第三話 隠し通すと決めた
皆様こんにちわ。BGM部です。
『白雪姫の赤い糸』第二話目になりますが、
今回は、話の内容的には
『見なくても話しは分かるが、見なくては分からないモノがある』
という感じ・・・
になっていれば、幸いです(^ω^誠)
――決して叶わない恋
私は、林檎への気持ちを恋だと認めた。
というよりも認めざるを得なかった。
こんなにも愛しく想うのに、恋でなければ私は一生恋をしないだろう。
しかし、隠してきた。隠し通してきた。
隠さなければならない。と心に誓ったのだ。
「赤糸さん?次の時間移動教室なんですが、案内して頂けませんか?」
授業と授業の合間の休み時間。
林檎が話しかけてくれた事が予想以上に嬉しかった。
「赤糸さん!良ければ一緒にご飯を食べませんか?」
食堂に向かおうとしていた私を呼び止める林檎。
林檎の作ったお弁当は可愛くて、美味しくて、毎日食べたいと思った。
「部活、何に入りましょう・・・」
私と同じ部活に入りなよ!!
言いたくてしょうがない自分と言いたくない自分がいることに気づいた。
「幼稚園の頃はすごく泣き虫だったんですよ」
昔話を楽しそうに話す林檎を見て、すごく悔しかった。
知らない、まだ私が出会っていない林檎がいると思うだけで。
「赤糸さん、一緒に帰ってもいいですか?」
帰り道、石につまずきそうになる林檎を、一番近くで支えたいと思った。
差し伸べた手は届かなかった。
自分がどれだけ林檎が好きなのか。
自分がどれだけ林檎にこの気持ちを伝えたいのか。
すごく分かった。痛いほど分かった。
でも絶対に許されない。
愛することも、伝える事も、許されない恋。
一緒に居たければ隠すしかない。
嫌われたくなければ隠すしかない。
絶対に隠し通そう。
きっと辛い。きっと苦しい。
でも心に決めた。心に誓った。
――決して叶わない恋
――――隠し通すと決めた
第三話、いかがでしたでしょうか?
前書きで宣言した話しになっていれば、幸いです(^ω^誠)ノシ