっはっ!!」
「ええ、違います」
ごめんなさい、魔王軍なんです、と心の中で謝罪する
男は俺の身に肩に手を置く
「俺の名前はドンだ」
俺もそれに返事をする
「俺はレイヤです」
ドンはニヤニヤした顔で話し始める
「実はよ、ここらでよ...」
何かを勘づいた俺は話を止める
「ちょ!ちょっと待ってください」
「それは何禁ですか?」
「ああ、18禁だ」
「よしっ、続けて」
「最近、ここらで可愛い子を見つけたんだよ」
「その子にナンパしようと近づいたらよ、急に化けの皮が剥がれたみたいに 顔がドロドロに溶けて小汚いドワーフがでてきたんだ」
俺は全然18禁じゃ無いじゃねーかよと思ったが、発言はしない
そして俺は質問を浴びせる
「その子の容姿は?」
「ああ、忘れもしねぇよ、金髪金眼だ」
まさか、とは思ったが、リンがいなくなったのは最近、
そしてもう一人の俺が言っていた「信用できない」という言葉
もしかしたらリンかも知れない、いや、そもそもリンじゃなかったのかもしれない
すると、ドンは
「そしてよ、そいつは全裸だったんだよ!!」
「なっ、、、」
リンの全裸 リンの全裸 リンの全裸 リンの全裸
何回も頭の中で反響する
リンが全裸ぁ?
それだけはない、そんなビッチな女じゃないはずだ
もっと清楚でまろやかな少女のはずだ
そして頭の中にもう一人の俺が言っていた言葉が妙に引っかかる
やがて俺は冷静になり、質問を問いかける
「リ、いや、その少女の胸は何カッぶあはぁぁぁぁ!!!」
突然蹴りが横腹に突き刺さった
そして俺がその正体に視線をやるとそこには
茶色の髪の毛で何やら制服を着たおれと同い年くらいの少女がたっていた
「女の子がいる前で汚らわしい話をするなぁ!」
するとドンが若干引きつった顔で
「お、おお いたのかビスケよ」
「ずっっっっと いたよ!」
「ほんと男はクズだよ」
そして俺が口を開く
「あの~どちらさんで?」
「ああ、こいつは俺の娘だよ ビスケってんだ」
「いい名前だろ?俺がつけたんだぜ?」
どうやら親子らしい、するとドンは
「あ!そうだ!ビスケ おめー旅にでた言ってたよな?」
「こやつに、連れて行ってもらいなさい」
そんな話は聞いていないとばかりに俺は話す
「え、あの、それは...ちょっと」
「いいじゃろ!?」
「え、あ、」
「いいじゃろ!!!????」
「はい、いいです」
ドンさんの推しに負けてしまった自分を竹刀でぼこぼこに殴りたくなった
すると、ドンさんが
「そうだ!レイヤさんよ、今日は家に泊まっていきなさい」
「本当ですか!!ありがとうございます」
「ああ、ビスケの部屋が広いからそこに泊まりなさい」
「いいじゃろ?ビスケ?」
「えー俺の部屋かよー」
ビスケはどうやら俺っ子らしい
「ちっ、男なんか入れたくねぇよ」
と、拒絶する
俺も入りたくねぇよと思い口を開く
「あのー他に部屋は..」
「ない!断じてないわぁ!!!」
ドンが激怒する
そして俺は流されるまま家にあげてもらいビスケの部屋の前まで来た
「ああーなんでこんなことに...」
「はやくはいれよ」
ビスケの声が中から聞こえた
「はあ、しょうがねぇな」
迂闊だった、俺は地面に転がっていた白色のタオルに気が付かなかった
俺がドアノブに手をかけ、ひねり、部屋からでる光を浴びた途端
俺の足はタオルによって歩み出す1歩を拒絶されたのだ
そして俺は前へ転倒した
「っっっっっっっっっっ!!!」
俺は気がつくと唇に違和感を感じていた
そして目を開けるとビスケの唇と俺の唇が深い口付けをしていた
そう、キスだ
「んん、ん」
ビスケから声が聞こえ俺は慌てて距離をとる
「すいませんでしたぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「いや、べ、べべ、別に気にしてないし、きき、キスぐらい」
「ほんとにごめん、」
「ばばばば、ばかああー!」
やばい、この子の唇、超柔らかい、そんな事を考えていると
後ろから ドン という音が聞こえた
鼻息がフーフーと聞こえ、熱の篭った声が聞こえる
そう、ドンの声だ
「今、ビスケに何をした?旅人さんよ」
終わった..キスしていた所を親御さんに見られてしまった
いくらわざとじゃないと言っても話を聞いてくれないだろう
ここから始まるのはたったひとつ
.........修羅場だ
次の話は明後日投稿予定です