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おまけ ケーキが綺麗に六等分 やっぱ六つ子でよかったー

パパっと書いた短編です。ぜひ最後まで

去年のクリスマス


「わぁ! ホールケーキだ!」


 くろきは買ってきたケーキを覗いている息子たちに笑顔を向ける。


「しゅうがクリーム苦手だからタルトケーキにしたよ。パパは着替えてくるからケーキを切っていてね」


 そう言って階段を上る父を六つ子は見つめる。


1「お父さんやさしー」

2「俺が昨日悪口言ってたのも聞こえてなかったのかも」

3「おいしそー!」

4「早く切ろ」

5「六等分だから簡単だね!」

6「ねー」


 長男しんが包丁を取り出す。次男しんやに包丁が渡り、彼は包丁を持ちながら五男しゅうやと末のしやが箱からケーキを取り出すのを待っていた。

 ケーキが出されると全員が唾を飲む。すごくおいしそうだ。


「じゃあまず半分に切っていくね」


 しんやは緊張した声でケーキを半分に切る。


「ケーキ入刀!」

「だまって。しゅうや兄さん」


 綺麗に半分にされたケーキは半分を三つにカットされた。


「よし! 六等分」


 しんやはやり切った顔で包丁を置く。


「綺麗に六等分できたね! やっぱり六つ子でよかったー」

「そうだな! 俺たちサイコー!」


 しんやの声に長男が続く。それに合わせるようにしゅうやがハイタッチを求めてきた。


「イェーイ!」


 しゅうやはみんなとハイタッチをした後満足そうにうなずいた。

 しゅうは何が目的? と聞きたかったが、突っ込む気分じゃないのでスルーした。


「お皿出そ」

「うん」


 しゅうとしゅうとは棚からケーキ用のお皿を六つ出す。

 お皿にケーキが一つずつ置かれる。


「よし! みんなで食べよう! せーの、いっただっきまー……」

「上手に切れたかい?」


 二階からお父さんが下りてくる。

 みんなが目を見開く。

 きっと同じことを思っただろう。


 六等分したケーキ。お皿に一つずつ置いていけば分かっていた。なぜ気づかなかったのだろうか。


……お父さんのケーキ、ない!


 しゅうはこれほどまでに焦ったことはない。


「ん? どうしたんだい? 私のお皿は出してくれなかったのか?」


 台所に近づくお父さんをみんなして止めたい!

 けど、いつかはバレる!


「あのっ! お父さん!」

「ん? なんだね?」


 しんやが父の前で止まる。


「今から一緒に勉強しません?」


 ……バカなしんやが勉強に誘ってくれるだと!?


 くろきは一瞬でも喜んでしまった自分を恥じた。


「……私のケーキはないのか?」


 つい呟いてしまったことも。


 兄弟全員、申し訳なさそうにくろきの前に来てくれる。


1「ごめんさい、お父さん」

2「ほんとにすみませんでした」

3「うぅ、僕が気付いていればパパのケーキはあったのに」

4「ごめん」

5「僕のケーキの残りあげる」

6「ごめんなさぁい」


 くろきは泣いてまで謝ってくれる息子たち全員のおでこにキスをする。


「いいんだよ。こうしてみんなを抱きしめられるのがパパのクリスマスプレゼントだ」



その日の夜

みんなの部屋には各自のクリスマスプレゼントが届いていました。



しゅう しん

「しゅうって、サンタさん信じてる?」

「いきなり何? しん兄さんがそういうこと聞くなんて」

「いいから答えろって」

「信じてないけど」

「え!? 信じてないの!?」

「ん? うん」

「俺は信じてる。だって毎年来るもん」

「ふーん。でも真夜中まで起きてるとお父さんと目が合うよ。毎年」

「は? なんで?」

「いや? あ、あと、十四になってまでクリスマスプレゼント頼んでる方もおかしいよ」

「お前もじゃん。今年はなに頼んだんだよ」

「スマホケース」

「へー」



しゅうと しんや

「クソ兄さんって、サンタ信じてるよね?」

「なぬ? サタンか。信じてる……」

「話にならん」

「ん? なんか言った?」

「……」

「幻聴、いや、屁……か?」


しや しゅうや

「プレゼント何来たー? しゅうや兄さん」

「僕? ゴッチの財布」

「あ……ちゃんと頼んでるんだ」

「しやは?」

「化粧品ボックス」

「へー」

次回 シークレット・デート♡

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