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僕
僕はよく祖国を夢見た。
彼女と僕、祖父と祖母、母親が育った家で僕は今度こそ愛されるのだった。毎日が喜びに満ち、僕は僕の人生を生きていた。
そこに僕の弟が訪れる。
立派な青年へと成長した彼は、帽子をとり僕たちに挨拶をする。弟は、父親に似た目と、義母に似た顔立ちをしている。弟は和やかに微笑んで言うのだ。
この度は兄がお世話になりまして、、、云々
僕は快く彼を受け入れる。弟と僕たちは楽しくアフタヌーンティーの時間を過ごすのだ。
弟の部分は差し引いても、そういった類の夢が現実になることを、僕は強く望んだが、所詮夢が夢であることを受け入れなくてはならなかった。
父が僕を避ける様になったことから、義母は僕に対する扱いに困る様になった。複雑な表情で挨拶をする義母は僕に失望させた。義母に突き放された一方、物心がついた弟は、僕に懐くようになった。僕達は父親や、言うまでもなく義母の前では、理想的な、模範的な兄弟でなくてはならなかった。僕はそれを直感的に理解していたのだ。だから弟に優しくした。弟は無邪気そのもので、何も感じていなかった。




