鐘が鳴る
終わりまで長いです
気長にお願いします
夏が近づき暑くなった頃、朝早く、電話がなった。僕は寝ぼけたまま携帯を見た。弟の番号だった。僕は無視してまた眠りこけた。眠気には勝てない。
メイは至る所に顔を出す。学校で、家で。邪険にもできないので適当に相手をしてやっている。
「私と付き合えばいいこと沢山あると思うのよ。貴方に好かれる自信もあるわ。」
「そりゃいいね。」
「全く!真剣に考えてちょうだい!」
僕はメイの頭を撫でた。メイは頰を膨らませた。とても可愛らしい。僕らのやり取りを見て聞いているアレクとチャールズは困惑顔だった。メイが自分の教室に帰って行くたあと、二人からは激励の言葉をもらった。その次の一限が終わると、今日の授業はおしまいだ。メアリーからのメールを開き、待ち合わせ場所に移動する。学校を出て、電車と徒歩で移動する。目的地のカフェはひっそりとあった。扉を開いて中に入れば、メアリーの姿は直ぐに見えた。彼女は僕に微笑んでいる。
「大変ね、メイのこと。」
「うん、でもメイは移り気だから直ぐに収まるよ。」
「かもね。」
メアリーは肩をすくめた。
「メイのこと、嫌い?」
「嫌いではないけれどああいうタイプは苦手だわ。宗一郎はどうなの?」
「まあ、好きじゃないよ。でもメイがいなけりゃ僕はここでの暮らしに苦労してたと思う。だから冷たくできないんだよな。」
「…優しくするのにも限度があるわよ、ね?」
「限度って?」
「気を持たせてはいけないの。」
「そりゃね、でもメイは僕がその気がないことは分かってるよ。大丈夫さ。」
メアリーは何か言おうとしたけれども、その時中年のウェイターが紅茶とサンドイッチを持ってきた。僕は運ばれてきたサンドイッチを二つに分けてそのうち一つをメアリーに手渡した。彼女は満足したように微笑んだ。それを見て安心した僕はサンドイッチを頬張って食べた。
二人でカフェを後にして僕らは辺りを散歩した。とりとめないことを話しているうちに暗くなってきた。僕らは建物の陰で夢中になってキスをした。違いの唇が離れた時、メアリーは僕に抱きついてきた。僕は彼女をそっと抱きしめた。しばらくして建物の陰から出て、歩き出した僕とメアリーの間に言葉はなかった。
電車を乗り継いで、僕はメアリーを彼女の家の近くまで送った。鼻歌を歌いながらさっさと歩いて行く彼女の背中を見送った。
家に帰宅してから携帯をみると、着信が二件。どちらも弟からだった。着信履歴だけ確認すると僕は携帯を放り出した。次の着信で電話に出ようと思った。階下に降りて、祖父母と夕食をとり、色んな話をし、風呂に入って、寝間着に着替えた。寝る前に、図書館から借りた本を読み始めた。この本は過去にタイムスリップする話である。数十ページ読み終えると部屋の明かりを消して寝入った。




