作戦会議Part2柚希Ver.
あっさりと決まったため、作戦会議の時間は思った以上に取ることができた。
「んじゃ、メンバーも決まったから作戦会議を始めようか。個人競技は各自練習してもらうとして、まず騎馬戦から決めていこう。」
「騎手決めよー、騎手。私騎手やりたいし!」
ここでも真っ先に口を開いたのは叶恵だ。
まあ、助かっているのでいきなりのわがままはわざわざ注意しないとしよう。
「そうだな。まあ、これに関しては男女別の競技だから分かれて話し合うか。んじゃ、30分後にもう1回この状態で着席な。」
「「了解!」」
そして、30分後…
「よし、一応女子のメンバー表も見せてくれ。」
「あいあーい。」
なんか、妙にご機嫌な感じで叶恵が渡してきた。これ多分、こいつの思い通りになってるよなあ。そう思いながら見たが予想通りだった。
大将はもちろん叶恵の騎馬。作戦的には、小さい叶恵の騎馬をほかの大きい騎馬で囲み守る陣形だろうか。叶恵の割に落ち着いた策だなと妙に感心した。
「OK。悪くないと思う。ちなみに俺らのはこんな感じだ。」
俺も一応叶恵にメンバー表を見せておく。
男子は俺の大将騎馬を中心として、隼の騎馬や他の運動部のやつらの騎馬をフルに使って場を錯乱させる作戦だ。
これに関しては、俺がやってる将棋の振飛車を意識したものであり、相手がどう動くかによって俺が配置を指示していく形。
久々に俺のリーダーらしさが出せて個人的にかなり嬉しい。
みんなも賛成してくれたので、この作戦となった。
「なんか、難しそうだけどまあ柚希が言うんだし、いんじゃない?」
「テキトーだなあ。まあ、必ず勝つよ。」
それに対し、叶恵は目を丸くした。
「柚希の割に強気だねー。珍しい。そういう柚希の方がかっこいいね〜。」
ふと、言われた言葉に不覚にもちょっとドキッとしてしまった。
「まあ、サンキューな」
頑張って平静を装って返した。
叶恵はニヤニヤしていたが無視しないと俺が恥ずか死ぬ。
気持ちを切り替えて次の作戦会議に進む。
自分的に隼好きなのですが、なかなか目立たせられませんね。これから努力です。