悲しみよ、こんにちは。
休日が明けると、メアリーが学校を休んだ。インフルエンザだそうだ。当分彼女に会えないのだと思うと寂しい気がした。
「最近さ、学校終わると見ないけど何してるのさ。」
ぼーっとしていた僕に声をかけて来たのはアレクだ。チャールズはぴったり寄り添っている。最近この二人はずっと一緒だ。
「なんでそんなこと聞くの?」
僕はまず尋ねた。
「いや、別に。」
アレクは口ごもった。かわりにチャールズが答えた。
「最近君と遊んでないなって。ただそれだけさ」
「ふうん。…真っ直ぐ家に帰ってるよ。」
嘘だ。もう慣れたし、心も痛くない。
アレクは納得していないようだった。チャールズはそんなアレクの様子を伺っている。
「でも、見たよ!女子と歩いてるの。あれ、絶対メイじゃなかった……お前、恋人でもできたのか?」
「なんだそれ。僕が?見間違いだろ。そんな相手いないよ!イギリスの女の子ってグイグイくるから苦手なんだ。」
僕は笑い飛ばした。メアリーと僕は校内生徒に出くわさないような地域を選んで出掛けていた。アレクがその場所に居たというのだろうか?
「ほら、やっぱり勘違いだよ、アレク。僕は見てないし。あんな所行ったりなんてしないよ。」
チャールズがアレクをなだめた。
「おや?君達こそ二人でどこに行ったのさ?」
チャールズとアレクは僕を見た。僕は続けて言った。
「仲がよろしくて結構。それでさ、僕も学校終わったら君達を見ないけど、二人で何してるんだい?どうせ朝から夜までどこでもずっと一緒だろう。あっそうそう、昨日とかさ。」
「はあ?」
そう言ったアレクはみるみる顔が赤くなった。一方チャールズは見るからにニヤつき始めた。何か心当たりでもあるんだろう。チャールズは僕から目をそらした。これでチャールズはもう僕を見なくいだろう。
「アレク、顔が真っ赤だ。」
そう呟いたチャールズはアレクの頰に触れた。アレクは慌ててチャールズの手を払った。だがチャールズは諦めず、もう一度アレクの頰に触れた。今度は振り払わなかった。アレクは俯いてチャールズの熱い視線に耐えている。
「へえ!そういうこと。まあ分かってたけど!」
僕はそう言ってやった。アレクは何も言わない、いやおそらく言い返せないのだろう。彼は見るからに初心な少年で、現在進行形でチャールズに翻弄されている。僕は二人の甘い時間のために席を外してやった。精一杯からかってやったので、僕は満足していた。
そんなことよりもメアリーに知らせなくてはいけなかった。僕は今日のことをメールで送った。放課後にメアリーから返信が来た。
「あの場所気に入ってたのに!残念!」
僕は自然と顔がほころんだ。メアリーって本当に素敵な女の子だと思う。僕は彼女の事が大好きだ。




