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遑神 ーいとまがみー  作者: 慶光院 周
異世界へGO!
3/80

アダマスの鎌のその後、2

 前回の続きです。

 作者がない才能を絞り出して書いたものなのでこんなもんかと言う風に思って頂ければ幸いです。

 「なんだ?なんか文句でもあるのか?返還条件飲んでんだから文句はねーだろう?」


 ヘパちゃんがこんな最高の武器のどこがいけないんだと睨んでくる。

 よし、試し切りにヘパイストスの隣にある大理石の柱を使おう。けして苛立ってるんじゃない。腹が立ってるだけだ。


 スッ、


 ズドッッン!!




 軽く振っただけで大理石の柱が綺麗な切口を作り大きな音を立てて落ちた。


 「見事! ちゃんと使えるようだな」


 目の前の柱が崩れたのに平気で自分で造った武器の賞賛をしている。 ビビらないなこいつ。でもスッとした。


 「もう終わっちまったんだ諦めろ。それよりも名前を決めろや。でねーと装飾できねーぞ」


扱いが酷い。しかし名前? 名前なら最初からあるだろうが、


 「名前? さっきも名前って言ってたな。あるだろう? アダマスの鎌って名前が」

 「お前さんの鎌を返したことは機密だからな。返すにしても別の名前が必要になるってわけだ。何かいい名前はねーのか?」


 名前……今更な気がするんだがと思っているとへパちゃんがじっとこっちを見てくる。対して私もヘパちゃんを見ているので互いに見つめ合うというなんともいえない時間が過ぎ去る。しかし見つめ合ったところで何も言って来ないということは絶対に考えなくてはいけないらしい。仕方ない、どうせ考えなきゃならないなら私に関連する名前にしよう。覚えやすくなるしな。


 「……錯覚としてクロノススタシスという私の名前がついた錯覚があるんだがどうだ?」

 「うーん……ま、いいじゃねーか? ちょっとやばいが」

 「その辺は何とかなるだろう。武器としての名前なら。人間が持っている武器にも神の名前が入ってるのとかあるしな。本物ではないが力が強いからアポロンの弓とかがな。普段は縮めてスタシスって呼ぶなら問題はないだろう」

 「ん~……ならよしとしよう。でも用心しろよワシは責任取らんからな! じゃあ、今日からこいつの名前はクロノススタシスだ! 大事に扱えよ!」


 そう言ってへパちゃんは妄想の産物となってしまったアダマスの鎌……いやこれからはクロノスタシスとなった鎌かも怪しくなったものに金色で『Chronos στάση』とギリシャ語で名前を入れ専用のであろうこれまた黒地に金装飾の入った大きな鞘に入れて持ってきた。


 「本当は言いたくないんだがな礼儀は礼儀だ。一応言っておく。ありがとな。」


 ここまでしろと誰も言ってないがな。


 「そうかい、本当の事は聞かないでいてやる。まぁ、頑張れや」

 「ああ、頑張るよ」


 いろんな意味でな。この後どうするかも決まってないし、考えてない。

 考えなくても手を振るだけで何とかなるけど。

 歩きながら考えようかと思い、へパちゃんの鍛冶場を出ようとするとへパちゃんがこっちに向かって首を向けて叫んできた。声がどでかい。


 「あーあとあいつにもよろしく伝えといてくれ。まぁ、お前さんの近くで聞いてるだろうがな」


 珍しい。普段へパちゃんはあいつにをからかって遊んでいるか、いじられているかだからな。


 「あー、あいつなら今お前の前で『え?! 捻くれ者のへパちゃんがデレた?! ウッハ、珍しーい! もしかして寂しい?』って言ってるぞ」


 本当の事なのでオブラートに包まずに言うと不機嫌そうな顔をした。途端に米神の周辺に怒りを示すように血管がいくつも浮かび上がる。これ以上ここにいると私は関係ないのに被害がおよびそうだ。行くとするか。


 「馬鹿野郎! とっと行っちまえ!!」

 「分かった分かった。じゃあなへパちゃん」


 早歩きで鍛冶場から立ち去ろうとして後ろに目をやるとへパちゃんじゃねー!! という声と金槌を投げようとしている姿が目に入った。

 へパちゃんは追いかけてこないがあの金槌は追いかけてきそうだ。


 まずい、撤退。


 見ていただきありがとうございます。

 誤字脱字がありましたらやんわりと教えてください。

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