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短編

春が来る

作者: 紀舟

 白と黒の世界を女が一人、歩いていた。

 茶色の土はやわらかな雪の下で凍り、草花の種子は堅く閉じていた。森の木々も葉を落とし眠りの中、目覚めの時を待つ。

 真っ白な雪、黒々と林立する樹木達。色彩を欠いたその地に、女の他に生物の気配はない。

 野鼠たちは冷たすぎる冬の精たちに弄ばれぬよう身を潜め、熊たちはおのれの巣穴で暖かな夢にまどろんでいた。

 女が一人。

 ゆっくりと雪を踏みしめ、白い長い衣の裾を引きずりながら、しかし確実に一歩ずつ、一歩ずつ進んでいた。

 白い髪をなびかせ、紅をさしたように赤い唇を歪めもせず、笑いもせず、能面のような顔で、淡々と。

 風がヒューヒューと音を立てて女を通り抜けた。

「北風か……」

 長い髪が攫われ、もつれながら舞いあがる。衣の裾が絡げ上げられるのも構わず、女は空を見上げた。 瞳の先には灰色の曇天が枝々の隙間から垣間見えた。

 冬の色だ。

――早く、早く

――耳を澄ませ

 耳元で声が聞こえた。

――南の小川のせせらぎが聞こえるよ

――薄氷の甲高い、ひび割れた悲鳴が

――雪解けの悲痛な声が

――聞こえるよ、聞こえるよ

 それは、通り抜けて行った北風たちの声だった。

――われらも、急がねば

――春風に捕まる前に

――陽の光に灼かれる前に

――冬の王ももうすぐお隠れになられる

 女の能面のような顔が崩れた。眉を潜める。毎年のことではあったが、聞き捨てならない言葉だった。

 女が歩みを止めた。

――白の時は終わった

――陽の極彩色に食われる前に

――われらも何処かへ

――白魔の棲まう地へ

「北風よ、北風」

――おや、お前は

 北風たちが女に気づいた。

 女を見定めるように女の周りをヒュルルと回る。

――白いが、われらの眷属ではないな

「そんなことは、良かろう。聞きたいことがある」

――成らぬ、成らぬ

――そんな暇は、有りはしない

「少しの暇だ」

――成らぬ、成らぬ

――暇などない

――急げ、急げ

――春の君に、囚われる

 答えずに過ぎ去る北風たちに、女は構わず問いかけた。

「北風たちよ。そう言わず答えておくれ。おのが主の此度の雄姿を、美しき振舞を」

 するとどうだろう、絶え間なく過ぎていた北風たちが留まり、おのおのに主人の武勇伝を話し、賛美し始めた。

――王が呼気をひと吹きするだけですべてが凍った

――東の森の獣たちは美しき氷像と化した

――雪の精を引き連れ行く姿は悠々として

――西の山は王が歩むたび、白雪に埋もれた

――白き衣を翻し舞う姿は優美なり

 急に騒々しくなった北風の声に一つ一つ耳を傾ける。一字一句漏らさぬよう。

 北風たちの称賛の言葉は洗練とされていて優麗だった。

 目を閉じれば冬の王の悠然として麗しい姿を思い浮かべることができた。

――埋もれたといえば

――そうじゃ、そうじゃ

――今年も幾村が雪の中に

――五つだったか、六つだったか

――いやいや、八つじゃ

「十だ」

 女が首を項垂れ、ぽつりと呟いた。

 一瞬、辺りが静まりかえった。女の頭上で北風たちが渦巻く。

「集落から離れた、一戸からなる小さき家を含めれば、五十はくだらぬ」

 足元の一点を見つめたその表情は、また、能面に戻っていた。

――おお、そうだったか

――さすが、我らの王

――女よ、よく知っていたな

――でかした

――褒めてつかわす

 再び、ヒュルヒュルと笛のような音が一斉に鳴りだした。

「その王だが、今は何処に」

 ザワザワと木立が揺れる。

 答えは返ってこなかった。

 期待はしていない。彼らはいつもそうだった。

 王の雄姿は讃えるが衰えれば去っていく。

 ただ、なんとなく……知っている答えでも聞かざるを得ないような気がして、いつも問いかけてしまうのだ。

――急がねば、急がねば

――春が来る

 女は気にせずに北風たちが来る方向、暖かな光射す方へとめざし歩きだした。

 女の中でザワザワとすべてがざわめいていた。一にして有数の存在の彼女。身に潜む彼女たちが一心に同じ場所へと向かいだす。

 行きつく先は知っている。暖かな方へ、暖かな方へと……。

 日差しに溶ける雪の音を聞きながら、緩やかに流れる小川の岸へ。

 何故か、彼はいつもそこにいた。


 小川のさざ波が打ち寄せる岩々、もうすっかり地肌の見えてしまった大岩に、彼は横たわっていた。

 白銀の髪が顔にかかり、荒い息を吐いている。女が来たことに気づいてはいない。

「王、冬の王よ」

 女は呼びかけた。

「冬の王」

 冬の王は鬱陶しげに、視線だけをこちらに投げかけた。

「われをよぶのは、誰じゃ」

 眩しそうに女を見つめるその眼差しは、気だるげで億劫そうだった。

 女は答えなかった。どう答えたらいいか分からなかったからだ。自分は誰なのか?

 彼は女のことを知らない。

 それは最もなこと。人が前世の記憶を持たないように、彼もまた、今年の冬の王であって、昨年の冬の王ではない。

 そして、女も……一年前とは違う存在だった。

 いくつもの意識体が混ざり合った、不順な集合体。どの記憶も正しく、どの思いも違う。一年たつ度にそれは溶けることなく降り積もり、感情の波を揺らし、新雪の如く表面だけを煌めかせる。内は混沌とした愚鈍の集まりであるというのに。

 しかし、どの彼女も冬の王を知り、終焉の地に立つ。

 これからの問答も知っている。

 それでも……。

 対して冬の王は、幾年を重ねても純な存在だった。

 それは彼が毎年違う、新たな者であるから。彼は彼であって、彼ではない。

 毎年毎年、新なる者。

 しかし毎年毎年、同じ愚を犯す。

 死するために、というように。

 心に住まうもののために。

「そなたは誰じゃ」

「知っておろう?」

 皮肉。

 赤く濡れた唇を歪ませる。

「いや……知るはずがない。その身は白いが、お前は我が眷属ではない。“春の君”に許され、“夏の将”と共にし、“秋姫”の収穫を待ち望むもの。そうだろう?」

「ああ。そして、“冬の王”に抱かれて眠るもの」

「やはり野山のもの……白い痩身、赤い口……白蛇の化身といったところか?」

「よく、わかったな。そう、われは白蛇」

 王は興味を無くしたかのように目を反らした。

「ならば歌うがよい。他の者と、春を讃えればよい」

「ああ、そうだな」

 しばし女は森を見渡した。

 ここもすぐに春の支配下となるだろう。

 木々は萌える芽を吹き、獣たちの息遣いが聞こえだす。

「苦しいのではないか?」

 王が身を起こした。

「その身の内が、熱く焼かれるように」

「何故?それが分かる?」

 女は答えない。

「ああ、そうだ。内から焦げるようなこの熱さ。春の熱にやられるのなら、外からのはず」

 哀れな冬の王。白蛇はしゃがみこみ、冬の王のその頬に触れた。

 王はびくりと身を震わせ、後ずさろうした。

「触るなっ」

 手を払いのけようとする。

「身を焦がす炎は、いつから?」

「そう……あれは……」

 王は目を瞑った。脳裏を一人の少女の顔がよぎった。

 ただの平凡な村の娘だ。格段、見目が麗しかったわけでもなく、上等な着物を着ていたわけでもない。 むしろ痩せこけた身体に擦り切れた白い着物を纏っていた。

 少女は両手を組み、震えながら冬の王の前に跪いた。まだ幼さの残る顔に恐怖の色を浮かべながら。

「あの時からだ」


 ある朝のことだ。

 赤に黄にと色とりどりに色づいた葉をすべて落とし、荒れ狂う吹雪で山のすべてを白一色に染め上げた冬の王は、その日、降らせていた雪を久々に止ませた。

 鈍く光る太陽に、地が白銀に輝く。その様に気を良くした冬の王が、己のために人が立てた社でくつろいでいると、一人の少女がいまにも倒れそうな足取りで歩いてきた。

 始め、王は眉を潜めた。この数日で山間のいくつかの村を雪に埋もれさせてきたが、少女からはまだ王が白に染め上げでいない、麓の村の土の匂いがしたからだ。

 少女はよたよたと王に近づき、霜焼けで赤くなった手を雪の上について、頭を垂れた。

 王にはそれも気にくわなかった。赤は冬の色ではない。

 せっかくすべてを白に染め上げたのに、赤い手でそれを汚すとは。

「お、おうさま、ふ、ふゆのおうさま」

 少女は微かに聞こえるような小さな声で、王に呼びかけた。

「私のような卑しいものが御身の前に姿を現すことをお許しください」

 早口で聞き取りづらい声だったが、道理はわきまえているようだった。

「許そう」

「あ、りがとうございます」

 ひれ伏したまま、感謝の言葉を述べる。

 せっかく、謁見の機会を与えてやったというのに、少女は嬉しそうではなかった。

「おうさま、お願いがあります」

「なんだ、申してみよ」

「これ以上、雪を降らせるのをやめていただけないでしょうか?」

「何だとっ!」

 声を荒げた瞬間、少女に向かって激しく冷たい風が吹き荒れた。

 少女はガタガタと震えながらそれでも、風に負けじと大声で叫んだ。

「私の村を埋もれさせないで!そのかわり、私をお好きに扱って構いませんから」

 少女の言葉に何故、少女が社に来たのかを理解した。

 人はどうにもならない自然災害に対して、災害を鎮めるために生贄を神に差し出す。

 生贄になるのはその災害の規模にもよるが、生娘であることが多い。

 この娘もまた、生贄なのだ。

 おそらく生娘で、家族もなく、思う者もいない、居なくなってもなんの問題もない娘。

「村の者に言われて来たか」

「え?」

「そなた、われに差し出された生贄であろう?」

「は、い……作用でございます」

「われにそんな趣味はない、帰れ」

「そんな……」

 しかし、少女は帰らなかった。

「困ります」

「村に居場所がないか。ならばそんな村、雪で埋めてしまおうか」

「駄目ですっ!お願いです、雪を降らせないで」

「何故だ。村がどうなろうが、そなたは死ぬ。ここへ来たのだって、そなたの意思ではないだろう」

「いいえ、私の意思で来ました」

 これは稀有なことを言う。

 冬の王は珍しいものでも見るかのように、少女をまじまじと見た。

 身体はぼろのようで今にも息絶えそうだったが、よく見るとその瞳は死んでなどいなかった。恐怖の先、その奥には芯のしっかりとした意思の炎が燃えていた。

「村に、弟がいるんです……とても頭のいい子で……たった一人の家族」

 少女は、ぽつりぽつりと自分のことを話した。

「でも、お金がなくて、弟に十分に学ばせてあげられなくて……」

 話始めると、少女から王に対してあった恐怖が段々と薄れていくのがわかった。反対に瞳の奥の炎が大きくなっていく。

「そんな時、領主さまが生贄になってくれたら、弟の身は保障するって。学を身につけさせてくれるって」

 少女の瞳がきらきらと輝く。

 少女の表情、仕草に目が離せなくなっていた。それは一瞬の出来事だった。

 不思議だった。

 さっきまで怯えていた少女が、今ではその欠片もない。

「どうか、お願いします。村をお救いください」

 冷たい雪に額を付けて、ひれ伏す少女。王は立ち上がり、少女に近づいた。

 その気配に少女が気づき、顔を上げる。王の美しい顔がこちらを不思議そうに見ている。

 王の白い手が少女のおとがいに触れた。

 人ではない体温のない冷たすぎる手に、少女が震えた。

 冷たさ以外に感じない手。

 少女のおとがいは暖かかった。

 頬に手を這わせるとさらにそれは温度を増した。

 嫌な温度。でも、離さない。

 彼女の、どうしても惹かれてしまう内なる炎の正体を知りたかった。

 両手で頬を挟む。

 暖かさが手から伝わる。

 少女の細い身体を抱きしめる。

 と、突然、焼けつくような熱が冬の王の全身に伝わった。

 溶けてしまいそうな熱。その中に生き物であるということ以外、感情の熱が混ざりあっていることに王は気づいた。

 少女の思い出とともに、熱い感情が波のように押し寄せる。

 弟への思い。世に対する、村に対する理不尽な思い。小さい頃の微かな両親の記憶。そして、弟への希望。

「あ……」

 王の腕の中で、か細い声が上がり、突然重みが増した。

 見ると少女が目を開けたまま、首をくたりと垂れていた。

 あんなに熱かった熱が次第に、冷めていく。

 瞳の中の炎も、少女の命も消えていく。

 少女の身体が冬の王の冷たさに耐えられなかったのだ。

「なんだ、これは……」

 もう何も話さない、動くことの無い少女を抱きしめたまま、王は茫然と座り込んだ。

 ただ、王の胸中にほのかに暖かな何かが残った。

 目から水が流れ落ちる。

 何かが、身から溶けだした。

 

「そう、あれからだ。熱を持たぬ、われの身体が熱い」

 陽の光に手をかざし、冬の王は眩しそうに言った。

「どんなに周囲を凍らせ、雪を降らせても、この熱は消えぬ。緩やかにそれはわれの中でくすぶっている」

「辛い?」

「いや……それが……辛いのか、よくわからぬ……」

 手を下げ、瞼を閉じる。少女の顔を思い浮かべた。

「これは、あの少女のせいなのか?」

 あの時、流れてきた少女の感情が、こうも己の内でくすぶり続けていることに、王は戸惑っていた。

「熱い……が、この感覚は、悪くはない。ただ……」

「ただ?」

「もう一度、あの少女と……」

 王の呼吸が浅く、緩慢となっていく。

「本当に愚かな王。内に灯るその熱が、少女の感情だけだと、その身が溶けかけても、なお信じて疑わない」

「な、に?」

「植え付けたのは、その少女の感情かもしれない。だが、それを育ててしまったのは、王自身」

「われが?」

「あの少女と話がしたいのでしょう?」

 冬の王は無言で頷いた。

「あの少女を死なせてしまったことに、悔いがあるのでしょう?」

「……そう、なのかもしれぬ」

「あの少女にまた会いたいのでしょう?」

「ああ、そうだ」

 王の顔が切なげに歪んだ。ひとときと会ってない少女だというのに、そばにいたいと思ってしまう。願う度に、内なる熱が熱さを増す。

「それはもう、少女のものなどではない、王自身の思い」

「思い?」

「人が、この世の春と呼ぶもの」

「はる……」

 女の言葉を聞いた瞬間、王はクツクツと笑いだした。

「冬の王が、その身に春を宿すとは、何と滑稽なことか」

 その声には何処か吹っ切れた声音があった。

 女の顔を見上げ、言葉を続ける。

「それでは、冬の王とはいえぬ」

 己の否定と、春の肯定。それは、冬としての矜持を失うことだった。

 瞬間、王の右腕がごそりと落ちた。それはあたかも春の陽気で屋根から落ちたひと固まりの雪の如く。

「そうか、そうだな。われはもう冬の王ではいられなくなる」

 白い肌がいっそう白さを増し、きらきらと光りながら、透き通っていく。

「しかし」

「しかし?」

「それも、悪くない」

 苦しそうだった王の顔に、安らぎが浮かんだ。

 再び目を閉じる。

「春に、溶けるのが、こんなにも辛いとは。そして、こんなにも心地良いものだとは、思いもしなかった」

 ああ、これが春か……。

 王の心は、春で満たされた。

 

 目の前で冬の王が溶けていく様子を女は静かに見守った。

 四肢はすでに無くなっていた。あった場所は水たまりとなり、かさが増すと、小川の方へと流れ出した。

 もう口を開くこともままならないのか、冬の王は何も語らず、何も見ない。じっと消えていくのを待っていた。

 女は王の胸に手を当てた。赤々とした光が王の胸に灯り、一匹の白蛇が顔を出した。

 それをためらいなく引き抜き、口から呑み込む。

 すると女の顔がみるみる若返っていき、身長も低く、身体の肉もそぎ落とされていった。痩せこけた身体に、まだ幼さの残る顔。それは、冬の王に抱きしめられ命を落とした少女の姿だった。

 少女が王に吸い取られてしまった熱・感情、それに混ざりこむように王の心が、再び少女の身体に流れ込む。

 痩せこけた少女が王の前に立つ。

 あのとき……。

 少女に触れようとした時の冬の王の顔は、何も知らぬ赤子のようだった。

 純真無垢に、不思議そうな表情を乗せて。近づくその手は表情とは反対に氷の冷たさ。

 そこに少女は雪のように真っ白だが、何もない空虚な王の心を見た。

 何もないから無垢という白さが保てる。しかし何もないのは喜びもないに等しい。悲しさも知らないが、嬉しさも知らない。

 人のようで人ではない美しい面差しに、何も満たされることのない虚空に、無知の純真に、少女は惹かれてしまったのだ。

 抱きしめられ、何もない心へ熱・感情を吸い込まれてしまった時も、少女は弟のことなど心の隅に追いやっていた。彼の心を満たすことができるのなら、すべてを吸いつくされてもいいと思ってしまった。

 村の者たちからいらぬものとして扱われ、放りだされた私。

 何もない心に、そんな私という存在が住みつくなんて、なんと幸福なことだろう。

 今、安らかな表情で死を迎えようとしている彼の中には、少女がいるだろう。

 もう、会えなくなるのは悲しいが、死の際で自分のことだけを思い続けてくれることに、喜びを感じてしまう。

 歪んだ感情。

 これが、春か?

 苦々しくも、甘美な恍惚が胸をいっぱいにする。

「本当に愚か……」

 少女の目から涙がこぼれた。

 光に透けて、形を保てなくなりつつある冬の王に顔を近づけ、そして……

 霞みに変わる前に、少女はそっと王の唇に口づけた。

 

 小鳥が囀り、木々が芽吹く。地では残雪の中、ふきのとうが顔を出す。

 うららかな日差しにさらされながら、一匹の大きな白蛇が這っていた。

 白蛇は神の使いだという。

 また、ある地方では死んでいった魂が具現化した姿だとも……。

 これは毎年の光景。

 生贄の娘は冬の王に抱かれて白蛇の化身と混ざりあい、冬の王は恋を知り春に溶ける。


 今年もまた、春が来た。


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― 新着の感想 ―
[一言] 冬と春=死と再生のモチーフがイメージ豊かな文章で綴られて、とても美しい話に仕上がっています。 適度に散りばめられた比喩も効果的です。 良い話は余韻が残るものです。このお話もじんわりときます。…
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