表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双子 2  作者: 豆太郎
1/3

前編


私はあの日、

目の前が真っ赤に染まった。




はずだった。







私のお姉様は、いつも私にやさしい。

お母様もお父様も好きだけど、私はお姉様が一番好きだった。



きらきらしたここは、居心地はあまり良くなかった。



でも、お姉様が好きな場所は私も好き。



お姉様はきらきらしたものが好きだった。





お姉様と私の大切な日。


嵐になった。




雨も、風も、雷も、

お姉様は、嫌いみたいだ。



だから、嫌い。




特別な日、お父様は帰ってこれないそうだ。




お姉様はお父様が好き。

つまり、お父様がそろうまで、お料理はたべない。



だから私も食べない。





後は、お父様が帰ってきて、お姉様の笑顔をみて、きらきらした毎日を過ごす。


はずだった。




でも違った。


突然の暗闇に、突然の悲鳴。




その後、暗闇でもわかる、真っ赤な、



血。




お母様の隣にすわってたんだ。


染まって当然だった。




でも、染まらなかった。




お姉様が、私をかばってくれたんだ。





そのまま手を引いて、部屋のはしまで連れて行って、机の下で、二日過ごした。




素敵な時間だった。



お姉様が私をかばってくれたこと。

守ってくれたこと。


ずっとそばにいてくれたこと。




素晴らしかった。






でも、お姉様は違ったみたい。




お父様に捨てられてあと知って、泣いていた。


私はもちろん泣いてなんかない。



だってお姉様が無事だから。





でも、お姉様が泣くほど、辛かったんだ。

悲しいんだ。悔しいんだ。



お姉様が好きだから、大好きだから、お姉様のことは手を取るようにわかる。




だから、私はその時決めたんだ、




お姉様の

「大事」

すべて奪ったやつをこの手で殺す、って。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ