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よるの帳  作者: 翠
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起死


青白い光に満ち満ちた空間。


上も下も、右も左もないその不思議な空間は一定の方向に何かが流れていて、生まれたままの姿のおれは手足の力を抜いて流れに身を任せ、浮遊していた。


どのくらいそうしていたのだろう。思考はやけにはっきりしているのだが、不安とか恐怖とか、そういうのがない。いつもの自分の部屋にいて、見慣れた柄の布団に埋れてまどろんでいるような安心感。寝起きのようなかすみがかった意識だ。


そして流れ着いた。景色は変わらない。流れが止まったのが肌で感じられた。



視線の端になにかが写った。ゆっくりと視線を向ける。いたのは美しい男の人だった。中世的で髪が長くて、RPGのキャラみたいな装飾が身体中に施された豪勢なものを着ていた。その服は西洋だけでなく、日本的な色使いも感じた。その人もおれを見ていた。


その人は完璧に人間なのに、何故か「ああ、この人は狐だ」と思った。理由は分からないが、この人は優しい狐なのだろうと心の中に確信のようなものが生まれていた。


狐の指がゆっくりとおれを頬を撫でた。


おれはまた、眠りに落ちた。






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