きみとぼくと幼馴染みという関係性。
「あいしてる、」
隣にいる沙耶の突然の発言に、飲んでいたオレンジジュースを噴き出しそうになりあわてて口を押さえた。なんと言う奇襲だ、冗談も大概にしろ、まったく。
「・・・今度はなんだよ。」
今まで何度も、この手を喰ってきた。当然僕にだって、純粋だった時期というのがあるわけで、初めの何度かは騙されて大変に恥ずかしい思いをしたのだ。つまり、何も最初から信じずに流してきたわけではなく、流せなかったとも言える。彼女が冗談のつもりでも、僕は冗談と受け止められないのだ。何故か?そんなの、僕が彼女を好きだからに決まってるじゃないか。
「って台詞は、逆に軽く聞こえるのよねぇ。」
ほらみろ、もうその手の冗談には耐性がついてきたんだ。今となってはクラスの女の子に告白されても何かのドッキリかと思うレベルだ。僕を甘く見て馬鹿にしていると、こんなに恋愛感情に疎くなるんだぞ。・・・悲しくなんかないさ、なにしろ僕が好きなのは目前にて思案する彼女、一人なのだから。
「そーか?気持ちがこもってれば良いんじゃないの?」
おまえ面倒くさいね。
「そーか?って。真樹は男のコだからなぁ・・・」
女なら共感してくれるのになぁ、これだから、と言った彼女に唇を尖らせる。
「あ、そう。じゃあ女友達にでも訊けば。」
どーせ女じゃないっつの。っていうか、そんなの一々気にしてられたら僕はとっくの昔に沙耶に告白している。
「・・・・・」
「・・・行かないわけ?」
その場に座ったままこちらを見て、また何か考え出したらしい彼女に、やや喧嘩腰に問いかける。
本当に女友達のほうへ行ってしまったら後悔するくせに、なんというか、我ながら女々しい限りだ。
「うん。真樹が怒っちゃうみたいだからね。」
「・・・ふぅん。」
しょうがないから、喧嘩腰はやめよう。というか、ちょっと嬉しくて怒れない。目を逸らしボールペンをくるくると回していると彼女は僕の正面の椅子に腰掛けてもう一度こう言った。
「あいしてる。」
「・・・・・・その手は喰わないってば。」
目を見て言われたのは初めてだったので少しあせったが、なんとか手元のボールペンは落とさずに済んだ。
「え、気持ち、こめてみたのに。だめ?」
駄目なわけありますか。むしろ駄目だって、これは罠だ、心を揺さぶられつつあるなんて、気のせいだ。
彼女に限って、ありえないんだから。
「だーめ。」
「けちー」
なんて言った、この女。やっぱり罠じゃないか、本当にタチが悪い。
「純情な少年をからかうもんじゃありません。まったく。」
「純情な少女の本気の告白を何十回もスルーしといて、それ言う?」
「いや、純情じゃないじゃん、絶対信じないからな、僕。」
「BOO!!」
「女の子がそんな手つきしちゃいけません!」
「ち、女だと思ってないくせに。」
舌打ちだと!?
しかもなんだよ、その台詞は。
「・・・女だとは思ってるけどさぁ」
「うそだぁ、絶対信じないからね、そんなの。」
「どーぞ御勝手に!」
ああ、また喧嘩っぽい感じに。
元はと言えば、沙耶が小学生の時に悪戯に告白なんかしてきたのがいけない。僕はそんなに小さな頃から彼女に振り回されてきたのだ。人間不信ならぬ沙耶不信にもなる。
「もぉぉ、真樹なんかには二度と告白しませんからね。」
「今まで勝手に言ってきておいて横暴だなぁ!」
仕舞いには泣くぞ、さすがの僕も。
「・・・・・・・」
「なんだよ。」
「しょうがないなぁ、もう。」
「なぜ僕が悪い流れに・・・」
漫画で表すなら間違いなく「影が差した」感じになっている僕に、彼女は今日三度目の告白をした。
「だから、信じないってば。」
「嬉しいくせに。」
「嬉しくなんか、ありません。」
「ま、そういうことにしといてあげるわ。」
でも告白は本物だから、答えてくれるまでしてあげる。
そう言って席を立つと、またしても悪戯っぽく笑みを残して彼女は立ち去った。
・・・・絶対、からかわれてる。そう思いながらも、その変な習慣が無くならなくなったことに少し安心してしまった自分を軽く戒め、僕は彼女が隣に来るまでそうしていたように、校庭が見える窓の横にあるこの席で居眠りを再開したのだった。
初のupということで。はい。
・・・フリーだと何も話せません。
だけど後書とか結構読むの好きなタイプなので書きます。
二人は本当に両想いです。ほぼカップルです。
ああいう友達っぽいのがもやもやして好きです。
カップルは無闇にいちゃいちゃせずに少しのんびりするべきです。
・・・あたしの持論ですが。
つぎはノンフィクションにしようかな。と。
思ってるだけです。やるかは別です。未定です。
こんな私語苦手な作者ですが、気に入ってくれたらいいな。
では、これからどうぞ、よろしくお願いします。




