第十八話 相談は学校一の美少女に
六つ子たちの学校の昼休み。鐘がなった瞬間兄弟たちから逃げるように席を立ち、一人の席へと向かった。
「にじちゃん、だよね。僕、三神しゅう。三男の」
「わあ♡六つ子の三男くんがどうしたの」
しゅうの言葉に上目遣いで返すにじ。彼女は整った容姿をしていた。
「放課後時間ある? 少し相談があるんだけど」
「あ……わたし、放課後はかなめちゃんと予定があって。だめなの。今はどう? しゅうくん♡」
……さすが学年一の美少女! オーラがすごい!
しゅうは目を守るためサングラスをする。そして目の前の少女に頭を下げる。
「ありがとう、にじちゃん。でも教室で話すのは……」
「いやだよね。だって恋愛相談でしょ♡」
しゅうは目を泳がせながらこくりと頷いた。
「じゃあ今から友達に断り入れてくるから、しゅうくんは先に屋上行ってて♡」
「う、うん」
にじはそのままかなめちゃんグループの机に話に行った。
~なぜしゅうが学校一の美少女に相談などをすることになったかというと、時はホームルーム前に遡る~
「おはよう、ゆうたくん……とゆうひさん」
「おはよー。しゅうくん。って、どしたの。そのクマ」
「眠れなかったのか?」
しゅうの顔を見るや否やゆうたは目を見開き、ゆうひは顔を顰めた。
「そうかな。誰にも言われなかったけど」
しゅうは自分の机にバックを置いてゆうた達の机に向かう。
「眠れないぐらいのことがあったの? 相談なら乗るけど」
「いや、いい。友人関係を壊したくないから」
「……そっか? あ、恋愛関係?」
しゅうは頷いた。ゆうたはそれを見て少し考えてしゅうに耳打ちした。
「恋愛相談ならあそこにいるにじちゃんにするといいよ。なんだってにじちゃんは学校一の美少女だからね」
ゆうたは窓際の一番前の席を指差した。
~そんなわけで現在~
「えーっと、しゅうくんの相手を聞いていい♡? 名前は言わなくていいから、これまでどんなことがあったとか、年とか、その人の性格とか」
しゅうはどこまで話そうかと考えたが、考えるのがめんどくさくなり、すべてを話すことにした。
「相手は、男の人なんだ」
「ふーん♡」
「年齢は……三十歳」
「年上なんだぁ♡」
「小さいころから一緒にいる人で、この前、初めてキスした」
「えー! いいね♡」
「今までデート(?)は一回したことがあって、キスは……何回も」
「うんうん♡」
「でもこの前、急に海外に逃げられて」
「???」
「僕も行ったら、その人は、他の人と、キスしていたんです。だから、僕のことは何だったんだろうなって」
「それが相談内容か……。悲しかったね。その人のキスの相手は男性?」
「いえ、女の人でした」
にじはお弁当を食べる手を止めた。
「しゅうくんたちは、付き合ってるの?」
しゅうもパンを食べる手を止めた。
「いいえ、その話をしてた時に逃げられました」
にじは箸をおいた。
「もう一回聞いてみたらどうかな。答え、出してくれるかもしれないし。ね♡」
「そうだ、ね。聞いてみる」
しゅうは決意してまたパンを食べ始めた。
にじはそれを見ながら「ふふっ」と笑った。
「なあに?」
「いやー、他の五人にそっくりだね♡」
しゅうは眉間にしわを寄せる。
「ほかの五人と面識があるの?」
「もちろん。クラスメイトだからね。あと、五人に一斉にプロポーズされたから♡」
……なにしてんだ、あいつら!
「ごめんね。うちの兄弟たちが」
「いいの。いつものことだから♡」
……学校一の美少女、恐るべし!!
「あの……ちなみに告白の返事は?」
「もちろん、断ったよ♡」
……学校一の美少女やべーーー!!!
次回 MR. MERCEDES-BENZ




