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遑神 ーいとまがみー  作者: 慶光院 周
え?今からこの展開ってマジですか?
43/80

Oh……流石神様、流石チート

今回は少し長いです。

 「新月さんはともかくなんでクロス様が一緒にやってるんですか?!

 というかツァスタバさんまで参加するな!!! 俺以外ツッコミを入れる人が居ないじゃないかぁぁぁああああ!!!」

 「「「すみません」」」


 なんともおかしなことをしてくれた大人三人にツッコミを入れたところ謝られた。いや、子供に謝る大人ってどうなんだ。

 あとなぜにツァスタバさんは参加した。理由を述べよ。


  「ちょっと聞きたいんですけどなんでツァスタバさんまで参加したんですか?」

 「我が主人であるお二人がやったことです。主人に恥を欠かせないよう上手く立ち回るのが執事の務め、これぐらいしないでどうするのです?」


 あ〜ぁ、ったくの人は……確かに執事の鑑ではあるが普通ここまでやるかと俺は頭を抱えたくたった。どうするのですじゃないだろ。なに清々しい顔で平然と答えてんだこの人は。そういえばこの人も今は角隠ししてるけど人間じゃないんだった。


 「まぁそうなんですけどね。じゃあなんでこうなったのか原因を教えてください」

 「原因か、そうだなーーー」


 原因と聞いてクロス様が数分前、と言って語り出した。






****

時は遡り数分前、アホ視点




 ガサガサッ!


 「どうしよう!  ハリスくんの悲鳴が聞こえたから何事かと思って助けに行ったらつーちゃんが食材ハンティングしようとしてたよ!  ここは陰ながらそーと、見守るのがいいとお姉ちゃん思うだけどクロはどう思う?」


 はぁい! 悲鳴が聞こえて走ってきたはいいけどつーちゃんが俺達のために頑張ろうとしていてどうしようか悩んでいる悩める美少女、新月ちゃんだよ☆

 今はハリスくんとつーちゃん、あとキマイラが睨み合っているすぐ横の草むらにクロと一緒に隠れているんだ。どうしよう!


 カサッ!


 「どうでもいい。あれ (ツァスタバ)これ (キマイラ)なら間違いなくあれ (ツァスタバ)の勝利だ。私達が出る幕はないぞ。それよりも何なんだその両手に持ってる向日葵は、漫画か」

 「両手に王道な木の枝を持ってるクロに言われたくないいしー、では暖かく見守り(観戦)しましょうかねー。クロ、ポップコーンと飲み物お願いね」

 「ハイハイ」


 両手に持つものがなかったので服を作った時に余った造花を使ったらクロにおかしいと言われた。なんだよ、君だって木の枝持ってるくせに!  側から見たら俺達間抜けな姿晒してんだぞ!

 ぶー、と言いたくなる気持ちをポップコーンと飲み物で手を打つ、顔を前に戻すとつーちゃんが先に動こうそしていた。


 「よし、いkーーーえ?」

 「おお……」


 頑張るつーちゃんにエールを!! っと思ったら空から山姥が登場した。


 上か〜らぁ山姥☆ (ソプラノボイス)





 じゃねーーーえ!!! えー!!  空から登場するのは赤い弓兵でしょ?!  なんで山姥やねん。

 どうせなら山姥を切った刀の偽物だけど本物の人(刀)がいい。

 で、件の山姥さんはポカーン、実際に( ゜д゜)←みたいな顔をしてる二人にお肉の解体ショー☆を実習してた。


 あ、ひきこさん(男)とモヤシが出現した!! んー、どうしよう。ここは助けに行くかな?


ーーーーーなら山姥を超えるインパクトSA☆KU☆RE☆TU☆登場シーン!! ってのをやりたいよね〜。プリキュ●みたいな……は! そうだ、そうしよう。

 クロにあげたキンキラキンにつけたような格好良く厨二病漂う名ゼリフ考えるのは俺にとっては朝飯前!!! うっしゃーやるぞぉーー!!!!


 「新月、お前何を書いてるんだ?」

 「好感度が上がる登場セリフだよ」

 「好感度……」

 「そうそう、はい行くよー!!」


 好感度の言葉でクロを釣り上げ思いついたセリフをそのまま書いたカンペを渡す。クロって実はそういう言葉に甘いからこうやってくれると案外簡単に釣られてくれるんだよね〜やっぱぜうぜうとかが原因な?

クロが受け取ってくれたのでそのまま腕を掴んでポップコーンを蹴散らし、(※食べ物は大切にしましょう)現場へと凸る。はいっ!! では、いきましょう!!!


 「「そこまでだ!!!」」



回想終了


****




 「クロス様は新月さんを止める側でしょう? なんでこうなってるんですか?!」

 「これを渡された。書いてある通りに動けば好感度が得られると新月が」


▼フロックコートのポケットからカンペ登場! ハリスは頭を抑えた!



 「なんでこんなのやったんだあんたは!!!」


 またハリスに怒られた。新月に渡されたカンニングペーパー道理にやったというのに全く好感度が得られていない。仁王立ちで実に面白い、のポーズが駄目だったのか? 新月からはこれをやって欲しいと書かれてたんだが……

 首を少し捻ってハリスに聞いてみる。


 「ポーズが失敗だったか?」

 「いやポーズの問題以前の問題です。クロス様はこのキュ●なんとかってのわかりますか?」


 手渡したカンニングペーパーに書かれた一箇所を指指ししながら見せられる。


 「知らん」

 「……新月さん、貴女変なことクロス様に教えないでくださいよ。俺も新月さんの洋服作るの手伝った時に一緒に見たんですけどあれは……」

 「あれはなんだ?」

 「詳しくはご自分でどうぞ」

 「いやたいしたことないよ?! 調べなくて大丈夫だからモガッ! 〜〜〜〜っ!!!」


 ハリスに『ご自分でどうぞ』と勧められるとなぜか新月が暴れ出した。五月蝿かったので腕の中に閉じ込めて黙らせてからキュ●なんとかというものについて【世界の図書館】で調べる。確か正式名称はプリキュ●と新月が言っていた筈だ。

 検索すると動画も出てきたので一番上にあったものを再生する。

 再生させると同時にパステルカラーやらハートやらがやたらといっぱいなふわふわとした格好の子供、しかも全員が中学生ぐらいの女がさっき私がやったことと同じようなセリフをしていた。


 「………………」

 「どうですかご感想は」

 「新月」

 「ほ、ほい、なんでござるか」


 私は腕の中に閉じ込めた存在に声をかける。新月は額から大量の汗を流しながら顔を背けて答えた。全体に影がかかり肌の色がワントーン暗くなったように思える。


 「………………」

 「む、無言はやめて、お姉ちゃん怖いから!! ーーーギャァァッッ!!!」


 気配を察知して逃げようとしたので土属性の拘束魔法を発動、逃走を図ろうとしたアホは見事それに引っかかってくれた。おかげで足を土の中に沈めることに成功。都合のいい時だけ姉づらをする白いアホに梅干し(正式名称はぐりぐり)を施す。横ではなく縦で、


 空へと響き渡る悲鳴も知ったことか。

 しばらくすると辺りがしーんと静まり返ったのでここでお開きにするとピクピクと痙攣した死体が一つ完成した。


 「勝手に殺すな! まだ生きとるわ!!」


 なんだ生きていたのか。


 「ごめんなさい!! もう一発はやめて」


 手を握る仕草をすると死体が動いてツァスタバの後ろに隠れた。こいつツァスタバを盾にする気か。いいだろう、新月にだけ当てれるようにやってみるのも面白い。

 そう思った私の考えをまた察したのか新月はツァスタバにしがみ付いた。面倒な、


 「まあまあ兄弟喧嘩はそこまでにしてくれ、それよりも早くここから離れないと夜になる。冒険者では無い人がこんな所にいたら魔獣の餌になるぞ」


 新月ににじり寄ろうとしていると鎧を着た男止められた。空を見ると少し橙色に染まりかけていた。確かにこのままだとすぐに夜になるだろう。鎧男の言う通りに早くこの場を離れるか。


 そういえば前に読んだ魔法書に速さが10倍になるという風属性魔法があったはずだ。上級魔法らしいが、たしか『アギト』だったか? 英語じゃなかった魔法の類に入っていたものだ。あれを使えば夜になる前に王都に着くだろうか。


 「そうだな、日が暮れる前に王都へ向かうとしよう。お前達そこに並べ、『アギト』」


 全員を一箇所にまとめて魔法を発動させる、すると足がいつもより軽いことに気が付き動かしてみる。早いなこれなら本当に王都に到着出来るかもしれん。


 「「「うわぁすげぇ! 足が早い!!」」」

 「あ、本当だ」

 「だな」

 「流石我がマスターです」


 子供のようにはしゃぎながら同じことを言ってるのが新月、ハリス、もやし、その下は鎧男、山姥、最後にドヤ顔のツァスタバの感想だ。

 全員私と同じように足を動かしている。砂風がすごいな。


 「これで今から走れば王都には間に合うだろう。お前達も来るか?」

 「おっと〜?! クロ選手冒険者君達に声をかけました!! これは途中までは一緒に行こうフラグですかね〜〜」

 「五月蝿い」

 「いや、俺達のギルドは王都にあるものじゃない私立のなんだ」


 ザクッ!


 「って訳で無理」


 グサッ!!


 「そういう訳だすまん」


 グシャッ!!!




 やっと王道が?!  と頰を緩めて喜ぶ新月に冒険者三人組の御断り三連打を喰らい地面に倒れた。あ、魂まで抜けたぞ。


 「がびーん!! クロの運30のせいでフラグが折れました。君はフラグ建築士じゃなくフラグクラッシャーか!!」

 「ならお前は空気クラッシャーじゃないか」

 「何だと第一ねーーー「だから兄弟喧嘩は他所でやってくれ」ちょっと、被せんといて」

 「……あぁすまん。ハリスを助けて貰ったこと感謝する。私達もすぐにこの場を離れるからお前達ももう行ってもらって構わんぞ」


 また言い争いを始めそうになったところを鎧男に止められた。危ない危ない。

 また彼らまで巻き込んでしまうところだった。これ以上彼らに迷惑をかけるわけにもいかないので先の立ち去ってもらおう。


 「そうか、じゃな、えーっと……」

 「改めて名乗らせて貰うと私はクロス、このアホは新月、出来ればレモーネと言ってやってくれ。私と新月はファミリーネームを持ってる。

 二人ともカオスだ。私が双子の弟でこいつが姉なんだが落ち着きのないやつですまんな。そっちはツァスタバとハリスだ」


 鎧男の言葉が途中で途切れたので改めてちゃんと名乗ると三人とも呆れた目で新月を睨む。何と無くこいつらの言いたいことがわかるぞ。


 「あー……そうか、名前に恥じない性格のお姉さんだな」

 「わかってもらえて何よりだ」


 苦笑いでオブラートに包まれたお褒めを受ける。新月は「そうだ! 俺がお姉さんだ!(`・ω・´)」と胸を張っている。そこは胸を張るところじゃないだろ。

 


 「ははは、あぁ教えて貰ったんだ俺達のことも軽く自己紹介させて貰う。俺はパーティ『巻き込まれ』のリーダーをやっている笹島伸、こっちのひょろいのが木戸稔、この人は朝比奈洋子、伸、稔、洋子が名前だ。

 言っておくが俺達の名前は苗字というものであって貴族とかじゃないからな、それだけ言っておく。

 まぁ、何か問題でもあったらぜひ俺達に依頼してくれ。じゃあ俺達はもう行く、じゃあなクロス」

 「お元気で〜」

 「バイバーイ」


乾いた笑い声を出した鎧男は踵を返し、去り際に自己紹介をして冒険者パーティ『巻き込まれ』の面々は去って行った。







 ん? 笹島伸? 木戸稔? 朝比奈洋子? 思い当たる節があって手を伸ばし呼び止めようとするも流石上級の風属性魔法『アギト』。何もないところから疾風が巻き起こり森から葉が、私からは前髪が拐われもう跡形も無くなっていた。

 少し聞きたいことがあったんだがな……もう行ってしまったのは仕方ないか。日も随分暮れてきたことだし私達も早く王都に向かおう。


 「あー……行っちゃった」

 「だな、私達も行くぞ」

 「「「はい (ほーい)」」」


 


 




 三人を連れて街道を全力で走る。魔法のおかげか時間はそんなにかかることはなく、神聖カルットハサーズの王都プリジーンに着くことができた。

 着くことは出来た。が、王宮の門は既に閉まっていたので王都内の宿に泊まることになった。ここでは食事は出てくるが自分達でも作れるらしい。

 それを知ったツァスタバはハリスを掴んで厨房の方へ飛んで行ったため部屋の中には私と新月の二人っきりとなった。


 私は硬い木製のベットの上で転がってマリ●をする新月の一緒にゲームをプレイしていた。なんでも【千里眼】を応用した画面にコントローラを無理矢理繋げたらしい。全くとんでもないやつだ。



 件のとんでもないやつだが今は私の隣で機械をピコピコとボタンを操作していた。一応こいつにはあのことを話しておいた方がいいかもしれない。

 緑色のヒゲを生やしたキャラクターを非難させて指を止める。あ、兄キャラに置いていかれた。


 「新月話したいことがあるんだがいいか」

 「今はっ! ちょっと待ってせめて落下する障害物抜けてからっ! っといいよ何?」


 わざとでは無いが弟を置いって行った赤いヒゲの生えたキャラクターを一旦動く障害が無い場所に移動させてこちらに首を向ける。


 「お前が人魚の鰭を勝手に鰭酒にしたことがあっただろ」

 「あー……ありましたね。あの瓶覗の色したやつ。あれは美味しかったですねカクテルみたいに甘かったし、一緒に食べたババも美味しかったです。ハイ、あとでクロに梅干しされたけど」


 目線を上に上げて新月は苦虫を噛み潰したような顔をする。


 「あの時私は会社の報告書に専念してただろ」

 「うん、書類が頭の中に直接送られてくるなんてぶっ飛んだ設備を頭に埋めこんでるよね。で全く会社に行っていない社長職のクロが唯一やってる仕事だよね」

 「五月蝿い。それでその時にここの世界に異世界召喚される人間の情報があったんだがな」

 「ほいほい……えっ、まさか!! ってあーー!!!」


 驚いた拍子に指がコントローラを触ったらしく赤いヒゲの生えたキャラクターが亀に突っ込んだ。キャラクターは一旦飛び跳ね頭から真っ逆さまに落ちて行く。


 テテンテテテテン♪という明るい音楽がこれまた無理矢理繋げたオーディオから響き渡った。

 口を開けて悔しがる新月は面白いが話とは無関係なので放って話を進める。


 「そのまさかだ。この国の城に召喚されたやつらの情報もあったんだがあの三人の情報もあったんだ。正しくパーティ名に恥じぬ巻き込まれだったぞ。


 何せ、召喚されたやつらが待ち合わせしてたコンビニでたまたまその時間帯にバイトをしていた大学生とフリーター、  

 さらにそこの地域に住んでいなかったのにたまたまコンビ二で立ち読みをしていたため巻き込まれた高校生と書かれていたぞ」

 「あー……oh……何という哀れな。え? ならコンビ二なら店長さんはどうしたの?」

 「たまたまゴミ捨てをしていたために無事だった」

 「2度目のoh……このあと苦労したんだろうな……じゃあクロはあの三人をご自分の時どころか世界を行き来できる能力で助けてあげるわけ?」

 「助ける気はないぞ?」

 「え?」

 「どっちでもいいとは思っているがな。ハリスを助けて貰った恩があるが帰りたくないならそれで良し。帰りたいならそれでも良しだ。それはあいつらが決めることだからな。それよりもお前に聞きたいことがあってな」

 「ん、」


 そろそろ本題にるため話の主旨を話す。新月は食事前なので我慢しているのか紅茶を飲みながら生返事を返した。

 

 「もし、元の世界に帰る方法が一つ……ではなく二つ三つあったらどうする」

 「ブハッーーーーーー?! え? ちょ、ど、どゆこと?!」

 「うわ、汚いぞ。吹くな」


 本題に入ると紅茶が空気中に吹き出され照明の光に照らされてキラキラと光りながら霧散する。是非、スローモーションでご覧下さいと言いたいところだが実際は一度口に入ったものなので汚い。

 衝撃でベットからも落下した新月に部屋に備え付けされたタオルを渡すと口元を吹き、定番の質問責めを開始された。動きがヘンテコで面白い。


 「っどどどどいうことだじゅか?! クロが運ぶ以外にもあんの?! 何で? どうして? 教えて?!!」

 「一つは勿論私が運んでやる方法、二つ目は会社の社員に回収してもらうこと、三つ目はこの前オークションで競り落とした壺があっただろ? あれを使うこと、四つ目は私が緊急用に常備しているこのピアスを使うこと、以上だ」


 あまりの驚きに舌を噛みながらも質問をしてくる新月に説明をする。

 同時に四つ目を言うと米神辺りの髪の毛を掻き上げる、普段は髪で隠れている耳朶で小さな光を放つ青い石が付いた直付けのピアスを新月に見せた。

 ぽくぽくと二人の間に無言の時間が流れる。先にその沈黙の糸を切ったのは新月の崩壊した顔だった。


 「プギャ━━━m9(^Д^≡^Д^)9m━━━━!!!!!! 」

 「五月蝿い!!」

 「だって、一つだけでなく三つ四つもあるとかどんだけチートやねん!! AコースだけじゃなくBコース、Cコース、Dコースまであるんかい。なんか異世界トリップとかが小さく見えるレベルになって来た_| ̄|○」

 「なんだよな。どうする?」

 「や、どうする?! じゃねーし、逆にこっちが聞きたいわーーーー!!!!」


 叫びが部屋に木霊する。だから五月蝿いと何度言えばわかるんだ。







****


おまけ  なぜハリスがツァスタバが自分の母親に似てると思ったのか。




 「なんであんなことをしたんだ?」

 「えーっと…………」

 「言え」

 「ツ、ツァスタバさんの……」

 「ツァスタバの?」

 「わ、笑った時の口元が……母さんに似ていたんで思わず泣きそうになってそれでぇ……」

 「で?」

 「だ、だから、話をかへ、変えようと思って、先に進んだら物音がし、したからクロス様か新月さんだとおもぉ、思ったんですぅ……! ゆ、許してくださいぃぃ!!」


 理由を尋ねると所々つっかえながら話出すと最後には叫びに近い涙声でハリスに許しを乞われた。なぜだ、私は何もしてないぞ。


 「マスター、聞き方が悪いかと、マスターは気が付いておられないかもしれませんがマスターが真顔で問い詰めると幼い子供にとっては怒られていると感じてしまいます。もう少し口調を柔らかく」


 ツァスタバに言われて無意識に自分の頰に手をやる。私の顔はそんなに怖いものなのか?


 「私は今怖い顔をしてるのか?」

 「いえ、そんなことはごさいません。しかし表現筋が動いていないのは事実です」


 質問したら間髪入れずにツァスタバの返答が返ってきた。本当なのか……直せるように努力しなければ。


 「そうそう。クロ、小さい子供を泣かせるなよー! 真顔もだけどまず言い方が駄目だって。

 まず、こういう時はこうやって抱きしめて……「わ!」優しく聞きながら頭を撫でて、ついでに太もm……モガァッ!」


 新月が後ろからハリスを抱きしめた。

 肩に顎を軽くのせて左手でやや乱れた灰色の頭を優しい手つきで撫でる。慣れてるな、セクハラが。

 ナチュラルに太ももを触ろうとしようとしたアホの手を捕まえて動きを封じる。ついでに口も塞いでしまえ。これも世の為人の為。


 「ももがーー!! ふぁんでわまったの!! (喋れなーい!! なんでわかったの!! 訳)」


 アホが右手で口を塞ぐ手をどけようと振り回してくるがリーチの問題で全て私に届かない。残念だったな新月、私がガイアから生まれて間もない頃によく他の兄弟の体使って私にも同じことをしていたんだ。分かるに決まってるだろこのショタコンが。

 それよりもハリスに聞きたいことが出来た。


 「口元?」


 雰囲気が似ているならまだわからなくもないが口元?


 「はい、ツァスタバさんって笑った時に口元が緩んで尖った犬歯? が見えるんです。それが母さんと似ていて」


 笑った時に見える犬歯? それは八重歯だろうか。


 「八重歯か?」

 「八重歯? 何ですかそれ?」

 「八重歯というのは犬歯が歯並びがズレたことによって外側にズレて目立っている歯のことだ。お前の母親が八重歯でツァスタバが似ているということはこいつも八重歯なのか? おいツァスタバ、ちょっとこっち来い」

 「はい? っもが!」

 「ぷはぁぁ! やっと解放されたぁ」


 ハリスは八重歯を知らなかったらしい。まあまだ年が小学生程しかないんだからなんでもかんでも知って入り訳がないが。

ツァスタバが八重歯なのか気になったので新月から手を離してツァスタバの上唇を上げて確認する。あった、八重歯発見、結構尖ってるな。


 「確かに八重歯だな。ツァスタバお前最初からこうだったのか?」

 「ん、そうですが何か? もしかしてお気付きになられなかったのですか?」

 「「yse」」


 手を唇から離して質問に答えると新月と言葉が被った。こいつも気が付いていなかったのか? ツァスタバをデザインした張本人が?


 「新月お前がツァスタバをデザインしただろ。なぜこうなったのか理由を教えろ八重歯なんてどこで付けたんだ」

 「えー、俺もつけた覚えが……」





回想


 『そうだな。例えば執事、メイド、と言ったところか』

 『はい! 執事で、個人的には目が赤くて雰囲気が黒い、悪魔的な万能型を!』



 『悪魔的な万能型を!』


 『悪魔的な』


 『悪魔』←





 「あ、要素あった。悪魔的なってのが。あーでも雰囲気が黒いとかが反映されねーやよかったよかった」

 「よくないだろ。やっぱりあったじゃないか。妙な所で細かい設定を考えるから今回みたいなことが起きたんだ次からは気をつけろよ」

 「めんごめんご、次はもっと上手く考えるって。ハリスくんも許ちて」

 「許してじゃないですよ! ツァスタバさんのことは偶然なんでそれは許せますけど問題は新月さんが俺に教えた見たことも無い生き物に出会った時の対処法に関しては絶対に無理です。あれ、キマイラにやったら逆上して追いかけられたんですからね!」

 「新月、お前何を教えたんだ。死んだフリか?」

 「え? ど定番の『E〜,●〜』で御座いますが何か?」

 「そりゃ相手も逆上するだろうが。お前E,●は未確認生命体との交流を描いた映画ではあるがファーストコンタクトに使う物じゃないぞ。ちゃんと映画を観たのか?」

 「えーっと、触りだけ?」

 「全映画ファンの人に土下座して謝ってこい」

 「足が捥げちゃう! 今度DVD仕入れたらクロと一緒に見ようと思ってまだ観てなかったんだもん許して頂戴!」

 「……はぁ、ハリスには謝っておけよ。でないと観ないからな」

 「お願いハリスくん! お姉さんを許してくださらないかしら?!」

 「分かった! 分かりましたから引っ付くのやめて下さい! セクハラ? ですよ!」

 「これは互いの好感度を上げる行為だって、これでも加減してるんだよ? 出来ればもうちょっと密着度を上げた方が……」

 「ハリス、許可する。このショタコンの尻でも叩いていいぞ、私が許す」

 「了解です!」


 有名なツッコミ道具を作り出してハリスに渡す。ハリスはどうやって使うのか一瞬で理解したのだろう。ヒュッ! と風を切る音がしていい音が鳴った。


 「お尻痛ーい!!」

 「自業自得ですよお嬢様」


瓶覗きの色……布や糸が藍色の染色液が入った瓶を少しだけ覗いた(浸かった)ような色のこと、

       やわらかい緑みの青色。


ババ……焼き菓子。見た目はコルクの形を思い浮かべてください。

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