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第十五話 嘘とNY 後編

「説明しろよ。俺たちには二千歩歩かせて自分は彼女とイチャイチャ? ふざけんな!」


 しゅうとは向かいのソファーのくろきに罵声を浴びせる。


「しゅうと、僕たちは自分たちから散歩に行ったよ? しゅうともでしょ?」


 しゅうがしゅうとをソファーに座らせる。


「じゃあなに? しゅうは怒ってないの? 二回目だよ? 信じられない」


 しゅうは必死にしゅうとの口を押さえる。くろきとサングラスの彼女のほうを見ると「?」みたいな顔をしている。


「二回目って? カフェにもいたの?」


 くろきはしゅうとが話してくれないだろうと最初からしゅうに聞く。しゅうは少し目を逸らしたがくろきの圧に逆らえず口を開いた。


「僕としゅうとだけ遅れて行ったんです。そのときにカフェを通って……おふたりの会話を聞いちゃって」


 グラサン彼女は肩を竦める。


「あれ? そちらの方は?」


 しゅうやはエレベーターでのことを見ていたが、家に帰ってすぐに二階へ行ったため話し合いを知らない。でも、彼女のことは知っているはずだ。同じエレベーターに乗って、同じ部屋で降りたのだから。


「えーっと、この人は……」


 しゅうはそんなしゅうやに説明しようとした時。彼女の名前を教えてもらっていないことに気付いた。


「お名前お伺いしても?」


 しゅうは彼女に向き直った。

 彼女はくろきを見る。サングラスをしていてもわかる焦りだった。


「ロマンチックな名前を早く考えて、くろき!(小声)」

「はあ? ロマンチック?(小声)」


 くろきは一瞬にして頭を回転させ一つの名前を思いついた。


「サブリナ・ヴァンダーウッドセン! そう! それが彼女の名前!」


 くろきは立ち上がって大声で言った。


「へー、サブリナさん。ここの人ですか? 顔は日本人よりですね」


 しゅうやはサブリナ(偽名)の顔をグラサンの横から覗く。


「目、でかいね」


 しゅうやはサブリナによくわからない顔評価をし、しゅうとに叩かれた。そのしゅうとはサブリナの前にしゃがむ。


「サブリナさん、俺はあなたほど綺麗な方を見たことがありません。あなたさえよければ、俺と……」

「ばか」


 愛の告白をしていたしゅうとにくろきがキック。しゅうと、お腹に20のダメージ。


「サブリナ、私たちはもう帰る。君も家に送るよ」

「ありがとう。ごめんなさい帰るわ」


 サブリナはしゅうとに断りを入れてくろきにエスコートされてエレベーターに乗った。



「あの人、なんで室内でサングラスしてんだろ」


 しんやは冷蔵庫からリンゴジュースを取り出しながら疑問を口にする。


「なんでだろうね。セレブのふりでもしてんのかな」


 しやが笑い半分で言うとしんが階段を上がった。


「お父さん帰るって言ってたから、帰る準備しよーぜ。まあ、泊まるつもりもなかったから持ち物は少ないけど」


 長男の言葉に反対する者はおらず、みんな自分たちの使った部屋を綺麗に、二階へと上がった。

次回 なりきりCA パイロットの隣で

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