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最終章:恋に落ちた悪役令嬢
学園の卒業式。
私は、ミシェルと笑い合い、王太子とも礼儀正しく挨拶を交わした。
誰も、彼女が悪役だったことに気づかない。
校門でセシルが、花束を手に私を待っていた。
「やっと、君の隣にいられる」
「でも、本当にいいの? 私、運命に逆らうような女よ?」
「なら、僕が君の運命を書き換えてみせる」
私達は、学園の鐘の音とともに、手を取り合った。
私は、もう悪役令嬢ではない。
ただ、恋を知った、一人の少女だった。
悪役令嬢は恋に落ちたくない。
でも。
恋は、いつだって、避けられないものだ。
THE END