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第一話 この恋は禁断だから燃えるのか それとも相手が貴方だから燃えるのか

「しゅう、聞いてる?」

「……ん? なんだっけ」


 目の前に出された地図にしゅうは戸惑う。


「地図ならしゅうとに頼みなよ。僕よりずっと分かるはずだよ」

「そっかー、いつもなら教えてくれるのに」


 そんな嫌味を言いながら問いかけた黄色の彼は去っていく。


「あ、あぁ、ごめんね。しゅうや、教えるから」


 しゅうがそう言うと、しゅうやは笑顔で帰ってくる。


「なーんだ。いつものしゅうじゃん。クマがあったから心配しちゃった。昨日眠れなかったの?」


 地図を差し出しながらしゅうの目の下を触ってくる。自分では気づかなかったが、眠たそうな顔をしているようだ。


「あ、あー、ずっと学校、楽しみで。緊張してて。今日で印象とか決まるじゃん?」


 しゅうの言葉に兄弟全員が反応する。


「たしかにね。しんやは?」

「え、俺に聞いちゃう? しゅうと、お前は?」

「どーでもいい。しゅうやは?」

「やっぱ、モテたいよ! ね? しや!」

「僕演技むりー」


 バラバラな意見しゅうは苦笑いをする。そしてカフェが目に見えた。


「あそこで話さない? 僕、コーヒー飲みたくなってきた。まだ一時間半はあるし」


 しゅうが意見を求めるとみどりが出た。


「俺もー。ココア飲みたい。早く着きすぎてもどんだけ楽しみにしてたんだよって、馬鹿にされそう」


 長男しんの意見に次男と五男が頷いた。四男と末っ子は気乗りしてなさそうだ。まぁ、長男が足を進めている為、行かないという選択肢はなくなった。


 カフェでの注文を終え、長男と次男が注文を受け取りに行った。


「ねーねー、可愛い女子いるかなー?」


 末のしやは椅子に腰かけるのと同時にしゅうとに話しかける。しゅうとは少し顔をしかめた後、しゅうの肩を叩いた。


「五人の中で誰が一番モテると思う?」

「……五人? 誰が入ってないんだよ」


 しゅうとはしゅうを睨む。しゅうやは「僕は僕がモテると思う!」としゅうに言う。しゅうはそれを無視してしゅうとの口が開くのを待っていた。


「しゅうに聞いてるんだから。入ってないのはしゅうだよ」

「うわー、そういうとこあるー。しゅうと兄さん」


 しやは面白がり、しゅうは返事をできないまま、頼んだ飲み物を持ってきた長男と次男が帰ってきた。

 二人が椅子に座るとしゅうはコーヒーにミルクと砂糖を入れる。しゅうやは至福というような顔でホットチョコレートを飲む。しゅうとは何も入れずにブラックコーヒーを飲んでいる。


「何の話してたの? 空気悪いよー」


 しんがしんやに砂糖を渡しながら聞く。


「この中で誰がモテるか。兄さんたちは誰だと思う?」


 しゅうは兄二人に首を傾げる。


「俺……かな?」


 真面目そうな顔で変なことを言うしんやを無視してしんは悩む。


「運動も勉強もできるしゅうとじゃね? 女の子の扱い一番上手だし」


 意外は答えにしゅうが瞬きすると隣のしゅうとが照れるように目を離した。


「はいはーい! 僕は……」

「しゅうや兄さん、いいから。言わなくていいから」


 しやに怒られたしゅうやは何かを考え始めた。


「さぁて? 本題と行こうか」


 急にしんやがスイッチを入れ始めた。いつものしゅうなら突っ込むが今日は気分ではない。なんならこの続きを聞いてみたい。しんやはしゅうを見て、「え? まだ?」と言っている。突っ込んでほしいみたいだ。


「しんや兄さん。お父さんの真似やめて?」

「いや、ガチっぽい!」


 しんやはしゅうに突っ込む。他兄弟はしゅうの様子を窺い、何かあったのではと察す。


「そういえば昨日の夜、しゅう、部屋に戻ってきた?」


 しゅうとはカップを置きながらしゅうに聞く。他兄弟はしゅうとの言葉に感心しながらしゅうを見る。


「やだなぁ、みんなそろって。すぐ戻ったよー、それより、みんなのキャラ付けしよ?」


 しゅうの意見に反対するものはいなかった。



~昨日の夜~

しゅうはすごく困っていた。

お父さんに急に「好き」なんて言われたから。


 冗談を言っている顔には見えないし、だからと言って今まで恋愛対象として見られていたとも思えないし。

 ほんとに分からなかった。


「ライクのほう? ラブのほう?」


 自分の口からそんな言葉が出たのも。


「ラブのほう」


 お父さんの口からそんな言葉が出たのも。


 全部分からなかった。ぜーんぶ。


 気づけば唇が重なっていた。これ以上はしてはいけないと思い、急いで部屋を出てが、それもいい判断だとはいえなかった。

 壁越しにお父さんの謝る声が聞こえた。

 僕はその言葉でやっと現実に戻ってこれた。


「夢……じゃない」


 現実に戻っても、唇の感触が残っていた。それを忘れるようにそっと、唇に触れてみる。

 少し、熱かった。


 あー! 今思い出しても顔が熱くなってきてる!


「しゅう、大丈夫?」

「え? あ、あぁ、うん。大丈夫だよ、しゅうや。えーっと、しゅうとだよね。しゅうとのキャラは……」

「勉強、運動、すべてができる」


 しゅうとは自信満々に答える。


「いやいや、長男の俺はバカで、次男のしんやはナルシシスト、三男のしゅうはツッコミ役。しゅうと、お前だけ完ぺきはずるいだろ!」

「しん兄さん! 『ずるい』じゃなくて、『おかしい』にして!?」


 みんなしてしゅうを見る。


「なになになに? しや?」

「いやー? ツッコミ役ぴったりだなーって」


 しやの言葉にみんな共感する。しゅうと以外。しゅうは生暖かい視線から逃れるべくしゅうとの顔をのぞき込む。


「しゅうと? どした」

「うーん。俺に欠点が見つからなくて」

「いや、それ俺が言うやーつ」


 しんやの言葉を無視してみんな真面目に考え始める。


1「言葉に毒がある」

2「ねくら」

3「誰も予想しない言葉を出す」

5「男前!」

6「髪結んでる」


「それでいこ」



 その後もなんとなく話して、なんとなくカフェを出る。しゅうがなんとなく道案内をし、学校の前まで着くことができた。


「じゃあ、行くか―!」


 長男に続いてみんな校門を通り、校舎に入っていった。

次回 あなたとぼくの禁断の恋 君と私の大人な恋

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