13話 これ全力を出さなくても合格出来そうだな
「目の前に的があるだろう?それを魔法で当ててもらう」
カカシの様な物体を指差し、説明を受ける。
全部で十個あり、一間隔あけて横にズラリと並んでいる。
全部破壊しろと言うことだろう。
ーー実に分かりやすい。
「何か質問があれば答えるが何かあるか? 」
試験監督がそう言うと一人の男子生徒が挙手をし、質問をする。
「魔法は何を使ってもいいんですか? 」
確かにそれは気になるな。
「初級魔法のみでお願いします」
「ありがとうございます! 」
公平に測るため初級魔法という制限を課している。
初級魔法と中級魔法を比べられても
「他に質問がある方はいますか? 」
もう質問は無いのか誰も手を挙げない。
ならば一つ疑問点を聞くとしよう。
「この的は壊れたらどうするんだ?見た所周囲に変えの品は無いみたいだが」
〈詮索魔法〉を使用したが少なくとも目の前の的以外には見当たらなかった。
受験生は数百人いるのに1回ずつ治していたら日が暮れる。
そう考えて言ったのだが、
「あいつ馬鹿なの? 」
「何も知らないんだろうなあいつ」
「試験監督〜馬鹿なアイツに教えてやってくださ〜い」
小声で言ってるつもりなんだろうがモロ聞こえてるぞ。
ちょっと心にダメージが……。
「この的はオリハルコンで作られている的だ。壊れる心配はないぞ」
「そうですか、ありがとうございます」
オリハルコンなんか毎日厚さ1mmになるまで潰す鍛錬をしていたし、お姉ちゃん達は更にオリハルコンに〈強化魔法〉をかけて、自身に〈デバフ魔法付与〉をして壊して遊んでいたんだが……。
それを言おうとしたが、時間が無いのかスルーされた。
「では始めるぞ。ザマス=ギンア」
聞き覚えのある名前が呼ばれる。
「僕様の〈ファイヤボール〉を直に見れるなんてお前達は感謝してもしきれないだろぅ?? 」
「ああ思い出した!あのクズか!! 」
スッキリした。喉に魚の骨が突っかかってて、それを飲み込めた感じ。
「本人の目の前でそれ言っちゃう!?確かにクズだけど!!可哀想じゃん!!クズだけど! 」
クズと連呼する心愛。
「また貴様らかっ!……はっ僕様の魔法を見ても同じことが言えるかな? 」
前に立ち、右手を的に向けるクズ……もといギンア。
あれだけ大口を叩いているギンアがどれだけの威力を披露してくれるのか。
「我が右手より現れるのは炎の魔力、顕現し全てを焼き尽くせ〈ファイヤーボール〉ッッ!!! 」
ボフンという音と共に弱々しい火の球がヒョロヒョロとうねり動き的に着弾する。
カツン!
まさかの失敗か、あれは流石に不合格だろう。
俺もこんな低レベルな失敗はしないようにしないとーー
「うおおおおおおお!!! 」
「流石ギンア様だ」
「見事なファイヤーボールだ!初めてこんな綺麗なのを拝めたぞ」
大歓声が上がり戸惑う。
あ、分かったぞ、恥をかかせないために空気を読んでフォローしているのか。
最初こそそう思ったものの途中から雲行きが怪しくなる。
「〈ウォーターボール〉!! 」
蛇口から出る量とさほど変わらない水が手元から放出されるが的には当たらない。
「くそっ! 」
悔しそうに離れて行く。
「では次。ユノ=ミナト」
一抹の不安を感じながら前に出る。
ーーこれ全力を出さなくても合格出来そうだな。
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