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遑神 ーいとまがみー  作者: 慶光院 周
え?今からこの展開ってマジですか?
63/80

大迷宮!!  乙

タイトルこれで行きます。

ついでにあらすじ、投稿時間もちょっと変える予定です。

時間は設定使って19:00ぐらいでやりますが時間にを持っているときにはそれ以外でも流します。

フリーダムですねごめんなさい。



  石像が引っ付いたまま動かない。

  頭を叩くがビクともしない。引っ付き虫は冬眠に入ってしまったようだ。


 「レモーネ? おいどうしたんだ」


 一目散に新月に駆け寄った五十嵐拓也は引っ付く石像に不満そうな顔を浮かべた。ここで拗れても面倒だ中で。


 「疲れたから運べだと。私が運ぶから第二階層に降りるぞ」

 「言われなくても行く。だから指図はするな! あとレモーネを運ぶなら丁重に扱えよ、何かあったらただじゃおかないからな!」

 「拓也~! 待ってクダサーイ!」

 「拓也くん一人で先に行ってはダメよ! 危ないわ!」

 「ああ、お待ち下さい!」

 「拓也!! あーもうすぐ一人で突っ走るんだから……」

 「あー……おう……」


 当たり障りのなさそうな言葉を選び言ったつもりだったが何故か怒鳴り口調で吐き捨てられた。

 それと同時に一人で第二階層へと大股で歩いて行く子ライオンが一名、それについて行く取り巻きの銀髪と黒髪、さらに呆れてついて行くのが二名と引っ張って持っていかれるのが一名、合計六名が扉の先に入って行く。

 若いとは元気なことだな。


 他人事のように呟くと横に控えたハリスからあれは若いじゃなくって馬鹿って言うと思います。と冷静な返答が返ってきた。

 言うようになったなハリス。




 その後第二階層に来たわけだが入ってすぐの第一階層が薄暗い洞窟のようなものだったのに対し、こちらは天井に一ヶ所、されど大きな穴が開いているため明かりの必要は無かった。


 「弱体化させます! 『ホーリーベール』!


 今ですわ!!」

 「ああ!! 奥義【疾風勁草】!!! 佳奈、援護を頼む!」

 「OK! 【スライスカッター】!!」

 「私は後方支援をするわ。二人とも避けて!」

 「「……っ!」」

 「『雨に呑まれよ!! 【レインアロー】』」


 第二階層を少し進んだあたりで焔の翼を持った蛾の魔獣と戦闘に入った。

 アデリーナが弱体化させたあと五十嵐拓也と佳奈・シトローヌは大技で粗方の魔獣を倒し吹雪沙羅の魔法で残党を刈る。

 上記四人は息を合わせて攻撃を組み合わせているようだがこちらはというと。


 「っぐ!」

 「薫! っ、当たれ! 『ストーンハンマー』!!」


 大分苦戦しているようだ。では私も手出しはしないが口は出させて貰おう。

 実はさっきから【レーザー】の端に映るこの先道幅が狭くなっている通路がある。その先から土属性と記載されたロボット戦隊擬きが図体のデカさをゴリ押しで通しているのが見えていた。

 だがこいつらが相当な馬鹿なのか何度も引っかかって詰まっている。側から見てアホらしく思ってたところだ。


 「早く片付けろ、あと数分で第二軍が来るからな。気を引きしめろ」

    

 「「「「「「???!!!!」」」」」」

 「まじですか?!」

 「ああ、だがそれで最後だ」

 『まじかーま、がんば―――こっち来るな!』


 新月は離れた場所でのんびりと観戦していたが流れ弾が飛んで来たことに気が付き御自慢の蹴りをお見舞いした。

 憐れな蛾だ。こいつに闘いを挑むだなんて。


 事切れてからも踏まれ続ける蛾を眺めいると背景に先程より倍の速さで蛾を仕留めていく七人が見える。

 追加オーダーは六人とこれには特訓がてら隅で闘っていたハリスには寝耳に水らしく額に汗をかいているのが分かる。


 「次は土属性だ」

 「はっ? だから??!!」


 助言だけはするかと思い属性だけ教えたが五十嵐拓也だけはだから何だと言って分かっていないようだった。


 「前にも教えたし私が来る前にも習った筈だ。土に強いのは風だろ?」

 「っぐ、そうか!! ならばっ、『シルフハリケーン』!!」


 重要なことが頭の中からすぐ消える能力でも持っているのか? 五行の法則は基本中の基本だろ。

 二度も教えるのは面倒だったがさらに詳しく教えるとやっと思い出したようだ。

 五十嵐拓也が一軍最後の魔獣を切り捨てると魔法を唱える。よって現れた竜巻が道の先から顔を出したばかりの第二軍隊を蹴散らした。


 『おーグットタイミングでしたにゃん! 繋ぎがアニメばりに良くって魔法が当たるってことはアレが運気が高いから故ですかねー』

 「だろうな」

 『なら後で寝ている間にステータスちょっと覗いてみようよ。クロってつーちゃんとロザりんの報告聞いてないんでしょ』

 「興味ない」

 『でも知っておいた方がよかよ?』

 「……後でな。ほら、終わったようだ」


 台風に巻き込まれていくロボットを眺めていると新月にがすり寄って来て片棒を担ぐように言われてしまった。

 仕方ない。あいつ一人で任せて面倒を被るぐらいなら私もやろう。

 

 運気が高い人間が何人かいたおかげか狭い通路の先を進むと少し開けた場所があり第一階層を突破した冒険者のキャンプ場となっていたため、空を舞った魔獣から小さなコアが落下してくるのを終いの合図として今日はもう休むことにした。

 確か受付で聞いた時には最終階層以外はこういった場所が用意されていてキャンプ場には魔獣避けの香が焚かれているらしい。

 王族のアデリーナは入ってすぐ不潔な場所に思ったのか苦笑いをしていたが周りを見ると話の通り安全で水を配る依頼をしている冒険者もいて環境も整っていた。

 召喚者一行は初めて本物の魔獣と格闘して疲れたのか国支給の食料を食べたらすぐ微睡に落ちていく。

 よっぽど疲れていたらしい。それは周りの冒険者も同じでここを通過していくのはどう見ても熟練の者しかいない。

 初めのうちは人の集まる音でしばらく五月蠅かったが皆すぐに各自で用意した毛皮や外套に包まって夢へと旅立っていく。

 天井から入ってくる光が月の光になる頃には全員が寝入ったようで誰一人として目を開いている者はいなかった。




 私と新月は周りの状況を確認してから体を起こし『ナーサリーライム』を念のため使い【鑑定】を使う。


 『あれ? クロー、ハリスくん起こさないの?』

 「今を何時だと思ってる。人間は寝る時間だろ?なんで起こすんだ。子供は寝て成長していくものなんだろ」

 『えー、いじめよくない。種族差別はんたーい!!』


 差別だー、と叫びゴキブリのような動きを始めた新月が見苦しい。


 「はぁ……新月、こっちに来い」


 手招きして呼び寄せるが効果が無い。


 「だから差別はんたー……い?」


 もうバタバタと動き回るのは辞めて欲しい。そう思って敷布の上に仰向けで暴れる子供の腕を掴む。

 新月は驚いて動きを止めた。五月蝿い文章も同時に止まる。そのまま白い顔に滑らせ両手で頰を掴み顔を近づけた。


 え? ク、ロ?


 口元が動きそう名を呼ばれたような気がした。一気に体温が暖かくなったが熱いのだろうか?そんなことはどうでもいいが。


 ピクリとも動かない新月の耳に口を近づける。


 「新月―――――――










 お前の方が五月蝿いし元気過ぎる。簀巻きの刑だ」


 『へぅ?!








 え―――――――!!!!! このお間抜け!!! 人の夢ぶち壊しやがってぇぇぇぇぇぇぇえええええ!!!』

 「ハウス」

 『ワン! ―――はっ! 反応しちゃったじゃないか!!!』

 「五月蝿いな。そこで大人しく揺れてろ蓑虫」

 『きゃー♡ ドSキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!』


 簀巻きにして吊るした蓑虫が何をしても騒ぐ騒ぐ、はっきり言ってお前が一番邪魔だ。

 何がサドだ。私はあんな思考回路持ってないと蓑虫を吊るす紐を極限まで捻り手放した。

 後ろで微かな物音はするが文章も作れない程回っているらしく大分マシにはなった。


 その間に作業を進めた結果、以下の通りだった。


***********************


【Name】五十嵐拓也


【種族】人間


【性別】男


【年齢】19


【Lv】47


***【称号】***************

【召喚者】【勇者】【自分の思いに従うもの】【水帝の加護】【火帝の加護】【土帝の加護】【風帝の加護】【天帝の加護】【光帝の加護】【雷帝の加護】

***********************


【体力】130(天帝の加護により+50、180)

【魔力】155(+20、175)

【攻撃力】80(火帝の加護により+50、+30、160)

【魔法攻撃力】87(+20、107)

【命中率】60(雷帝の加護により+50、110)

【防御力】70(土帝の加護により+50、+40、+10、170)

【知力】80(水帝の加護により+50、130、)

【素早さ】56(風帝の加護により+50、+10、116)

【精神力】60(土帝の加護により+50、120、)

【運】70(光帝の加護により+20、90)


***【装備】***************

武器 :聖鉄の剣(攻撃力+30、魔法攻撃+20)


頭  :なし


上半身、腕:聖銀の甲冑 上(防御力+40、魔力+20)


下半身、靴:聖銀の甲冑 下(防御力+10、素早さ+10)



***【スキル】***************

【物忌】【魅了】【光の加護】【回避力UP】

【肺活量UP】

ーーー以下取得可能なスキルーーーーーーー

【異常予防】

***【特殊スキル】*************

【成長促進】

ーーー以下取得可能なスキルーーーーーーー

【鑑定】【世界の図書館】

***********************

【職業】召喚者、勇者、旅人

***********************

***********************


【Name】アデリーナ・カルットハサーズ


【種族】人間


【性別】女


【年齢】20


【Lv】46


***【称号】***************

【王女】【光帝の加護】【新たな道を切り開く者】

***********************


【体力】124(+50、174)

【魔力】159(+20、+10、189)

【攻撃力】67(+30、97)

【魔法攻撃力】84

【命中率】50(+10、60)

【防御力】68(+50、+10、+30、158)

【知力】60(+5、65)

【素早さ】46(+5、+5、+5、+5、66)

【精神力】65(+10、75)

【運】50(光帝の加護により+20、70)


***【装備】***************

武器 :聖女の涙 (サークレッドティアーズ)(攻撃力+30、防御力+10)


頭  :月光の結い紐(魔力+20、素早さ+5)


腕  :天使のゴーントレット(防御力+10)


上半身:春風のドレスアーマー(防御力+30、攻撃力+10、体力+50)


下半身:日光のアンクレット(知力+5、素早さ+5)


靴  :舞姫のトゥーシューズ(精神力+10、素早さ+5)


***【スキル】***************

【才色兼備】【素早さ+5】【魔力+10】【回避力UP】

【カリスマ】【威厳】【見分けの瞳】

ーーー以下取得可能なスキルーーーーーーー

【開口の胃袋】

***【特殊スキル】*************

【光の道しるべ】【王家の瞳】

ーーー以下取得可能なスキルーーーーーーー

【鑑定】

***********************

【職業】王女、旅人

***********************

***********************


【Name】佳奈・シトローヌ


【種族】人間


【性別】女


【年齢】19


【Lv】45


***【称号】***************

【他人種の血を流す者】【チアガール】【召喚者】

【自分の思いに従う者】【風帝の加護】【光帝の加護】

***********************


【体力】120

【魔力】140

【攻撃力】98(火帝の加護により+50、+30、+5、+30、213)

【魔法攻撃力】50

【命中率】50

【防御力】59(+30、+10、99)

【知力】40、

【素早さ】70(風帝の加護により+50、+5、+11、136)

【精神力】60(+10、70、)

【運】50


***【装備】***************

武器 :火炎のチャクラム(攻撃力+30)


頭  :疾風リボン(素早さ+5、攻撃力+5)


腕  :ゴーレムの腕輪(防御力+30)


上半身:ウンディーネが育てた亜麻の衣(防御力+10、攻撃力+30)


下半身:コボルトの紡いだ糸で作ったスカート)(精神力+10)


靴  :風見鶏のサンダル(素早さ+11)


***【スキル】***************

【回避力UP】【応援ダンス】【条件下魅了】

ーーー以下取得可能なスキルーーーーーーー

【体力UP】

***【特殊スキル】*************

【暴風の舞】

***********************

【職業】召喚者、旅人

***********************


***********************


【Name】吹雪沙羅


【種族】人間


【性別】女


【年齢】21


【Lv】46


***【称号】***************

【召喚者】【生徒会長】【賢者】【水帝の加護】

【自分の思いに従う者】

***********************


【体力】125(+100、225)

【魔力】180(+20、+8、+20、228)

【攻撃力】70(+40、110)

【魔法攻撃力】120(+20、+5、145)

【命中率】47(+15、+10、72)

【防御力】64(+10、+10、84)

【知力】68(水帝の加護により+50、+13、131)

【素早さ】39(+34、73、)

【精神力】60、

【運】50


***【装備】***************

武器 :魔女の劔 ステリガ リベラタ(魔力+20、魔力攻撃+20、知力+13)


頭  :ピアス:泪の幸(命中率+15)


腕  :宵闇の手袋(魔力攻撃+5、防御力+10、


上半身:賢者クリリアダリヤの法衣(攻撃+40、体力+100、素早さ+34)


下半身:アンクレット:水の鱗(防御+10、魔力+8)


靴  :星のブーツ(魔力+20)


***【スキル】***************

【回避力UP】【条件下魅了】【賢者の宴】

ーーー以下現在使われてないスキルーーーー

【カリスマ】

***【特殊スキル】*************

【世界の図書館】

***********************

【職業】召喚者、旅人

***********************

***********************


【Name】一条美海


【種族】人間


【性別】女


【年齢】19


【Lv】45


***【称号】***************

【召喚者】【魔法使い】【苦労体質】【土帝の加護】

【自分の思いに従う者】

***********************


【体力】150

【魔力】170(+20、+10、200)

【攻撃力】70(+10、80)

【魔法攻撃力】80(+5、85)

【命中率】50(+12、62)

【防御力】80(土帝の加護により+50、+30、+40、+3、203)

【知力】63、

【素早さ】44(+5、49)

【精神力】55、

【運】51


***【装備】***************

武器 :ミスリルの杖(攻撃力+10)


頭  :銀のシロツメクサ(防御力+30)


腕  :白羽の輪(命中率+12)


上半身:盾の処女のローブ(防御力+40、魔力攻撃+5


下半身:鉄犬のアンクルウォーマー(防御力+3)


靴  :白鷺の羽根(魔力+20)


***【スキル】***************

【素早さ+5】【魔力+10】【回復力UP】【見習い聖者】

ーーー以下取得可能なスキルーーーーーーー

【駆け出し聖者】

***【特殊スキル】*************

【シェルター】

***********************

【職業】召喚者、旅人

***********************

***********************


【Name】田島薫


【種族】人間


【性別】男


【年齢】19


【Lv】45


***【称号】***************

【サブキャラ】【召喚者】【自分の思いに従う者】

【守護者】【天帝の加護】

***********************


【体力】130

【魔力】140

【攻撃力】98(+40、+10、148)

【魔法攻撃力】50

【命中率】60(天帝の加護により+50、+10、120)

【防御力】70(+10、+10、90)

【知力】50、

【素早さ】45(+50、95)

【精神力】68、

【運】50


***【装備】***************

武器 :岩割りの剣(攻撃力+40)


頭  :なし


腕  :籠手:駒鳥の集い(防御力+10)


上半身:ロビンフットの服(素早さ+50、命中率+10)


下半身:食人植物ボドバの皮を使ったズボン(防御+10)


靴  :鋼鉄の釘が生えた靴(攻撃力+10)


***【スキル】***************

【忠義者】【熱耐久】【攻撃力倍増】

***【特殊スキル】*************

【アタッカー】【自己犠牲爆破】

***********************

【職業】召喚者、旅人

***********************


 となっていたわけだが不審な点が二つあった。

 第一に召喚者一行全員についている【自分の思いに従うもの】というもだ。他の称号は本の中で見たことがあるがこれはない。続いて精神力や知力と言ったものについた点。これが示すものは何か、

 私自身は原因が大体分かっているがこうなっているとは思わなかった。ステータスに表示されるが見過ごされる毒、


 正確には呪い。


 これでは召喚者一行が全員気が付かなくても無理はない。

 普通【自分の思いに従う者】だなんてものはプラスに思われるに決まっている。知りもしない人間なら

 『自分は自分の思いを大切にして動ける人間なんだ』と思うだろう。しかしこれは自分の (・・・)真相心理 (・・・・)、言い方を変えれば本音 (・・)に従うということ。理性で押し殺していた本性に従うということだ。


 五十嵐拓也は褒められること、羨ましがられることに快感を覚えていること。


 佳奈・シトローヌと吹雪沙羅は理由は違えど好意を寄せる人を誰にも取られたくないという粘りつく独占欲……おそらく恋心というもの。


 田島薫は小さな頃から幼馴染として五十嵐拓也と一緒にいたということで比べられること、及び自分は五十嵐拓也のおまけといったことを考えいると仮定して劣等感、といったところだろう。

 一条美海がまだ暴走していないのは【見習い聖者】の称号があったためであると考えると腑に落ちる。

 一条美海は見習いでも聖者だったという訳だ。


 『え? なんで呪い? 分からん』

 「新月、お前いつの間に脱出した」

 『全ての縄は解くために存在する!』

 「解いてはいけないものまで解くなよ」


 いつのまにか簀巻きから脱出した新月が下から生えて来た。きのこか、

 これ以上分かり易い説明があるのかと思ったがしないと五月蝿い。


 面倒だが紙とペンを使って説明する。


 「―――でこうなっていて【ブリリアント】を飲ませたという訳だ」

 『へー、じゃあその呪いとやらはどないやねん』

 「以前ツァスタバが貰って来た野菜やお茶会で出された料理の食材だな。どうやら一部の野菜だけのようだがどうも強力で手強い。

 呪い自体はこの国の機密中の機密であるものの中にあった【枷の解放】という面倒な段階を踏んで育てた食材を 対象者に長期間食べさせることで完成するものだ。

 長期戦になるから非常に面倒だがかけた術者には枷から解放した例として無意識に傀儡と化すんだと。ちなみに私は【悪食】の能力で耐久性を付けておいたからもう効かない。

食べたのが数回だからな」

 『あ~お茶会ってやつの時にやったんだっけ? あれ度胸あるよね~。下手したらじゅげむの女騎士ちゃんと隊長ちゃんも食べちゃったかもしれないのに』

 「いや? あいつらも私と同じものを口にしていたから食べてるな。入ってたとしても一回だけだしどうにかなると思われて一緒に毒を盛られているだろうさ」

 『げ! まじかよ最悪じゃん』

 「だな、で、話を戻すが普通はもっと簡単に手駒として扱うなら傀儡化か裏から手を回すだろ? でも傀儡化なんてしたらステータスに表示される。裏から手を回すにしてもバレたらタダじゃ済まない。だからこの手を使ったんじゃないかと私は睨んでいた。そして見事当たったということだ」

 『はー』

 「新月お前理解出来てないだろ」

 『うん! 分かんないヽ(゜∀゜)ノ』

 「だろうな。無理に理解しなくていいからお前は言われた通りのことだけしておいてくれ」

 『言われたこと?』

 「おい、忘れるな!」

 『うわ! 揺さぶらないでぇぇ!』

 「あのな! 前にも言っただろうが!!」


 新月が目を点にして首を傾けたので思わず強い力で揺さぶってしまった。手を離すとここに来る前のことを振り返る。



****

一昨日のこと


 「ああそれは色々あるがまず【甘露】の材料は全て私自身が持ち歩く。ロザリアント、ブライダルローズの出来は?」

 「はい、ご主人様の力のおかげで成長速度が早くもう開花してますわ。いつでも持って行って下さいませ」

 「分かった後で摘んでいく。そして今後に関してだが……新月に私の運気を底上げする物を作って欲しい」

 『え? なんで?!』

 「お前運がいいだろ? 尚且つ使っていないスキルがいつくかあるがその中に装飾類を作るものがある。ならお前に私の運を補う物を作って欲しい」

 『え、だからなんで?』

 「これから先運気が物を言う所があるだろう。流石にそこは私でも補えない。だからお前の力を借りたい」

 『えー』

 「駄目か?」

 『だ、駄目じゃない!!!! 良いよ! おねーちゃん頑張るからねぇぇえええ!!!』

 「よし、これで一部はどうにか出来るか。

 では次なんだがツァスタバ、ロザリアント、お前達の指示はこの書類に書いてあるから目を通しておけ。お前達に限って最悪の事態は無いと思うが気を貼り締めろ」

 「「了解しました」」

 「クロス様、新月さんゴリラみたいに暴走してますけど良いんですか?」

 「ほっとけ、しばらくしたら電池切れで寝るから」

 『dkぢdm38:」@-」ms¥/!!』


 ――――――――

 ――――

 ―――


****



 『あー……はいはい、ではあの貰った宝石で一品作っておくよ。お任せあれ!』

 「お前の言葉の中で『お任せあれ』が一番信用出来ない」

 『ひど! でも今回は絶対やるから!』

 「半分忘れてたのにか?」

 『ぐっ! じ、じゃあ今すぐやるから許して!』

 「ほう、そうかじゃあどうぞ」


 『神通力を使います。神通力は魔力の消費により戦闘、日常生活などあらゆる面で使えます。ただし、使用した規模により魔力はそれに見合う量だけ消費されます。さらに想像力を使うとより具体的になります。今回、19回同時に使います。現在、使える回数はあと0回です』


 手を振り手元に用意出来限りの物を出す。


 『え゛?! 今すぐっすか先輩ぃぃぃ!

 あーもういい!!! やるって言ったからにはやる!! その代わりにクロ見守っててよ~~~~!!』

 「はいはい、見てるから頑張れ。神通力はもう使えないが【無限の胃袋】から酒と肴は用意してやる」

 『うわ―――ん!!!』




 「クロスとレモーネは酒盛りでもしてたのか」

 「……宴会をしてた訳じゃ無いがな。あー生きてるか?」


 次の日二日酔いに近い頭痛を抱えて横に転がる死体を揺さぶる。


 『うん、なんとか……でも一応完成させたよー、酒の力借りて作ったからデザインは目を瞑ってくれたまへ。後は託した―――zzz』


 ゆるりと時上がった死体―――新月はブローチを私に投げた。私は投げられた物を掴み取ると新月はまた眠りについた。


ーーーーーーーーーー

【火焔の証】

 黄燐の瞳を切り取りゴトルゴーの羽根を溶かして作った土台に乗せたブローチ。

 異界の混沌の神カオスが酒盛りしてベロンベロンに酔った状態で金槌を振るって一晩で作り上げたもの。

 とんでもねぇ作品だが丹精込めた作品なので全ステータスが上がる。


 備考:特に運気が50上がる。

ーーーーーーーーーー


 おお、完成していた。これは外套の内側に付けておこう。ではこれを装備して今日も散策を開始しよう。口約束が生きている内に新月から作れるものは全て作り出さなければならないしな。

 もういいじゃないかって?私は一個でいいなどとは一言も言ってないぞ。








 そんなことをして一ヶ月程、段々と下に下がる程酸素がなくなっていく。同時に一行用にと私が持たされた食料も限りを見せてきたが逆にレベルはどんどん上がっていく。

 それは当たり前か、階層の最短ルートを通らずレベルを上げるためにわざわざ経験値を取らせに走らせてるんだから。

 あいつらも周り道はやめろと最初は五月蝿かったがレベルも上がってないのに敵の親玉が倒せる訳ないだろと言ったら納得してたし。


 だが一行が疲れ始めた。

 時折天属性魔法で空気を生産してたし食材も食べられそうな魔獣を捕まえていたがあまり召喚者一行は食べなかった。


 本日は第四階層、今知られている中では最深部らしい第五階層の真上だ。

 何故か遥か上空にある筈の日の光が入ってくるのは第二、第三階層も同じだった。もしかして大迷宮が下に渦巻く形でもしていてその中央に日が差し込む大きめの穴があるんじゃないか?

 面白い造りをしてるよなこの大迷宮、光が差すところがあったり海の下までつづいてたりなんてするんだから。

 そして周りに冒険者の陰は無し、昨日ここに着いた時には相当な手練れの冒険者パーティに会ったが今日は殆ど見ていない。

 第一第二までは普通の冒険者が多かったが第三階層に行く頃には殆ど熟練者の冒険者が多かった。同時に下へと進んでいくごとに噛み砕かれた人骨や野ざらしの死体と言ったものも多く見えるようになった。

 召喚者一行はこの魔獣の行いに憤りを感じたらしい。


 だが私には自分から危険に飛び込んだんだから自業自得だとしか思えない。

 普通冒険者なんていつ死ぬか恨みを買うか分からないものをやってるんだ自己責任だろ。なら食われても文句は言えない筈だ。

 なのになぜ魔獣に怒りの矛先を向けるんだ? 腹が空いたのなら何かを食べるのは当たり前なのに。

 いや別に仕方ないで済まそうとは思っているわけではないぞ。食べられないよう努力することには私賛成はする。そうやって食べられない為、生きるが為に工夫したり戦ったり進化してきたのが生きてるものの証しだからな。


……なんか自分で言った言葉がブーメランになって返ってくるように感じた。


 『クロ~戻ってこーい。あの子達先に行っちゃったぞ。あそこって階層主の場所でしょ? 行かんとやばない?』

 「今行く!」


 言われて気がつけば一行がいない。


 不味い、目を離した。


 新月を掴んで抱きかかえると人一人がやっと通れるような狭い道を外套を擦りながら走る。走る。

 


 いた……あいつらもう始めてやがる。

 細道を通り抜けると第一第二第三同様の大広場に巨大な金属の光を帯びた鉄製の蜘蛛の巣とどでかい蜘蛛型のゴーレムがいた。しかも戦闘中、


 「―――!!」

 「―――!」

 「―――――!!!」


 初っ端から奥の手を使い回しているらしい。あ、蜘蛛の巣を吐いた。


 「あっ……」

 「っ!」

 「うわっ! 熱い、っと取れない!!」

 「動けないわ!」

 「What should I do?!」

 「『どうする?』って言われてもこれはヤバいぞ佳奈」

 「ッグ、ええ、これでは魔法も打てませんわ!」


 頭を抑えたくなった。全員が高熱で溶けた糸に絡め取られたようだ。しかもハリスまで、

 突っ走ったやつ全員を捕獲した糸は獲物を絡め取ると空気に触れて直ぐに固まった。これでは鎖を素手で破壊するような人間しか脱出出来ない。避けて闘うべきだったな。


 私も動かなければならないか。

 だが魔法は使えない。大迷宮の外は海だ下手にやると全員死ぬ。では鎌だな。


 鎌を作り出すと人肌を傷つけないように細心の注意を払って糸を始末する。


 「糸は片付けた。今度は注意してやれよ」

 「っ分かってるよ!!」


 後は頑張れと手を振ると五十嵐拓也は剣を構え直してゴーレムに飛びかかっていった。


 その様子を私は離れた位置で観察する。ハリスは自分のレベル上げに参加、新月は周りの子蜘蛛の雑魚をレベル上げがてら格闘してる。レベルが違いすぎて雑魚にすら遊ばれているが。

 ま、あいつのことだ最終的にはどうにか勝つだろ。


 二箇所共に目を配りつつ大怪我をしないよう少しだけ手助けする。

 その間にもゴーレムは糸やら火やらを吐きまくるので糸を回収する。丸くなった糸は鞠のようでインテリアのようなものに使えるだろうと【無限胃袋】に放り込んだ。



 「喰らえ! 『究極奥義、阿弥陀来迎断罪輝』――――!!!」


 奥の手中の奥の手を使いゴーレムが後ろに倒れた。

 これにかかった時間はなんと五時間と十四分五十二秒、長い。よく体力切れで死ななかったなと言いたいことだ。


 「ははは……どうだクロス! 俺は勝ったぜぇー……」


 勝利の雄叫びとはかけ離れた小鳥が鳴くような叫びだ。どう見てもぼろぼろだろ。

 回復魔法ぐらいはかけておくかと一行の傷を癒していると白い塊と灰色の塊が左右から外套を引っ張り合う。


 『クロぉぉぉ……、おねもなんときゃ終わったぁぁぁ……撫でてぇぇぇ』

 「や、やはりましたははぁぁぁ……すげえですはクロスさぁぁぁ……」


 言わずとも知れたハリスと新月だ。

 二人とも相当力を使い果たしたらしくハリスは生まれたての小鹿、新月に至っては使っていない筋肉を使っての肉体労働だったので四つん這いの幽霊……貞●に見えた。


 「ああ、よく頑張


  『特殊スキル【エンパス】が発動しました。危険です回避してください』


―――お前達全員頭を下げろ!!! 『アイアンガーディアン』!!!!」


 二人の頭を撫でようとしたその瞬間、私は正面通路から歩いてきた状態でいたためゴーレムが起き上がるのが見えた。

 しかも複数ある目玉は赤に点滅している。


 これは絶対の自信を持って言える。このゴーレムは爆発する気だ。



 群がっていた子供を押し退け前に出るとすぐに『アイアンガーディアン』を張った。ただしエンパスが反応してからこの判断をしたのは遅過ぎたようだ。




―――ッボッガガガアアァァァンン


 これこそ正しく破裂音だと言わんばかりに鼓膜を切り裂く音が広場中、いやそのさらに上にある活火山も刺激し兼ねない爆音と暴風が起こったのは分かった。間近だったために返る反動も強い。

 気が付いたら第四階層の崩壊が始まっていた。


 「お前達早く逃げろ!」

「「「「「「―――!!!」」」」」」


 言ったそばから散るように全員が走るが全員とも何故か最深部第五階層へと走って行く。


 「おい早くしろ! 扉が塞がれるぞ」

 「分かって―――る」


 五十嵐拓也に急かされ一行が走り込んだ扉の先にハリスを乱暴に投げ込み。

 さぁ、潜ろうとした瞬間、崩落して日の光が入る穴と繋がった天井の空から何か緑色の物体が落ちてきて顔面に張り付いた。何も見えない。

 引き剥がそうと踠いていると上から何かが落下した音と風圧を感じたと同時に落石は終わりを告げたらしくもう何も落ちてこない。


 物体を引き剥がすと―――まあこれは置いておいておこう。それよりも重要なのは目の前の大岩が亀裂を塞いでいたことだ。なのにここ第四階層にはまだ私と新月が残っている。


 「おい何やってるんだよ! 馬鹿じゃないのか?!」


 岩を挟んで五十嵐拓也の声が微かに聞こえる。耳を岩肌に触るほど近づけなければ殆ど聞き取れなかった。


 「落石に当たった魔獣が落ちてきたんだ。大岩が道を塞いだせいで悪いが先に進めなくなったから先に安全な場所に避難していろ」

 「はあ?お得意の魔法でぶち壊せばいいじゃないか!!」

 「今やるとまた落石が起きるぞ」

 「っ! 分かったよ、早く来いよ!!」


 落石という言葉に反応してか向こう側の声は静か私の指示通りに離れていった。


 『どうする? 一旦道を戻ってみる?』

 「ああそうする。が、それよりこれだな」

 『ん、それ何?



 鳥?』


 ぐでりと気絶している鳥を拾い上げると怪しいものを見るような目つきで新月が鳥を突く。 

 だが次の瞬間にははっ、と指をさしたのでこれがなんなのか気が付いたらしい。


 『あ、それ伝書鳩の魔法のアレ!』

 「ああ、『ノータス』だ。これはあの女帝のもののようだがさて中身は―――」

 『???』


 気絶している鳥の翼を広げて見るとそれなりに大きく綺麗な見た目をしていた。アホな顔で気絶してるのが難点だが。


 鳥をいじりさてどんな手紙かと踏まえていると―――


 『何かあった?』

 「いや、ただ


 『農業に革命が起こりました。ついでに工業、産業にも飛躍的な進歩を始めようとしています。

 他国でもそろそろ同じようになるでしょうが私はこれから起こるであろう貧富の格差を埋めるために奔走することとなるでしょう。こうなってしまいますと私の右腕的な存在があると便利なのですが……

 という訳で、そろそろ貴方がそちらに行って一年近く経ちますわよね? そろそろ召喚者も一人歩きぐらい出来るでしょうし戻ってきて欲しいです。

 マルクスがギルドが回らないって五月蝿くてしょうがないですし』


だと」

 『oh! ナントイウバットタイミング! もっと早く来てよ。もう手遅れだよ』

【黄燐の瞳】

正確には『黄燐マッチで火をつけたような色を持つ瞳のような模様をした宝石』

でも長いので【黄燐の瞳】として扱われる。

貴族やブルジョア家庭のステータス。アデリーナはそれをさらに数個使ったティアラを所持、次元が違えぇ……



ステータス説明の補足


☆何故ステータスの名前が日本名のままか?

→ステータスは本人が見やすいようになってます。ですので日本人の名前は苗字が先で他は名前が先です。


☆レベル45前後多くね?→45が普通の冒険者の基準だがら国王が全員そこまで行くまで育ててからの出発になった。だってそれぐらいに育てないと勇者(?)死ぬじゃん。


☆なんで主人公の周りは強いんじゃ?

バケモノ二人はいい、主人公は分かっとる。

ついでにアホも知っとる。けどなんでショタっ子だけ装備贔屓なんだ?

→主人公であらせられるクロノスが時なんて司る神であるせいです。

ほら時ってほぼ何にでも関わるじゃん?そんなダイダラボッチがお間抜けに力を込めたんです。あとは分かりますよね?


☆ステータスにバラツキ→そりゃ人間だもん。バラツキぐらいあるわ



☆ステリガ リベラタ→イタリア語で『解放された魔女』byぐー●る先生

だから間違ってるかも……

ちなみにこれは改造後仕様、前は張り付けの魔女『ステリガ デ バスドネ』


☆鋼鉄の釘の生えた靴→スパイクと考えておk。履いているものは怪我をすることはない。が、重い。


☆称号とスキル、特殊スキル

ちょっとごちゃ混ぜです。


【〜帝の加護】→加護とは付いているがステータスを上げているだけ。光以外は50がマックス、光は20がマックス。


【魅了】および【条件下魅了】→魅了は人に好感度をつけるもの。【条件下魅了】は名の通り条件付きで魅了出来るもの。


【光の加護】→ピンチの時にヒントが飛んでくるもの。今回のロボがそれ


【異常予防】→今後の展開を知っていれば後でかかるダメージを減らせる。


【新たな道を切り開く者】→歴史を動かす力を持った人に付く者。

何故か自然と本人より上のレベルで敵意のない人にしか見えない。

当の本人も足し遂げてからしか見ることが出来ない。


【見分けの瞳】→自分の敵に回ったらヤバイ人を本能に教えるスキル


【王家の瞳】→【威厳】を持つ王家の人しか付かない特殊スキル。血が大切で心意気が曇ると消える。


【他人種の血を流す者】→要するにハーフに付くもの


【応援ダンス】→ドラ●エのハッスル●ンス


【暴風の舞】→逃げ足の最終進化形態。敵から百パーセント逃げれる。


【賢者の宴】→魔力回復UPのスキル

このスキルの一個下は【魔女の宴】。

魔女は賢者である女性達を異教徒が言い換えたものだと言われているためこのようなことになっている。つまり魔女=女性賢者、


【見習い聖者】→聖者の見習い。毒や呪いと言った者に強いという者だが見習いなので弱い。【普遍聖者】になれば大抵の毒や呪いは効かなくなる。

この一個上は【駆け出し聖者】


【シェルター】→自分が保護したい対象の前立つことで対象物を守護する特殊スキル。

だがこのスキルを持ったものは攻撃対象物の前に立たされることが多いので注意。


【サブキャラ】→ちょこちょことした活躍しかしない代わりに平凡な人生を送れる人物が持つもの。しかし効果がたまに反転することがある。どうなるかはその人次第。


【自己犠牲爆破】→自分の命と引き換えにすることで一矢報いる特殊スキル。

しかし死は避けられない。


【アタッカー】→最前列で闘うことでステータスが上がる


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