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遑神 ーいとまがみー  作者: 慶光院 周
え?今からこの展開ってマジですか?
50/80

自分の世界だけがすごいとか思うな

  あのとんでも謁見の数日後、スケジュールの調整があったらしくそれ以外の時は何をしていても構わないらしいが私が召喚者と会うのは週3・4日間程となった。だが逆に言えば週の3、4日間は針のむしろで過ごさなければならない。そして今日はその初日だったのだが……


 「他のやつらはどうしたんだ」

 「っ、す、すみません」

 「ご、ごめんなさい。拓也と佳奈ちゃん、吹雪さんはあとで行くって言ってまだ来ていないんです」


 ここに指定の時間までに来ていたのは一条美海と田島薫の二人だけだった。二人は後のやつらはどこかと聞くと顔色を真っ青に変えてその場で謝り始めた。

 別にそこまでこいつらがすることでは無いのだが。

 来ないやつが悪いと決まっているのに真面目なやつに謝られても困る、しかも片方はやつれきっているし。



 さらに国王に指定された魔法の鍛錬場という名の監視所である庭園のど真ん中。周りに兵士が一定の距離で配置されておりその外堀を貴族やら騎士やらが取り囲んでおり動きづらいったらありゃしない。

 暇潰しにパイプに葉を詰めて火を付ける時ですら視線が厳しかったというのにこれ以上は狭苦しい。


 『態度わる〜い! クロ〜、もしよかったら俺が直々に()()()()してこようか?』


 隣で待機していたが長時間も立たされて待たされることに痺れを切らした新月がさらり、ととんでもないことを送ってた。


 『やめろ。お前の方が態度、性格共に悪いし悪質だろ。お前とツァスタバが勝手にしでかしたことだがあれだってたちが悪いぞ』

 『ははは〜ごめん』

 「申し訳ございません」

 『でもお仕置きではなく連れて来てくれるならなありがたい』

 『OK! つーちゃんも来てくれる?』

 「かしこまりましたお嬢様。ではマスター、私とお嬢様は残りの方々をお呼びしてきます」


 お仕置きは中止させ代わりに連れて来て欲しいと言うとツァスタバを連れて宮殿へと歩いて行った。

 白髪と銀髪が手を繋いで親子ようだと思っていると肩を加減した力で叩かれる。

 誰かに叩かれたのかと理解し無意識に叩かれた手が触れてきた右肩の方へ体を反らせる。振り向くと早く来ていた二人が目の前にいた。肩を叩いたのは一条美海だったが。


 「なんだ」

 「あ、あの、お二人とも城の方に行っちゃいましたけどいいんですか?」

 「ああ、あいつらに残りを連れてくるように頼んだからな」


 同じ方向に同じ角度だけ首を傾げた二つの双眼から問題が寄せられる。【以心伝心】を知らない二人は一体何があったのかと不思議に思ったらしい。

 これからのことを考えて説明をしておくべか、ゆっくりと宮殿に入っていく白髪を指差し二人の視線をそちらに向けさせる。


 「あいつがちょっと馬鹿 (・・)をしたせいで声が出なくなっているんだ。そこで声を使わなくても意思の疎通が取れる【以心伝心】を使って会話しただけだ」

 「「【以心伝心】?」」

 「ああ、ゴブリンあたりを倒せば取得出来る」

 「そうなんですか? 便利ですねそのスキル!」

 「へー……」


 簡単に取得出来たのは新月だからだけどなと付け足すと二人は便利だね、と囁き会話をし合っておりもう私を見てはいなかった。

 そういえばツァスタバはどこで【以心伝心】を取得したのだろうという思念が湧き上がる。私達が一緒に行動をしている時にツァスタバがゴブリンと闘ったところは見たことがないから一人行動をしてパン屋に行った時か?


 ぐるぐると思考が渦巻いているともしかしたら【以心伝心】という能力にばかり固執して考えていた、その根本が間違っているのかもしれないという答えに行き着く。

 そうだツァスタバには特殊な能力だかスキルだかで【シークレットバトラー】や【裏仕事】、【執事の嗜み】といった能力を持っていた。この中の【裏仕事】なら暗殺といったことも含まれているだろう。


 となればターゲットに気付かれないように仲間と会話をすることが必要だ。これを使い私達の【以心伝心】で自分の意思を届けているのを能力も無いのに受信して会話をしていると考えれば……うん、ツァスタバならやりかねん。

 あいつレベルは高いし【執事の嗜み】も使って執事の鉄則である主人の考えていることをいち早く理解し行動する―――なんてことを一緒に使ってそうだ。


 結論に行き着くと改めてツァスタバの能力の高さを知った。

 あいつ意外と強いな専用の武器でも持たせてやるか? あいつなら笑顔で銃器握っていても違和感がない。銃火器なんかが似合いそうだと考えていると見慣れた色が戻って来た。

 二人は残りの三人をしっかり手を握って戻ってきたがその笑顔から不満の意を全身から発していた。


 「三十分遅れだ。時間は有限なんだからしっかり守れ」

 「なんだよたかだか三十分だろ? 俺は魔法も大事だとは思っているが剣の鍛錬もこなさないといけないんだよ。早くこの世界を救わないといけないんだから」

 「そうネ、magicよりもカラダを強くしなきゃ!」

 「ええ、私達は異世界から来たからこの世界の人達と比べて筋肉量が少ないので少しでも多く努力しないといけないいけないんです。分かってもらえませんか?」


 時間を大幅に過ぎているというのに白と銀に連れられてやってきたはずの三人。こいつら堂々と遅れたことを詫びるどころか遅れた時間を鍛錬だと言い訳をして、魔法より剣の腕を磨きたいとのたまってくれた。一体どの面下げて言っているんだろうな? 汗の一つもかいていない癖に。

 しかし周りの貴族と騎士(やつら)は正論だ! そうだそうだと囃し立てる。おべっかつかいか、ならこちらも目の前の事実を使って言い返しをさせてもらおう。


 「ほう、早く世界を救いたいね。ならこの三十分ぐらいは一緒に世界を救う仲間を待たせてもいい時間だったと言いたいんだな? 私は別にそれでも構わないが仲間には何かと言うことがあるんじゃないか」

 「なんだよおっさん。五月蝿いぞ」

 「それが今から人にものを教わるに値する態度か? 勇者とは随分と片意地を張るんだな。態度が悪いぞそれともなんだ悪印象でも持たせたいがためか? どちらにしろ仲間を放置するのは見るに耐えない姿勢だな」

 「っち! 悪かったな」

 「……ゴメンナサイ」

 「た、確かに、ごめんなさい」


 やや突っかかるところがあったが言い返されて三人とも素直に謝罪が出てきた。一人だけ舌打ちしたやつもいたが。

 その舌打ちをした張本人の五十嵐拓也は顔を上げると何かを探すように首を動かすと何かを疑うような目つきで私を睨む。


 「そういえばあんた達と一緒にいた子供はどうなんだ? 見たところいないんだが」

 「ハリスか、あいつなら私と違って国王に何も言われてないからこの国のギルドに行ったぞ。なんでも一人で依頼をこなしてみたいそうだ」

 「依頼? あのひょろひょろが?! ……そっか、学校にも行けないような貧乏な家育ちなのか。きっとこの世界が技術が発展していないせいで苦労しているんだな……なんか改めて日本の教育制度と技術に感謝した」

 「そうね日本は偉大だったのね」

 「でもAmericaのtechnologyもマケテません!」

 「あんなに小さいのに……かわいそうだね」

 「……あぁ」

 「そうだ。ほら、お前達もとっとと始めるぞ」


 両手を叩きこの話を打ち切るが召喚者共は驚きのあまり両目を雀のようにパチパチと瞬きをし、円陣を組んで囁き合うのをやめない。

 世界ではそんなに珍しくというのに自分達より幼い子供が働いているという事実によほど驚いたのだろう。小声で日本は凄かったといって自国の優秀さを再確認している。



 だがこいつらは大きな間違いをしている。ここは日本では無いのだ、私もざっと見たところこの世界ではある程度の読み書きが出来るようになったら後の知恵を学ぶのは自分次第だと言うし。

 名の家柄、金銭といった壁がそびえ立っているのであまりその先を学べない子供が多いと感じることはある。しかしちゃんと学問を修めた大人の知能や物理法則や現象の知識に関しては一般の日本人とそう大差がない部分もある。

 ハリスのように私のような大人にくっついて旅をして学んだり周りの大人から読み書きを習うといった子供がいるのだから貧困者全員が学問に疎い訳では無いのだ。


 たとえ魔法の方が発展をしており発展がナメクジのように遅くても技術が止まっているわけでは無い。

 むしろ魔法という概念が無い分あっちの方が遅れているかもしれない。貧困の差での知識不足はそのうちなくなる。一定ラインまでの義務教育になるのもここまで来たら時間の問題だろう。


 だと言うのにそんなことにも気が付かないのか? 周りの人間は一体何を教えているんだ。

 ある程度城に住む人間なら教養という名で様々な分野を学ぶのではないか?闘いに関する知識や宗教のみ教えても何が役に立つかわからないというのに。

 思った以上に視野が浅いことに対してを口に出そうとすると新月から


 『カチコチ頭で今の自分達の特権を崩させないように古臭い考えに固執するやつしかいないんだって、そんなの無視しときなよ。我、関ともかず。―――うは! なんかカッコよくね?!』といった文が届く。


 なぜ私が考えていることを知っている。寸でのところで開いた口を閉じた。最後の最後でお馬鹿を発揮した長文を頭の中で破り捨てる。

 しかしカチコチ頭の旧式の思考に固執する人間か、言い当て妙だな。この国はそういった思考にプラスして人種―――いや種族差別まであるとはあまり関心することの出来る国ではない、ここは白人至上主義に似たようなことをしている人間が殆どだ。

 この世界では主要宗教などは聞かないから多神教の世界だとは思うが他の国から来たというだけでも問題が起こらないとは限らない。

 流石に金品を巻き上げ日常の不満の捌け口でしかなかった魔女裁判のような残虐なことをしては来ないだろうがなんとなくハリスが厄介ごとに巻き込まれないという確信が持てない。

 折角あいつが成長してきたというのに厄介な場所に連れて来てしまった。大丈夫だろうか?





****

 ハリス視点


 今日は朝から緊張して心臓が口から出そうだった。

 早朝からクロス様に召喚者の相手をしている間惚けているのだったら国王様から許可を貰っているんだから簡単な依頼でいいから一人でやってみろ。と言われてどこから出したのか見るからに高級な羊皮紙に書かれたこの国のギルドの出入りと依頼受理の許可証だった。


 ギルドの依頼のように薄くて所々燻んだぼろい羊皮紙などの二倍はある厚みと採れたてのミルクのような白さの上に俺みたいな子供が書くような字とは雲泥の差がはっきりと突き付けられる細く流れるように流れる文字。インクは何か茶色みたいだけどなんか違う色は確かクロス様はセピア色だとかいっていた。


 前記の通り書かれていた内容の下にはサインと細やかな絵が文書とは違う色の朱印で描かれていた。それを俺にクロス様直々に渡されると同時にいつものマントを被せて大きな宝石がついた留め具で自らつけてくれた。

 それだけではなく読み終わったと言っていた分厚い魔法がびっしりと書かれた魔道書と植物や鉱石の図鑑を、

 新月さんがおふざけで作成した鮫という海に住む魚の形をした背嚢(はいのう)……新月さんはバックパックっとか言っていたけど底辺ド貧乏の農民出身の俺にはそんなもの見たことないので知りませんと言いたかった。

 さらにそこにツァスタバさん特製のレモネード入りの水筒と、非常食だと言っていたけど砂糖とバターがふんだんに練り込められている焼き菓子と必需品を一緒に入れて王都に送り出してくれた。




 けど思考が明後日方向に飛んでる方々に言いたい。こんな見た目がかっこよくって中身が庶民には手に入らないような高級のレモネードや焼き菓子と、一緒に多分この世界で数冊しかないような分厚い魔道書や図鑑を抱えたド貧乏農民出身者がいたらどうなるかぐらい考えて欲しい―――確実にスられる!!!



 おかげで朝から緊張で冷汗が止まらない。マントに隠したバックパックが取られないか、マントの留め具についたでっかい宝石を取られはしないかと冷や冷やしながらここまで来たのだから。

 しかも俺はこの国のギルドなんざ場所も知らないし名前も知らないおかげで何人の道行く知らない人にお尋ねしたことか。俺の恰好を見て強奪されないかと毎回身構えてしまっておかしな子供に見られたと思う。


 そしてなんとか着いた国立ギルド【力の頂点】(グランドスクラム)。でも入りたくない帰りたい帰ってゲル内の掃除を言い任された方がマシだ。

 ヴェレンボーンの【禁断の書】(パンドラ)に比べればさっきから入っていく人は真面目そうに見える。けど、自然を基礎にした造りをしていた向こうの建物に比べればこちらは煉瓦造りで出来ていた。

 ギルド名前を具現化させたような宮殿の半分の半分以下のデカさだけど至る所に浮き彫りにされたエルフや獣人などといったものが建物を支えているように見える悪趣味さ。

 新月さんがふらふらと入りそうになった高級ブテックとかいう服屋の看板よろしく、過剰な装飾がされた国公認の印が刻み込まれたギルドの建物だと主張が激しい看板。



 やだ入りたくない。けど入らないと何も始まらない。立ち止まること十五分、決心を固め直し大きく息を吸って入る。

 なるべく目立たないように目立たないように歩き依頼書の中からここからほど近くCランクでゴブリンを五体倒してゴブリンのコアを採取、+毒消し草を採取するといった依頼を剥がし受付に国王印の紙とギルドカードを一緒に見せる。


 「……え?っ、きゃ! す、少しお待ちください!!」


 にっこりと笑って出迎えてくれた受付の金髪の女性は許可書に目を向けると床のフローリングの板と板の隙間にヒールを引っ掛けて転倒した。奥へと走っていき何だか大声で話し合う声がここまで響きギルド内の冒険者が全員立ち止まる。


 それと同時に俺にも視線が降り注ぎ顔から汗を滴らせて待つしかなかった。

 やがて太った男が女性と一緒に戻って来て許可証を片眼鏡を使って隅々まで観察し始めやがった。その間俺は俺を見つめる周囲の哀れみの目に顔を引きつらせることしか出来なかった。

 最後の文字まで確認が終わったあと目をパチクリとさせ片眼鏡を外して箱に収めると両手を絡めさせて真剣な目付きで俺を見つめる。


 「これによると君は勇者様に魔法を指南しておられるお方のお弟子さんであり、師匠であるクロス・カオス様がご不在の時に我がギルドをご利用なさることを国王様がお許しになられたと書かれておりますが間違いは御座いませんか?」

 「はい、間違いないです」

 「左様で御座いますか、かしこまりました。ではこのギルドカードは黒ですが間違いは御座いませんか?」

 「はい、でも買い被り過ぎなんですよ。そこまで俺には力なんて無いんで」

 「はぁ……左様ですか」


 説明されたことに耳を傾け問題がないと判断して大きく頷くと男は平常心を装っているが僅かに口角を上げる。そのねっとりとした視線に嫌な予感がして体毛が逆立つ。


 その視線を浴びた俺は自然とクロス様と約束した言葉が脳裏をよぎるのを感じてギルドカードが黒であることを謙遜すると絡みつくような視線は落胆のものへと変わり『期待して損した』という心の声が耳にまで届いた。こめかみ辺りの筋肉がピクピクと動きたくなるのを全身全霊をかけて止め興味がないとでも言うように無表情を装う。

 依頼受理の判が依頼書に押されて受付からまるで蝿を払うように追い出されて俺の興味が薄れたことが伝わり安堵の息を吐く。



 よかった、がっかりとはされたが変に興味を持たれなくて。

 気を取り直してバックパックのストラップを握り背負い直すと依頼に書かれていた王都にほど近い《暗闇の洞窟》へと足を運んだ。

 《暗闇の洞窟》は王都近くというだけあって王都からこの先暗闇の洞窟●kmと書かれている立て看板がありこの国の冒険者さん達の金魚の糞にならなくて済んだし、初級者用のダンジョンであるが故に想像はしていたが若い冒険者が多くいてそこまで孤独感や陰湿感を感じることがなかった。それに毒消し草に関しても他の人が集まって採っていたおかげで苦労はしなかった。




 「でもゴブリンってどこにいるんだよ。初めての依頼ではすぐにでて来たのに」


 しかしゴブリンの方は全く見当たらず二時間は経過していた。おそらく他の冒険者が狩っていってしまったのだろう。見当たらないものは仕方がないので図鑑に書いてある薬草を毟りとっていきゴブリンが出てくるのを待つ。


 「「「ウァァァァーーーー!!!」」」


 あまりにも何もいないので待ちくたびれた俺はそこら辺にあった石の上で燃料補給をしていた。突然上がった悲鳴が洞窟内に木霊して俺は飲んでいたレモネードを噴き出すところだった。


 「え?! 今来るなよ!!」


 食べかけのクッキーを口に流し込みバックパックを背負って悲鳴ノ方角に走って岩と岩の間、蜘蛛の巣をすり抜けてマントが岩肌に擦れるのに躊躇いながら俺と同じぐらいの身の丈の岩をよじ登る。

 いた、真下で粗末な身なりの冒険者三人がゴブリン10体程に囲まれていた。


 「大丈夫ですかー?!」

 「大丈夫に見えるのか?!」


 岩の上から声をかるとそんな訳ないだろうと三人の内の一人(仮にAさんと名付けよう)に声で怒られた。ですよねー、


 「でも坊主じゃこの集団は無理だ!! でも何かこいつらの目眩しになるようなもの持っていないか!」

 「マジか?! えーとなんか広範囲の魔法があったよーうな……あった! 『ヴァンアロー』!!」


 別の人から何かないかと言われて困惑する。絶対に『ファイヤーボール』では倒せないだろ?! っといった確信があったのでバックパックから魔道書を取り出して広範囲の魔法を杖から駄目元で発動させると先から赤い粒が湧き上がる。


 あ、よかった無事に発動した―――「「「ギャァァァアア――――!!!!」」」


 さっきよりも大きい悲鳴が上がる。下を見ると三人の冒険者と10匹の愉快なゴブリンが青ざめて飛び跳ねる姿、そこに飛びかかる炎の矢。

 疾走感溢れる炎の尾は花弁のように広がり洞窟内の床に舞い落ちると決して小さくはない亀裂を作っていく。


 「「「中級魔法なんて殺す気か!!!」」」

 「ごめんなさーい!!」


 これ中級魔法だったのかよ! 飛び散ったガン弁を死に物狂いで避けてはいるが所々が焦げまくっている三人組から怒鳴り声に岩の上で土下座する。

 悪気がなかったんですー!! と付け足してさらに誤った。


 「あ、でもゴブリン全部死んでるぞ!!」

 「「「マジで?!」」」


 Aさんが歓喜の声を上げたところに他の二人と俺は驚きの声を上げる。

 土下座の姿勢から立ち上がり岩からずり落ちるように降りると倒れているゴブリンを持ち上げる。焼け焦げた体内から砂つぶのようなコアが落下して洞窟の床に転がる。失神して伸びていただけかと思っていたが絶命していたらしい。


 「「「「……………」」」」


 四人の間に沈黙が流れる。俺は洞窟の床が焼け焦げゴブリンから肉が焦げた匂いが立ち込める様を見つめAさんを含めた三人組は俺を指差して凝視される。

 だがずっとこうしている訳にもいかないので話し合いの結果三人組の依頼ではゴブリンは五体だったので半々で分けて別れ【力の頂点】(グランドスクラム)でさっさと報酬を貰って帰宅した。




 「ハリスどうだった始めての一人での依頼は」

 「まぁそこそこでしたね。それよりギルドの品定めの視線が嫌でした」









****


 「ねぇ、また失敗だったの?」

 「みたいだね〜。どうする?」

 「もう怪物は現地調達しないでこっちから送ったらいいんじゃねぇーの?」

 「そうね、そうして頂戴。でないとあの人は連れ戻せないわ」

 「分かった。また近々行動に移すとしよう」

 「了解でーす」


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