表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

あたしは視線が怖い

作者: おにぎり昆布

あたしは、人の視線が怖い。

誰かと話しているとき、両親とか親しい友人とかならよいのだが、親しくない人や赤の他人の視線に触れる機会があると、心拍数が上がり、胸が痺れるように苦しくなり、どこに視線を向けていいのかわからなくなる。


お店で買い物をし、会計のときなど、支払いが終わるまで、店員さんを直視することなどできず、目を泳がし、俯きながら、あたしはとんでもなく気まずい思いにかられる。

お金を払い、品物を受け取り、おつりがあるのならそれを受け取るだけなのに、その数十秒のわずかな時間に、どうしようもなく人の視線を恐怖してしまうあたしがいるのだ。


目が怖い。

視線が怖い。

そこに宿る意志が怖い。

よく知らない誰かにあたしを見られているが怖い。

判断されているのが怖い。評価されているのが怖い。

あたしのことなんて、誰も気にもしていないのに。そんなことわかっているのに、反射的に、反応的に、怖いという感情が洪水のように胸の奥から溢れてしまうのだ。


お母さんはあたしの視線に対する恐怖を「そんなの慣れよ」と笑いながらいうけれど、一向に慣れる気配なんてない。生きていくには、人との関わりが不可欠なのに、どうしてこんなろくでもない恐怖をあたしは抱え、あたしの意志とは関係なく、生理現象のように、人の視線を感じた瞬間、体が反応してしまうのだろうか。


たぶん、自分の意志ではどうしようもないことが沢山あるのだと思う。

人が自然災害に抗えないように、自然発生する感情には意志では太刀打ちなどできないのだとも思う。

だから、あたしは、生涯、他人の視線への恐怖に耐え続けないといけないのだと思う。

それは、たぶん義務みたいなものなのだろう。


そうは思っても、あたしはそれを、すごく辛く感じるんです。

気に入ったら、ブックマークを。

あと、励みになるので、評価もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 主人公の気持ちはわからなくはないし、わたしも似たようなタイプの主人公が出て来る話を書いているけど、この短篇は主人公の『自己完結した独り言』で終わってしまっているような気がします。 ヒューマ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ