巻き込まれ2
久々に書いたので短いです。また買い物リストの方はあと少ししたら載せます。
ふぅ! 今日も稼いだ稼いだ! あとは宿をとって寝よ。
『ハリスくん宿取ってきた?』
「はい、あの緑色の屋根の建物です。行きましょう」
『おk』
この俺のちっこいノーミソをフル回転して作った折りたたみ式の屋台骨を仕舞い、商品も【無限の胃袋】に放り込む。というか原価が自己生産+その辺の石ころだがらそこまで大事にしてません。
だってこれ俺が適当に石ころ拾って「あーとりあえず魔物との遭遇回避力」、「こっちは魔物に襲われた時に一回ぐらいは身代わりになるといいんじゃね?」という適当なお願いを込めた小石ちゃんなのだ!
でも適当なお願いでもパワーストーンっぽくなるからこれがバカ儲け。うん、旅費稼ぎには丁度ですな。
そんな詐欺紛いの魔術系商売(ガチ本物)をして早、3ヶ月。クロと離れて数ヶ月が過ぎたと思う。
拝見、クロの助けへ
只今新月くんはケモナー王国にいます。ギルドはちょっとギルドカードで捕まったら怖いので行ってません。
なんかねーあの後アリアスちゃんとハリスくんと一緒にこの国に不時着しました。そっからはなんとか村長に取り入って身分証明書を作って貰った。
で、それ持って供物で服とか食べ物とか貰って旅に出ました! アリアスちゃんは連帯責任ということで強制連行してます。だからお昼にはお仕事しててお店の看板猫に使えません。ぶー(・ε・` )
旅費はなんとか自己生産で頑張って作ったパワーストーン(本物)売りながら移動してます。移動手段は俺です、毎日次の村まで飛ばさせられてます。酷いよね、この扱い! もうムカ着火ファイヤーの激おこプンプンなドリームです。
なんとなく地面に木の棒置いて「クロのいる方角に倒れろ!」ってやってその方角目指してます。多分いける、俺運だけは強いもん。現にこの三カ月間全部同じ方向だし。
だから待っててね! 今の状況だとクロがモテちゃっておにーちゃん心配なのだ! 夜も眠れなくって朝寝坊してお昼寝うたた寝しちゃう!
敬具
帰ったらあのギルマスとっちめて全身に蜂蜜塗って海岸で引きずり倒す。で、逆さまにして放置、虫に集れてまへ。
そんな未来への犯行予告をしためながらハリスくんと鳩一匹でお粗末なベットでご就寝。スヤァ、
あ、そういえば始めての(キャァーこの言い方だとベット的な話に聞こえるぅ! でもモフモフはしまくった)村長のところを旅立つ時家に穴開けたのバレて怒られた。獣幼女に泣きついたらトリプルアイスクリーム追加になったよコンチクショウ!
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ロザリアント視点
ツァスタバが腰にタイヤを付けて走っているのを見ながらの紅茶は美味しいですわね。そう思いながら非常食として備蓄しておいたクッキーを摘む。甘いアーモンドの香りとバニラの風味が美味でしたわ。
目の前でヒィヒィ言いながら運動に励むツァスタバも乞食のような目でクッキーを見ていますがそれはこれ、今回は彼女が悪いのです。反省して頂かないと困りますわ。
助けの手を伸ばすことはせずに再度紅茶に口をつけるとツァスタバに向かって走ってくる影が、またバイソンモドキという魔獣でしょうか? ぜひツァスタバのシェイプアップのために一役買って貰いますわよ。
「ツァスタバ、また闘牛がやってきましたわ。対処をお願いしますわね」
「またですか?! もう牛の世話をするのは嫌です!!」
少し涙目の雌山羊がいますが私は媚びる者に興味は御座いませんの。とっととどうにかしなさいまし。
唸る物体に鞭を入れると泣きながら突撃していきました。さて、私は見学でもいたしましょう。
「MOOOOO---!」
「お前のせいで私はお尻を叩かれたのですよ!! 早く沈みなさぃぃぃぃ!!」
涙の叫びを上げたツァスタバが闘牛に向けてタックルしました。あら、ひっくり返ってしまいましたわね。そのまま角を素手でへし折りました。もう角のコレクションが20は溜まっておりますのに! もう要りませんわよ。
「ハヤく! 消えロォォォォ!!!」
あら素顔が、
ダニ虫のような声をあげるツァスタバ、相手の脳天に重大の雨が降り注ぎました。脳みそが粉砕されて気色悪いですわ。
「さて、魔獣退治も済みましたし今日はこの辺で勘弁して差し上げます」
「え、今日は?」
「当たり前でしょう。1日で終わる訳が無いでしょうが」
「k、拒否です!」
「拒否を却下致します」
「いーやぁぁあああああ!!!」
「はいはい、太った山羊こそよく鳴きますわね〜」
泣き喚くツァスタバの太腿をキコクでペシペシしていると地面が揺れ始めました。今度は地鳴りですか? 私もう飽きましてよ。
6時の方角からやってきたよく見えませんが何かの大群へ先手必勝とキコクを振るう。
するとあーら不思議、大軍は地べたを這いずっています。そんな蛆虫達へさらにオーバーキルのプレゼントです。
「【地盤沈下 】! さあどんな獲物が釣れたのでしょうか? 見て差し上げますわ」
虫が這いずっている辺りを凹ませて段差を10m程作って囲いを作ります。さて、仕上げにそのまま土でも被せてあげましょうか。今日の闘牛パーティーの締めは牛骨の叩きでも作ろうかと口角を上げる。
丁度あのクソ王国の鬱憤がまた湧き上がってきた頃ですから八つ当たりには丁度いいかと思います。
「うわぁ、ロザリアント貴方そんな顔していたらマスターに愛想を尽かされますよ」
「何ですか私はそこまで下衆ではありませんの」
「いえ、まさに下衆の極ーーー嘘です。冗談ですから八つ当たりはーーーーぎゃあ!」
さて、変な悲鳴が上がりましたが無視しましょう。後ろで煙を上げるジンギスカンは私知りませんわ。
ベッコリと空いた穴を除くと震え上がっていると甲冑の騎士とその他諸々。
……甲冑、騎士、
まさかあのクズ王国の……
今はどっかの御国にタイマンをなさっておられるそうですがなぜこんなところまで来ることが出来るのでしょう。そんな余裕があったなんて……あの時盛大にお城を破壊工作しただけじゃあ甘かったと?
一気に表情が抜け落ちてキコクを構えた。三秒以内に答えがない場合は抹殺しましょう。
「貴方方ハ何者デス? 三秒以内ニ答エナイ場合は潰シマスワヨ」
「「「「ーーーー!!!」」」」
「1」
「ま、待ってくれ。俺達はこの国の衛兵だ!」
「そうだそうだ! 論より証拠だ。見てみろぉぉ!! だから殺さないでください! まだ死にたくないいいいい!!」
「この国ぃー?」
その言葉に首を傾げた。盾を高々と上げて見ろとせがむ男の盾を見るとあのクソ王国の紋章ではない。と言っても覚えたくなかったので覚えてもいませんが。
「ツァスタバあれは?」
「あ、あれはカパズティットの紋章です……」
「あら! そうですか!」
元地元住民 に聞くと同じ答えが、あらそうでしたのね!
「それでお国の兵隊が何の御用ですの?」
「実はこの先で女王陛下が狩をしていまして……」
「ここから凄まじい音が聞こえたものですから……」
「様子を見てこいとケツを蹴られました」
「そして出来れば発生音源を説得して」
「衛兵隊に勧誘(強制)してこいと言われました」
穴の中でいじけている蚯蚓さん方。さてどう調理してやりましょうかーーー
いえ、お待ちになって。ここでこの国の女王陛下とやらと親しくなればご主人様の汚名(濡れ衣)挽回になるのでは? あの愚国の節目さん達は挑んで負けたいみたいですしね。いずれこの大陸にも進軍するでしょう。借りはある方がいいですわ。
「分かりましたわ。ツァスタバご用意なさいませ」
「「「「えっ、」」」」
「ええぇ?! 何故私まで!」
「早くしないと後々ご主人様達と合流した時に一年分の食料を僅か数ヶ月で食い尽くしたおデブさんだと言いふらしますわよ」
「分かりました行きましょう!」
言いふらすと言った途端ツァスタバが元気に蚯蚓を外に出し始めました。
あらか様に態度を変えましたねこの方、まあ扱い易くてべん……助かるのですがね。
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ペンを走らせつつ左手で建築構造の本を開き模写する。余分な装飾は外しつつ、新月が気に入らなかった用の物を用意しておこう。
立地はーーーまあ私のことだがら様々な世界に行くことになるだろう。何より新月が一つのところに落ち着く性格ではない。よって今後も何処かへ旅だの面倒ごとに巻き込まれるだろうから次元の間に設置するか。その方が何かあった時に動き易いし雨風など関係が無い。土地は作るか。今まで豊穣の神が多過ぎて使い所が無かった能力の使い所だ。建物は雨風なんて考えなくてもいいか。
パターンAとしよう、これは正方形の四面体。さらに室内を仕切り極力無駄が無いものにする。
パターンB、和式の寝殿造り。平安時代に土地を広く使った形。
パターンC、西洋様式。おそらくこれが新月にとって採用されそうだが……改造される恐れがあるな。豪邸にしろだの城型がいいだの。宮殿を造れなんて言われたら無理だぞ。
パターンD、中国様式。駄目だ紫禁城のような黄金色の瓦がずらりと並ぶ様子しか思い浮かばない。頭の中で調べてもそれぐらいしかない。
一応頭の中で調べて書き起こしてみたが後は新月の一存で決まるな。描いた図面全てを仕舞っていると城のメイドから魔王が呼んでいると言われて立ち上がる。
二つ返事で答えると椅子から立ち上がって動き回っても大丈夫そうな衣類を見繕う。すでに元の男体に戻ってるため腐る程貢がれた衣類は必要ない、あとで新月にやろうと考えている。
シャツにズボンという楽な服からこれまた【神への捧げ物】を称した魔王から献上された黒いが銀の縫取りがされていてどっちの色が主役か分からないジェストコート、
年代物のワインで染めたという絹生地が大量に使われた布の波を活かしたマントを羽織って執務室に向かうと頭を抱えた茶髪がいた。
「ああ来たか」
「呼び出しがあったからな。要件は?」
「実はーーー」
話を聞くとなんでもあの召喚者一行は国を出て旅に出たそうだ。同じく召喚された友を見殺した元師、私への復讐心を抱いて。
なんだそれは、むしろ助けたのは私なんだかな。いっそ次にご対面した際に同じく日本に返してやろうかとも思ったがそしたらこの世界が回らない。まあそこは追々片付けよう。ただあの五十嵐拓也が世界各国を回って私を探しているというのが大変だ。
今はヴェレンボーンでレベルを上げているらしいが三か月後にここ、魔界に来るらしい。宣戦布告した国に来るというアデリーナはどう思っているのか知らない。だが魔界に来て海から出現した女神に御目通りし、この魔王が世界揺るがしている魔獣の凶暴化の原因だと断罪するらしい。
馬鹿か、
魔族にそんな力があるわけがなかろう。一体何処でそんな偽言吹き込まれたかと言えばあの老害か。
魔王から聞き出した話では獣人の女をモノにしエルフを拐かしたとか。ハーレムか大奥でも作る気か、今後の展開も知っているだけにアホらしくなるんだがな。
女神にあってどうする。加護を貰いつつ口説き落とすつもりか、 私 を、馬鹿にしているとしか思えない。魔獣の凶暴化についても目星が付いているからそちらの方はヘルメスにでもどうにかさせれば鎮静化していくぞ、三分で済むしな。
もうその件に関しては連絡をしておくか、そしてこちら。神聖カルットハサーズはどうってことないと言っている魔王だが召喚者一行には頭を抱えているらしい。今も戦争の余波を抑えるがため書類を書きながら項垂れている。
「どうしたらいい?」
「魔獣の凶暴化は時間がかかるが鎮静化する」
「本当か?!」
「嘘をついてどうする。問題は召喚者一行だ。話を聞く連中だと思うか?」
「いいや」
だろうな、面倒な三人を残してきたからな。
遠くを見つめていると金色に輝く鹿の角を持つ女が入ってきた。金色の髪に濃紺のドレスを着ているがそれに負けない程ハッキリとした顔立ちをしていた。こいつオークションで見たやつかと理解したところで魔王が元気に復活する。
「ロレーヌ! どうしたんだ、何か困ったことでもあったか?」
「おはようございますお兄様。ええ、困ったといえば困ったことが起こりました」
素早く動いて頭を撫でに行った魔王。なるほど前に言っていたロレーヌはこいつか、そして妹なのか。
兄妹が何やら話し込んでいるところを観察していると妹が私に気がついて頭を下げた。
「ご機嫌麗しゅう、クロノス様」
「クロスと呼べ。名前を呼ぶことこの世界で私が神として力を持ってしまうからな。この世界の神はアリアスだ、鳩が蟻に逆戻りされたら困る」
「あ、蟻ぃ〜! ……失礼しました。かしこまりました。ところでクロス様はーーー前に一度顔を見たことがある気がするのです」
「オークションか。そうだ、お前は魔族の子供ばかりを落札していたな」
「やはり! ええ、私の仕事はお兄様の手が届かないところを探し当てることです。あの時は魔族攫いが子供達を攫ってオークションに出したと聞いたものですから。しっかりと魔族攫いは刑罰を下して子供達全員は保護致しましたの。骨が折れましたわ」
ドヤ顔で胸を張る魔王の妹、それを猫可愛がりする魔王。新月が「魔王って黒髪ドS系俺様だよね!」と言っていたから見せてやりたい。現実はこれだと。
途中から加わった魔王の妹から話を聞くと港に召喚者を名乗る人間が三人漂流したらしい。
もやしのような男、
厳つい男、
ド派手な化粧をした緑髪の女、
あいつらか、
詐欺師だけど案外本物っぽい白いのでした。




