第二十四話 恋のから騒ぎ
「だーかーらー! 振られたの!」
「え?」
「ゆうひくんに振られたの!」
屋上。
三神しゅうはお昼休みに学園のマドンナである空上にじに誘われ、お弁当を一緒に食べていた。
「えーっと、にじちゃんがゆうひさんを好きなのは知ってたけど……振られた?」
「そう! 振られたの!」
顔を赤くして怒りを露わにするにじはお弁当箱を開ける。
「学校一かわいいにじちゃんも振られるんだね。まあ、相手がゆうひさんなら仕方ないけど。あの人、そう言うの興味なさそうだし」
しゅうは父が作ってくれた卵焼きを食べながらにじの話を聞く。
「中学からゆうひくんとずーっと同じクラスで、高校になってからも同じになったの。で、他の友達が運命だよ、って言ってくれたから思い切って告白したの。
ゆうひくんのこと、ずっと……好きだったから」
にじは頬を赤くして箸を置く。
しゅうはそんなにじを見てため息を吐く。
「そっか。今から告白するとかの相談なら乗れたけど……。もう振られてるなら僕にできることはないよ。友達のかなめちゃんに相談したら? 慰めてくれると思うよ」
しゅうは屋上の入り口を指差す。そこには黒髪の女の子、かなめがいた。にじの友達だが、狂信的なファンでもある。
きっと今頃にじとしゅうで昼休みを過ごしていることに嫉妬し、しゅうの殺し方について考えているはずだ。
「うーん、かなめちゃんはダメなんだよね」
にじは眉を下げて少し笑う。
「かなめちゃんはわたしに恋愛をしてほしくないみたい。だからこの事も一切話してないんだ、だからしゅうくんに相談してるの。しゅうくんはわたしのこと、好きじゃないもんね?」
にじは上目遣いでしゅうを見つめる。
……うっ、油断したら好きになりそう。
しゅうは手で顔を覆ってにじから目を背ける。
「うん。好きじゃないよ。友達だと思ってる」
しゅうはにじに笑顔を返し、あ、と口にする。
「どうしたの? しゅうくん」
しゅうは戸惑う。
「いや、謝りたくて」
「ん? 何のこと?」
にじは首を傾げる。
「ほら、また僕の兄弟がにじちゃんに告白したみたいで。ほんとにごめん」
しゅうは頭を下げる。
にじは「いーよ、いーよ」と苦笑する。
「わたし、1日に何回も告白されるから、五人減ったところで何も思わないし」
純粋な笑みを浮かべるにじにしゅうは恐怖を覚えた。
……1日に何回も? 五人減ったところで?
学園のマドンナ、恐るべし。
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