分析
二人の対話は闇の対話。あたしは知っている。慶介が何故『骨の瓦礫』を創造したかを。生きた人間のパーツを競にかけ『お金』にするのは表の理由。本当の理由はその裏にある。お金が目的のように見えて、実際はそうではない。周りの人達は慶介の本当の姿を知らないから、こそ『誤解』している節があるの。
骨の瓦礫永遠と続く物語なのだから。
ある研究者が夢を見た。それは慶介の本当の『父』が願った夢。死んだ人間を生き返らせて、元に戻す。病気に耐えられなかった。実母を再現する為に慶介は動いている。それは壊命のもっと前の話であって、自覚して行動しているかと言ったら、あたしからは何とも言えない。慶介とそして死亡届が出された雄介が知る答えなのだから。
慶介は自分が死んだ事になっていると誤解している。本当は違う。あの死亡届はある人達により、破棄されて書き換えられた。そう死んだのは『慶介』ではなく『雄介』と処理されている事を伏せている。
何故伏せているかと言うと『カモフラージュ』としか考えられない。これは他人から見た目線だから真実は闇の中。慶介も表に公表するつもりはないと思う。
思うと言うのはあくまで予測。
きちんと言葉にするのならば『公表出来ない』と言った方が正しいかもしれない。
それだけ『大きな力』が動いていると言う事。そしてそれらから逃げる事が出来ないからこそ、自分達が鳴り替わろうとしている。闇の中で生き、手を汚してでも守りたい内緒。
圭人、遊離に近づいたのは。慶介おじさんと言われている人物の力でもある。二人に近づく事で、両親をころした人物が誰かを探る為に『雄介』として近づいた。生きた亡霊として……ね。ずっと付きまとう亡霊は消す事なんか出来ない。守られている慶介に触れる事も出来ない。無力さしかそこには残らない。
闇を知るには闇を制する。そして堕ちて堕ちて、自らが闇になれば、その世界の構造を理解していくのだから。一番は経験を積む事と、頭のきれる人達をわざと敵に回す事によって、頭の弱いふりをして近づいて、浸食させていく。人間には感情がある。完璧ではないからこそ、綻びが出来る。そこに付け込めば、こちらのもの。1㎜でいい。それ以下でもいい。一瞬だけでも、穴が見えたらスルリと入り込んで内側から言葉で操作していく。
そうやって徐々に確実に自分の存在と情報を手に入れる為に。
一つ。自分の手を汚さない事。
一つ。複数の仮面を持つ事。
一つ。感情を自ら壊してサイコパスになる事。
一つ。人間を捨てる事。
これ以外にも色々あるだろうけど、あたしが慶介の立場なら、同じ事を考える。
あくまで『ユウヅキ』の主観だけどね。