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冬の階段  作者: とどろき
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新しい弟

日本に帰る……

父親や義母に会わなくていいと弟は言ったが、そんなこと可能なわけがない。僕が帰るという情報は彼女か祖父母によって向こうに伝わるだろう。向こうの家に顔を出さなくてはならない。喧嘩の火種が帰ったら事態は悪化するだけじゃないのか。やはり、弟にだけ会える方法を考えるべきだと思った。そうなると、彼女と祖父母に口止めする必要がある。どうやって?

やっぱり弟に諦めてもらった方がいいんじゃないか。あいつの我儘なんだから。それにイギリスにくるなんて不可能だ。父親が許すはずがない。

そうだ。僕は馬鹿だ。なんで気づかなかったんだろう。弟が泣きだしたから、動揺して了承してしまったんだ。僕はまた弟に電話した。

「兄さん?」

「景?僕だ。日本に帰る件だけど、やっぱりダメだ。僕が帰ると絶対父さんと母さんに伝わるよ。そしたら余計にこじれるんじゃないのか。」

弟はだまった。電話越しでは弟がどんな顔をしているのかわからない。怒ってる?困ってる?また泣き出したら嫌だなあ。僕は弟が泣くのに弱いんだ。

「帰ってこれないの。」

感情の読み取れない口調だ。

「ああ。」

「くそったれ!」

弟が大声で怒鳴った。それから電話が切れた。僕はしばらく固まったままだった。僕の中の弟は、大人しくて真面目で優等生だった。さっきのように怒鳴ったりするタイプじゃない。

「本当に追い詰められてるのかもな……」

僕はぼんやりと呟いた。どうでもよかった。僕は携帯を放り出した。



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