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中編
引き取り手が見つからない私たちを引き取ったのは、髭の生えたおじいさんだった。
と、お姉様は思っている。
私は一目でわかった。
この人だ、って。
あの真っ赤にそまる瞬間、見えた顔。
忘れるわけがない。
ましてやお姉様の敵。
最初はどうするか迷ったけれど、簡単なことだった。
そう、お姉様は何も気づいていないんだ。
だったら、そう、するしかない。
あの特別な日からちょうど8年後、そいつはとうとう話し始めた。
お姉様は、とてもショックを受けているように見えた。
でも、お姉様は私のお姉様。
同じことを考えていることなんて、まるわかり。
でもね、お姉様。
お姉様はもう辛い思いしなくていいの。
これからは私が守るから。
二人で生きていこう?
もう13にもなったの。
こんなやついらないわ?
ね、お姉様。
私はポケットにあるナイフを取り出し、お姉様とは反対側の首筋を
躊躇なく切った。
紅に染まる床に、きれいな涙が一粒落ちた。
ここまで姉目線のものと同じです。(ストーリー)
後編、で終わり。




