魔法書を探そう!
「私にはお嬢様がそんな悪い人に見えないのです。」
私は少しびっくりした。だって、私の噂は悪いものばかり。きっとラミもいやいややってきたんだろうと思っていたから。
「ありがとう。でも…私は嫌な人だって言われているんでしょう?どうして、そう思ったの?」
ラミは、俯いてメイド服をギュッと握りしめて言った。
「お嬢様が、本当に怖い人なら私が来た時にもっと嫌そうなお顔をなさると思います。でも、お嬢様は嫌な顔なんてせず、私に紅茶を入れてくれたりしてくれました。そんな人が、悪い人だなんて思えません。」
「…とっても嬉しい!ラミ、うちあけてくれてありがとう!」
素直に嬉しかった。今まで、心の底から私を怖くないと言ってくれる人なんてほとんどいなかった。ラミに満面の笑みを向けると、ラミは少し恥ずかしそうに横を向いた。
「あ、あの…それで、お嬢様が私を呼んだわけは何ですか?」
「あのね…お屋敷に、魔法書がないか探して欲しいの」
「魔法書…ですか?ですが、今日このお屋敷に来た私より、お嬢様の方がよく知っているのでは…」
ラミがそう思うのは当然だ。けど、私は自室から出ることを許されていない。だから、食事も入浴も全て自室で済ませていた。
「わたし、部屋からほとんど出たことがなくて…」
「そうなんですね…分かりました!お嬢様に代わって私が探してきます!」
ラミは胸を軽く叩いて笑顔を浮かべた。
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数日後。ラミが部屋に来た。
お茶をすすめて2人で座る。お菓子を頬張りながら結果を聞いた。
「えーっとですね…魔法書などの蔵書は、全て旦那様のお部屋に置いてあるそうです。」
「お父様の部屋…分かったわ。ありがとうラミ。」
お父様の部屋は、私の部屋から一番遠い、屋敷の最上階にある。普通に入らせてくれるわけがないので、何か策を考えなければ。
…忍び込むのが手っ取り早いかな。さっき、メイドたちがお父様が出張に行くって言ってたし。その日に行けば…
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その日の夜、私は誰にも見つからないようにこっそりと部屋を出た。ラミがくれた、ランタンのようなものを手に廊下を進む。
やがて、一際目立つ重厚な扉が見えてきた。おそらくここがお父様の自室なのだろう。力を入れて扉を開けると、びっしりと本が並んでいた。
魔法…魔法書…あった。一番上に隠されるようにして並べてある。一番上は取りにくいな…
やっとこさ手に取ると、ずっしりと重たかった。少し埃をかぶっており、表紙に「魔法について」と書かれている。
私はこそこそと自室に戻り、その本を読み始めた。




