6話 君を売った奴に【ざまぁ】しよう
今日の更新は一旦ここまで
少女の首に嵌められているもの、それは【奴隷の首輪】という魔道具のひとつ。
嵌められたら【契約】となり、誰であろうとも奴隷となり、主人には逆らえくなる。
ーーー絶対服従。
嵌められたら最後、自分が死ぬもしくは嵌めた相手ーー言わば主人が死ねば首輪は外れる。
ここまで聞くと誰もが思いつく事があるだろう。
主人を殺せば自由になるのでは?
もちろん俺もそう考えた。
だが、所詮は奴隷ということなのか。
「殺すという思考に至っただけで地獄の様な苦痛が全身に走り、凶器を持てば【奴隷の首輪】が首を絞め続けいずれ死に至ります……わたしの友達もそれで……」
俺としたことが辛いことを思い出させてしまった。
【奴隷の首輪】に関してはもう十分と言ってもいい程分かったし、もう聞かないようにしよう。
「じゃあこいつら殺そうか? 」
横たわっている男、こいつらを殺せば少女の契約は破棄され、首輪も外れるはずだ。
「いえ……この人達を殺してもわたしの……いや、わたし達の契約は破棄されません」
言葉に妙な引っ掛かりを覚えたが少女の話は続く。
「わたし達は元々孤児で奴隷にする為だけに育てられた。そしてお金が欲しいからとこの人らに売られたんです……だから殺さないであげてください」
ただ私を買っただけですし、と。
心が痛む。
なんでこんなに優しい子がこのような目に会わないといけないのか。
「だから仲間にはなれません……こんな奴隷いらないですよね……」
「だったら俺の奴隷になってくれ。そして一緒に君を売った奴に【ざまぁ】しよう」
「……はい!あ、ありがとうございます!!……所で【ざまぁ】とは何でしょうか? 」
安心したのか顔を綻ばせ、笑顔になる少女。
聞きなれない単語だったのか不思議そうに首を傾げる。
「ああ、ざまぁってのはーー酷い扱いをしていた奴が落ちぶれていったり、社会的に死んでいったら良い気持ちになるだろ? 」
こくこくと頷いている。
「それが、ざまぁだ」
これはありさお姉ちゃん達がこの世界に転移する前に居た【にほん】という国で流行っていたらしい。お姉ちゃん達は【Vtuber】という仕事をしていて流行りには敏感らしい。
よくせがんでアニメや漫画を見してもらったものだ。
「なるほどです!あ、名前をまだ言ってませんでしたね。わたしはミリアっていいます! 」
「ははっ確かに名前をお互い言ってなかったな、俺はユノ=ミナトだ。ユノとでも呼んでくれ」
「はい!ユノ様!!これからよろしくお願いしますね、わたしのご主人様!! 」
笑顔に花が咲き、右腕を絡めてくる。
この笑顔を守ろうと心の中で誓い、路地裏を出たのであった。
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