第二話 決して叶わない恋
皆様こんにちわ。BGM部です。
今回は、せっかくの初恋なのに叶わないと強く自覚してしまう、笑いが弱い話になっています。
それでも最後まで読んでくだされば嬉しいです(^ω^誠)
――初めて恋をした
「あ~あ!林檎ちゃん、すごい人気だね~」
そうぼやいているのはいつも私の傍にいる坂島 美樹だ。
「愛~。友達とられるよ~」
「とられるって・・・」
私の周りはいつになく静かだ。人が数人しか集まっていない。
それと引き換えに、林檎の席が大盛況。
確かに、あんな可愛い娘が転入してきて、男女ともに放っておく訳がない。
「愛は挨拶に行かないの?」
「行かせないよ!愛の方がずっと可愛いんだから!!」
「美樹、意味わかんないよ。それ・・・」
挨拶に行きたい気持ちは山々なのだが・・・
その・・・
無理だ・・・///////////////////
「でも、行くか!私は後ろの席だからとっくに挨拶したけど、愛まだでしょ?」
「え!?」
「学校一の美少女として一発さ!愛、嫌なの?」
「いや、そういう訳じゃ・・・」
確かに行かない理由はない。
いや、あるにはあるが・・・言えない。
「あ、もしかしてさっきの言葉、真にうけてる!?大丈夫だよ~!私はずっと愛派だからさ!」
「愛派って・・・」
「愛の方がずっと可愛いよ!林檎派に負けるな!!」
「戦う気ないよ・・・?というか、白雪さんの方が可愛いし、戦っても負けるだけだよ」
本当に可愛い。
戦うつもりなんかはもともとないが、あったとしてもすぐに降参するでしょ。
あれじゃ、勝てない。
「またまた~!愛だって自分の方が可愛いと思ってるくせに~!」
「いくらお世辞でも、愛より可愛いは言いすぎだよ~」
「ね!」
「・・・え?」
「『え?』って、まさか愛、本気で言ってたの~?」
「生徒全員にアンケートとったら、少なくとも80%は愛派だよ~!」
「愛はもっと自分の可愛さを自覚するべきだよ!!」
そんなもんは物心付いた時からとっくにしてる。
でも・・・嘘でしょ?
いくら人の価値観が違うからって・・・林檎の方がずっと可愛い。
ていうか、私、あんな可愛い子見た事ないよ?
・・・そういえば前・・・
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「本当さ~拓未君マジかっこよくない?」
「え~?どこが~?樹のほうが絶対良いって!」
「そっちこそないべ!」
「やっぱ自分の好きな人はかっこよく見えるのかな?」
「だね~」
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これか!
これが恋のマジックというやつか!!
なるほど・・・
「ちょ、愛?早く行こうよ!!」
「え?あ!うん」
美樹は私の手を引きながら人だかりに連れて行く。
ちょ、心の準備が・・・!
「林檎ちゃん!」
「あ、坂島さん。と、えっと・・・?」
「こんにちわ。赤糸 愛っていいます」
「愛、硬っ!!なんでそんなに緊張してんの!?」
隣でなんか大爆笑してる美樹。死ね。
そりゃ緊張もするわ。
「赤糸 愛・・・。こんにちわ。とても、可愛いですね」
「だべ?!なんたって学校一の美少女だかんね!」
なんでこいつが返事をするんだろう。
「ありがとう。白雪さんこそ、すごく可愛いよ・・・?」
「白雪さんなんて、林檎でいいですよ?」
「え!?あ、うん!・・・『林檎』」
そう言うと、林檎はクスッと笑い、私の目を見て
「はい。なんですか?赤糸さん?」
ニコっと微笑む林檎・・・っ!!//////////////////////
可愛い。本当に。
こんなに人を愛しく思ったことなんかない。
でも・・・
「赤糸さん・・・?どうしました?」
分かってる。
叶わない。
隠さなきゃ。
嫌われる。
「なんでもないよ!」
――初めて恋をした
――――決して叶わない恋
第二話いかがでしたでしょうか?
読んでいて共感出来たなら幸いです(^ω^誠)ノシ