新しい僕
弟には電話したくなかった。せめてメイから弟の様子を聞き出すまではしたくなかった。
メイのメールに対して、弟はすぐに反応したようだ。数時間後には返信が来たらしい。
「ふふ、景はあなたと全然似てないのね。」
景は両親と撮った写真を送って来た。その写真に写った景は笑っていた。義母は静かに微笑んでいた。父親は無表情だ。この写真から察するに離婚は無くなったのだろうと思った。
「でも、ハンサムだわ。」
「そうかい。チャールズの方がかっこいいよ。」
「そりゃそうよ!」
ウィリアムが首を伸ばして写真をみると言った。
「僕は景の方がいいよ。景の方が裏表なさそうだし。」
メイとウィリアムは弟についてあれこれ談義しだした。僕はそれを中断させて言った。
「景、なんて言ってたの。」
「自己紹介とあなたの家族を教えてくれたわ。あとあなたが何してるのかとかね。」
「ふうん。」
「景にメールしないの?」
ウィリアムが僕に尋ねた。
「最近忙しがったからしてなかったな。はは。」
「あなたのことは私が景に教えてあげるわよ。任せなさい。」
メイがメールを打ち出した。
「そんな!赤裸々に書くのはやめてくれよな!」
僕は釘を刺した。




